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富裕層が行う保険を活用した相続対策

渡辺 智 2020.12.24

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富裕層の大きな悩みの1つに相続税がある。相続税とはその名の通り相続が発生したときに払う税金だ。
相続税は2015年に大きな改正があった。今まで基礎控除は5000万円+1000万円×法定相続人であったが2015年からは3000万円+600万円×法定相続人に変更になった。
つまり、4割基礎控除が減ったことになる。さらに相続税の最高税率は2015年までは50%であったが2015年からは55%に変更になっている。

相続は3代続くとその家の資金はなくなってしまうと言われているが、まさに現実のものになっている。
そこで多くの富裕層は、今まで以上に相続税対策に力を入れるようになった。一口に相続税対策といっても様々な方法があるが今回は最も簡単に行うことができる生命保険を利用した相続税対策について説明をする。
ぜひ参考にしていただければ幸いだ。

生前贈与に生命保険を絡めた相続税対策

生前贈与は、最も簡単にできるポピュラーな相続税対策だろう。
年間110万円までであれば非課税で資産を移すことができるからだ。

例えば配偶者と子供が2人いる場合、年間330万円のお金を非課税で家族に移すことが可能になる。
もし、20年間、年間330万円ずつ贈与を行えば合計で6600万円のお金を移せることになる。

非課税でこれだけ大きなお金を動かすことができるので非常に有効な相続対策といえるだろう。
もちろん、単純な贈与だけであっても大きな効果を期待することができるが、生前贈与に生命保険を絡めることによってより効果的な相続税対策になることを皆さんはご存知だろうか?
具体的な方法について説明をする。利用する生命保険は保険料年払いにする平準払い型の生命保険だ。

契約形態は以下のようになる。
●契約者…贈与を受ける人
●被保険者…贈与をした人
●死亡保険金受取人…贈与を受ける人

このような契約形態で生命保険に加入することによって、いざ相続税の対象である贈与をした人に万が一のことがあった場合、相続税を支払う家族のもとに大きな死亡保険金が入ることになる。
この資金を相続税の支払いに充てることができるのだ。

また、平準払い型生命保険の場合契約してから一定年数経過すると中途解約しても元本以上のお金が戻ってくるものもある。
このような保険を利用すれば、贈与を受けた人の将来の資金に使うことができるのだ。

まさに、一石二鳥の相続税対策といえるだろう。

一時払い終身保険の利用

一時払い終身保険とはその名の通り保険料を一括で支払う生命保険の事だ。
一時払い終身保険は、通常の月払いや年払いの平準払い保険に比べ医的審査が緩い傾向があるので高齢者でも加入することが可能な保険である。

生命保険には非課税枠というものがある。法定相続人× 500万円が非課税になるので生命保険に入っているだけで相続税対策になるのだ。
また、一時払い終身保険の中にはレバレッジ効果の高い保険もある。
レバレッジ効果の高い保険とは、支払った保険料対比高額の死亡保険金がもらえることだ。

持病を持っている高齢者でも加入することが可能なので、相続対策を行うことが遅れた方でも加入することができるのだ。
また、一時払い終身保険の中にはレバレッジ効果だけではなくターゲット型と呼ばれるタイプの保険がある。

このタイプの保険は、契約期間中に一定金額までお金が増えると自動的に解約になるものだ。

10%や20%程度の増加であれば比較的早く達成することができるので年齢が若いうちに加入すれば何度もこのタイプの保険を利用することもできるだろう。
しかもかなり高い効果を得ることができるので非常に有効な相続税対策といえるだろう。

まとめ

今回は、生命保険を利用した相続税対策について説明をした。
相続税対策には様々な方法があるが、生命保険を利用した相続税対策は非常に簡単に行うことができるので、相続税対策の第一歩としては非常に最適である。
また簡単にできるだけでなく効果も非常に高いので相続税を支払う可能性がある全ての人が利用すべき対策といえるだろう。
ぜひ今回の記事を相続税対策の参考にしていただければ幸いだ。
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