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富裕層が行う相続対策の実態

渡辺 智 2020.10.29

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富裕層は資産を子供や孫に引き継ぐためには様々な対策が必要になる。
なぜなら、日本は相続税が非常に高いからだ。相続税の最高税率は55%にもなる。

何の対策もなく相続が3代続くと一族の資産はなくなってしまうといわれているほどだ。
しっかりと資産を引き継がせるためには様々な相続対策が必要になる。

そこで今回は富裕層が行っている相続対策の実態について説明しよう。

富裕層が行っている相続対策①贈与


富裕層が行っている相続対策のうち最もポピュラーなものが贈与だ。

贈与とはその名の通り資産を他人にあげることを指す。
この贈与であるが年間110万円までであれば贈与税がかからないのだ。

もし配偶者と子供2人に10年間110万円ずつ贈与をした場合10年間で3300万円のお金を動かすことができる。
計画的に贈与を行うことによって非課税でお金を家族に移転させることができるのだ。
この贈与だが特別難しい手続きは必要ない。簡単に行うことができることも多くの富裕層が行っている大きな理由なのだ。

富裕層が行っている相続対策② 一時払い終身保険


一時払い終身保険とは、その名の通り保険料を一括で支払う終身保険のことだ。
この一時払い終身保険だが、一般の月払いや年払いの生命保険に比べて健康状態の審査が緩い傾向にある。

健康状態の審査が緩いので、一般的に健康状態に問題がある高齢者でも入りやすいことが特徴だ。
また一時払い終身保険の中には、高いレバレッジが効く保険がある。つまり支払った保険料に対して多くの保険金が戻ってくるのだ。

また生命保険には非課税枠というものがある。生命保険の非課税枠とは、法定相続人一人当たり500万円が非課税になるというものだ。
生命保険に加入するだけで、多額の非課税枠を手に入れることができることも大きなメリットになる。

富裕層が行っている相続対策③遺言信託


相続人の数が多いと相続の際もめる可能性が高くなることが一般的だ。

資産が多額にある場合はなおさらだろう。相続が争続になってしまうことも決して珍しいことではない。
そこで富裕層の多くは相続で揉めないために事前に遺言を作っていることが一般的だ。
しかしこの遺言であるが形式に不備があると無効になってしまうし相続資産の配分に問題があると多くの相続税がかかってしまうことになりかねない。

また、相続手続きは非常に煩雑であり残された相続人の負担は計り知れないものがある。
そこで多くの富裕層は信託銀行が提供している遺言信託というサービスを利用しているのだ。

遺言信託とは、信託銀行お抱えの弁護士や税理士が適切な資産配分についてアドバイスをし遺言書の作成まで行ってくれるサービスだ。
また遺言書の作成だけではなく、遺言書の保管や遺言の執行も信託銀行がすべて行ってくれるのだ。

遺言信託を作成することによって相続に関するアドバイスや手続きについて全て信託銀行が関わってくれる安心感は非常に大きいだろう。
富裕層の多くはお抱えの税理士がいるケースが多いが、対岸の税理士は相続について強くないのが現状だ。

所得税や消費税等については強いが実際の相続手続きについては行ったことがない税理士も多い。
その点、信託銀行お抱えの税理士は相続を専門に行っているので相続に関するノウハウが非常に豊富だ。相続に強い税理士に直接相談することができることも遺言信託の大きなメリットだろう。

まとめ

今回は、富裕層が実際に行っている相続対策について説明をした。
富裕層は資産が豊富にある分相続についてもしっかり対策をしておかないと多額の相続税がかかってしまうことになる。

また資産が多い分相続で揉めてしまうことも起こりがちだ。
このような事態を避けるために是非今回紹介した相続対策を参考にしていただければ幸いだ。

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