中国富裕層は危険がいっぱい
NOBLE STATE NEWS 2016.04.14
世界の富裕層の関心がパナマ文書の動向に釘付けになっている陰で、中国富裕層の間ではもうひとつの大変な事件が起きています。ロイターの記事によると、上海でここ数年著しく成長を遂げていた資産運用会社のZhongjin Capital Managementが、違法性のある資金調達を行った容疑で幹部21名が逮捕。オフィスは閉鎖されました。
Zhongjinは2015年までに300億元(5000億円)の資金を集めており、4月1日時点の同社のホームページでは52億元(860億円)の利益を出していると言われていました。
この事件ではまだ20代の最高幹部Xu Quin氏が、バチカンで挙式を行うため飛行場に向かっていた所で逮捕されたという、何とも派手な逮捕劇も合わせて伝えられています。
またZhongjinの親会社であるGuotai Investment Holdingsの会長、Cheng Jiajing氏(29)の行方がわからなくなっており、今やZhongjing、Guotai本社に電話をかけても、どちらも不通。ホームページへのアクセスもできなくなっている模様です。
実際に投資していた人の話ではZhongjinの投資商品は大変人気があり、オフィスの前に徹夜で列をつくる人もいたほど。昼間はいつも人で溢れかえっていたようです。
最近中国では、違法な資金調達の取り締まりを強化し始めたところで、今年2月にもネットを使ったP2P金融の「e祖宝」は全国90万人の投資家から500億元(8500億円)を集め、やはり大量の逮捕者を出し、事務所は閉鎖に追い込まれています。
中国でこのような高利回りをうたう理財商品と言われる投資商品に人が飛びつく背景には、このところの経済減速で利下げが続いており、少しでも高い利回りが得られるものを、と投資知識のない人までも巻き込んだ投資合戦が行われていることがあるといわれています。
日本だと爆買いだとか、有り余るお金をただひたすら使い続けるイメージだけが伝わっていますが、中国富裕層も、いたるところに仕掛けられた甘い罠に対する対応が求められるようになっていて、なかなか大変な状況なのです。
Cover Photo :Money Bankroll Girls February 08, 201114 by stevendepolo
※写真はすべてイメージです。