富裕層はなぜ船旅をするのか?
Interview Picks 2016.04.14
2015年の暮れ、NOBLE STATEでは東京・横浜・鎌倉在住の富裕層10人にインタビューを行いました。このページはそのインタビューをまとめた『富裕層ライフスタイルインタビューレポート』からの抜粋です。お話を伺ったのは米原玲子さん(仮名)。東京都練馬区在住60代主婦、ご主人は自営業。
もともと米原さん夫妻は船旅に対して憧れがあったのですが、船旅は期間が長くなるので、長い間行けないでいました。そして年齢的に60代なかばを超えた頃、夫妻は少しスローダウンして仕事を減らし、ふたりで船旅を楽しむ生活をはじめることにしたといいます。船はもっぱら飛鳥を利用しているそうです。
Cover Photo:cruising by bdonovan
旅行にはよく行かれるのですか?
最近、主人が海外は時差が嫌だというので、日本一周したりとか船旅が多くなりました。このあいだも日本一周から帰ってきたところです。
9月は加山雄三のキャプテンの船に乗って。
日本一周は飛鳥ですか?
飛鳥です。横浜大桟橋から神戸に行って、それから釜山に寄って、門司から金沢、2泊して函館、大船渡で横浜に帰ってくる11日間。 春は春でまた、ぐるっと回ってきて。その時によって違うんですけどね。 もう秋の一周の時に来年の秋のクルーズまで予約しちゃって。そういう感じですね。
Sunset Cruise Ⅱ by ecstaticist
飛鳥に乗られるようになったのは、
ご主人が時差が嫌とおっしゃったことがきかっけですか。
そうですね。それと、いろんな方と知り合えて楽しいし。海外旅行って言うと二人で楽しむ感じなんですよね。ビジネスクラスで行っても時差があって疲れるって言って。船だと疲れないし。で、だいたい同じような人が乗ってるので話も合うし。お友達もそのたびにできるんですよね。
もうその場限りの友達。で、リピーター多いんで。どっかでお会いしたことありますね。私もって言う感じ。「春の一周」に乗りましたか?って言うと乗りましたって言われて。で、またいずれお会いしましょうって言ってると、またこのあいだ会ったりして。
それだけリピーターが多いんですね。
多いですね。でも名前も知らないし。ただそこで楽しく話をしてそれじゃあって感じで。
連絡取り合うわけではないんですね。
ええ、連絡とりあうほどじゃなく、また会っちゃうんです。
船旅に行かれるようになる前は、海外に結構行かれていたんですね。
もう私がハワイが好きで、ハワイですね。しょっちゅう行ってましたね。
ハワイはどのあたりに?
もうオアフ島ばっかり。あのへんグルっと回って10年位行ったかな。もう行くところもないし。
ハワイではよくショッピングはされましたか?
買い物が目的で行くんで、みんなにバカにされて。ママは免税店があればいいんでしょって。でも、もう買うものが無くなっちゃって行かなくなった。主人は主人でもう見るとこがないって言い出して。
オアフ島以外の島は?
ちいちゃな飛行機で行くのが嫌なんです。でもハワイは好きで随分行きました。
泳がれるんですか?
あたし海に入ったことがないんです。別荘も千葉の鴨川にあるんですけど、海行ったこと無いんです。目の前が海なんですけど。ベランダから見ればいいから。あんまり海が好きじゃない。
だからハワイでも主人は単独で船に乗ったりしてる。行ってらっしゃいって感じで。私はのんびりしてくるのが好きねえ。ハワイだとモアナ・サーフライダーが好き。だいたいあのあたりのホテルに泊まる。でも家族で行くとなると結構高いんですね。だからファミリーのときは、シェラトンの隣のホテルにしていました。名前は忘れましたけど。
船旅はご夫婦ふたりですか?
船はいつも二人ですね。でも友だちができちゃうんです。4月に日本一周したときは、8人で私のお誕生日祝ってくれて。向こうで知り合った人に、今日私の誕生日なんで皆さん来てくださいって、みんな呼んでお祝いしてもらって。
みなさん来年の予約まで入れている?
大体そうですね。ある有名な飲料メーカーの社長さんはいつもいちばん高い飛鳥スイートを年間入れちゃってるって聞きました。もう今は、お年を召されてあまり来てないってことですけど。だいたい年間でおさえちゃうって感じで。じゃないと自分の希望のところに入れなくなっちゃう。このあいだ10月に聞いたら、4月はもう希望のところはとれないって聞きましたね。
船旅は長いので、なかなか行けないと皆さんおっしゃるんですが。
主人もそういうこともあって仕事を限定したの。前から船旅行きたい行きたいって私が言ったら、そんなの仕事休めないしって言ってたのを、もう年だから少し仕事減らすからって減らして。それからですね。
あと友達がスチュワーデスなんですけど、飛行機は怖いっていうんで、怖くなっちゃって。3回位死ぬ思いしたって。で、やっぱりやめたほうがいいなって。
船だと死ぬことないだろうし。酔うことはあっても。でも私達酔わないんです。このあいだも爆弾低気圧のとき、すごい揺れて地震かと思って起きたら、あっ船だったってくらいで、6時位に起きたから洗濯して、7時頃にビュッフェ行ったらガッラガラだった。みんな酔っちゃったみたいで。
2014 Alasaka Cruise by Ted’s photos –Returns Mid May
いつも飛鳥に乗られるんですか?
他にも乗ったんですけど、やっぱり飛鳥のほうが良いかなって思って。
それはどういう点が?
そのもうひとつの所は関西系なんですよ。すると神戸とかそっちが起点で、そっち行くの嫌だし、飛鳥は横浜が起点。そういうこともあるし、やっぱり大きいから揺れも少ない。お茶飲むところが、いろんなとこにあるし、待遇がぜんぜん違う。値段的にも違うけど内容が違うっていうか。
出会える人も違いますか?
違いますね。飛鳥のほうが大人の船って感じ。それにもう、食事の世話をしてくれるボーイさんがいるんですけど、そういう人たちとも顔なじみになっているから。しょっちゅう乗ってるからね、もう何人もそういう人がいる。だいたいフィリピン人なんですけどね。
こっちが言わなくても飲み物ちゃんと持ってきてくれるしね。私はアルコール飲まないんで、ホット烏龍茶っていわなくても、ぱっと出てくる。で、他の人が飲み物は?っていって「ホット烏龍茶」ていうと、「ちょっと時間かかるんですけど」っていうときには、もう持ってきてくれてる。
※ランドスケイプの『富裕層ライフスタイルインタビューレポート2015』より一部抜粋。 写真はすべてイメージです。実際の船や話中の特定の場所を表すものではありません。
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