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雪質抜群!今シーズンの白馬村スキー場レポート

SHOTA 2021.02.04

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冬に入ってからも新型コロナウイルスが引き続き猛威を振るっているなか、長野県白馬村の八方尾根スキー場でスキーをしてきました。今年は寒波が長く続いた影響で、日本のスキー場は数年ぶりの非常に良いコンディションです。白馬村も例外ではなく、例年に比べて外国人の数は圧倒的に減っていますが、雪質は抜群です。そのため、スキー場に人が少ないのに雪質が良いという滅多にない良い環境でスキーを楽しめます。

それでは実際の現場の写真を載せながら、今シーズンの八方尾根スキー場のレポートを書いていきます。また、猛威を振るう新型コロナウイルスに対して、日本のスキー業界はどう対処対応するべきなのかも考えてみたいと思います。

八方尾根スキー場のリフト運行状況





出典:https://www.happo-one.jp/gelande/lift/

こちらは1月7日の午前8時35分時点の八方尾根スキー場のリフト運行状況です。ご覧の通り、ほとんどのリフトが営業しているのがわかります。昨年や一昨年は雪不足の影響で、特にスキー場下部エリアのリフトは営業できていませんでした。コース上に石や土が丸見えで、とても安全にスキーをできるような状態ではなかったです。それに比べると今シーズンはかなり状態も良く、ほぼ全面滑走可能です。

ただしスキー場一番上のグラードクワッドリフトは、朝一番は営業していない日もあり、私が行った日も10時を過ぎてからの営業開始になっていました。スキー場頂上ということもあり、降雪量が多かった日の翌日は特にメンテナンスに時間がかかるようです。そのため、朝一番で頂上を目指したいと考えている方は注意が必要かなと思います。スキー場に着いたら事前に、窓口などで確認するようにしましょう。

スキー場頂上、グラードクワッドリフトからの景色と雪質



私もスキー場に行くと真っ先に頂上に行きたいタイプですので、他のコースを滑りながらグラードクワッドリフトの営業開始時間を待ちました。こちらが頂上のリーゼングラートコースです。



おそらくスキー場スタッフがコース確認をするために滑走した跡がありますが、それ以外は誰にも踏まれておらず、極上のパウダースノーコースが広がっています。ますます、早く滑りたくなります。こういった景色を見るのは本当に久しぶりな気がします。

1時間ほど他のコースを滑りながら待ち、ようやくグラートクワッドリフトの営業が開始されたので、早速頂上までリフトで登っていきます。



リフト上から見るだけでも、雪質が良いことが明確にわかります。さらにこの日は天気も良く晴れ間も出ていて、終日すごく気持ちの良いスキーができました。

リフトを降りて頂上に着くと、グッと気温も冷えます。顔が冷えて筋肉の感覚が鈍くなってきますが、頂上に来たんだなということを体感できる寒さです。スキー板で雪を踏むと、「ギュッ」という音が鳴りますが、これこそ雪質が良い時の音です。

早速滑り出すと、ここ数年ではほとんど感じられなかった久しぶりの質の良い雪の感覚に大興奮です。まだ人が通っていない非圧雪のパウダースノーコースを狙って、リーゼングラートコースをしばらく滑りました。

この日、私はショートスキーだったのでパウダー滑走にはあまり向いていないのですが、後ろに体重をかけ雪の上を浮くように滑りました。シャーーっという滑走の音とともに、なんとも言えない心地の良い感覚です。

このような雪質が良いのに人が少ないという環境は本当になかなかないので、今シーズンの午前の八方尾根頂上付近は本当におすすめです。

八方尾根の代名詞コース、うさぎ平ゲレンデの状況



八方尾根スキー場といえば、ゴンドラを降りた目の前に広がる大きなコブ斜面を連想する方も多いと思います。オリンピックのスキーモーグル選手としても注目を集めていた上村愛子選手も、このコブ斜面で練習をしていました。

このコブ斜面を含めた全体のコースをうさぎ平ゲレンデと呼びます。うさぎ平ゲレンデを滑るには、ゴンドラを降りてさらにもう一本アルペンクワッドリフトというリフトに乗ります。このリフトを降りたところが、うさぎ平ゲレンデの頂上です。

こちらがその頂上の景色ですが、天気が良ければこのように白馬三山が見られます。



今シーズンはうさぎ平ゲレンデも非常にコンディションが良く、ふわふわの雪質でした。

アルペンクワッドリフトから見たうさぎ平ゲレンデの写真がこちらです。



ここがその有名なコブ斜面ですが、私が行った日は前日にしっかり降雪がありましたので、少しコブは雪で埋まっていました。しかし一部はしっかりコブが形成されていたので、コブ斜面好きの方は十分楽しめるコンディションです。

新型コロナウイルスの影響は避けられない日本のスキー業界



ここまでの写真を見るとわかりますが、やはり滑る人もリフトに乗る人も少なかったです。リフトの待ち時間は、どこも0分でした。ここまでスキー場に人が少ないのは、間違いなく新型コロナウイルスの影響です。昼食を食べるスキー場のレストハウスも、例年ほとんどが外国人で埋め尽くされますが、私が行った日はそのほとんどが日本人でした。毎年恒例の席の取り合い合戦も皆無で、ガラガラです。

スキーを愛するスキーヤーにとって、雪質が良く人が少ないのは非常に喜ばしいことですが、白馬村や宿泊施設・飲食店などの事業者にとっては大きな大きな困難です。個人経営で資本力のない民宿も白馬村にはたくさんあり、年々増える訪日外国人スキー客の恩恵を受けていたところは特に大きな痛手となっています。そんな白馬村の民宿を救うため、経営支援のため、クラウドファンディング上でプロジェクトも立ち上がったりしていますが、それだけではとても賄いきれません。

これはもちろん白馬村に限った話ではなく、日本のスキー業界全体に当てはまる話です。外国人の日本への新規入国は再び全面的に禁止され、一部に緊急事態宣言が再び発令されました。スキー業界に関わらず、厳しい状況が続いています。そんな中でどのようにスキー業界を持続可能な産業にしていくべきなのか、白馬村に滞在しながら考えています。

そもそも日本のスキー人口自体が右肩下がりで減っています。いわゆるミレニアル世代やZ世代という、新たな若い大きな消費世代が今後の日本経済の鍵となるわけですが、この世代の特徴は可処分所得が少なく、なかなかモノを買えないというところです。

スキーはお金がかかるレジャースポーツです。交通費、宿泊費、リフト券代、スキー用品代またはレンタル料がかかります。かかる費用面で見ると、他のスポーツと比べてなかなかハードルの高いレジャースポーツです。この費用を抑えるためにできることや、新しいビジネスアイデアもきっとあるはずです。

また、スキー場としては稼ぎ時の冬以外のシーズン事業で黒字化ができれば、冬のシーズンへの投資も可能になり、市場を活性化できるかもしれません。白馬村はそういう意味では夏のグリーンシーズン活性化に近年力を入れているので、私は良い流れだと思っています。

新型コロナウイルスは簡単に止めることはできませんが、これを転機と捉えて全く新しいことに挑戦する姿勢も大切だと思っています。世界的に見てもこんなに素晴らしい雪質に恵まれている国は少なく、雪というのは本当に重要な日本の観光資源です。白馬村に滞在しながら改めてそう思いました。外国人か日本人かを問わず、多くの人がこの世界最高峰の雪質を楽しんでスキーをしている風景が早く見られることを願っています。
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