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実際に働いてみないと分からない外資系企業のリアル

SHOTA 2021.02.08

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外資系企業と聞くと、様々なイメージが膨らむかと思います。

・バリバリのハイキャリアビジネスマン
・高給取り
・ライフワークバランスがしっかり取れている
・成果主義
・全員英語が話せ、社内は基本英語で会話


だいたいこのようなイメージを持つ人が多いように感じます。

しかし、実際は世間のイメージとはかなり異なっているところも多いです。例えば、外資系企業の中には全く英語を話せない社員もたくさんいます。そこでこの記事では、実際に働いてみないと分からない外資系企業のリアルを、「外資系企業あるある」と称して紹介していきます。

きっと外資系企業で働いたことがない人には新たな発見になりますし、働いた経験がある人には納得、共感できることがあると思います。この記事が何か皆さんの学びや気づきに繋がってくれたら幸いです。

外資系企業の定義




あるあるをお話する前に、「外資系」企業とはそもそもどんな企業のことを指すのか。意外と正しく理解している人が少ないその定義を説明します。

経済産業省によると、「外資系」と定義される企業は下記の通りです。

①外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している企業
②外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している持株会社が出資する企業であって、外国投資家の直接出資比率及び間接出資比率の合計が3分の1超となる企業

③上記1、2いずれの場合も、外国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である企業

引用:https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/gaisikei/result/result_53/pdf/h2c22019nc.pdf(経済産業省)

以上の定義された企業に当てはまるのが、「外資系企業」となります。少し難しいですが、外国法人や外国人による出資がなされた企業と覚えておけば大丈夫です。

外資系企業のリアル





それではこちらで外資系企業のリアルな事例を紹介していきます。実際の経験談からの情報ですし、インターネットやSNS上の情報を見ても同じような経験をされている方が多いので、これらは”あるある”と呼べるかと思います。一般的な日系企業とは違い、学ぶことも多々あります。

研修やルール・マニュアルの未整備


日系企業から外資系企業に転職すると特に驚く特徴が、研修やルール・マニュアルの未整備かもしれません。仕組み作りやマニュアル管理、充実したOJT研修などは特に日系企業の特徴であり、得意とするところです。しかし、外資系企業ではそのようなものを整備しておらず、即実践、実践しながら覚える、分からなかったらとにかく聞く。こういった姿勢や働き方が求められます。

もちろんこれは企業にもよりますが、比率で見ると確実に日系企業の方がこういったところはしっかりしています。特に日本市場で立ち上げをしたばかりの外資系スタートアップ企業や大手チェーン企業などは、このルール等の未整備が顕著です。とにかく動きながら整備していきます。

仕事のパフォーマンスはすべて数値で管理


KPI・KGIという言葉をこれでもかというほど外資系企業では耳にします。具体的な数値ですべてを計測して語り、目に見えるデータを非常に大切にします。 また、人事評価もKPIで測られます。一年の目標や達成具合を直属の上司(マネージャー)と確認する際、必ずKPIをもとにして話が進みます。数値で具体的に、自分は何を目標にしてきて、どんな成果を上げ、これから新たにどんなことを成し遂げるのか。これらすべてを数値で話し合います。

達成できていれば昇給や昇格があり、達成できていなければそれは難しいです。なんとなく頑張って、なんとなく長く働いていれば自然と待遇が良くなるということはなかなか起きません。

「サステナビリティ」も数値で示して経営


前の項目に付随しますが、外資系企業では仕事のパフォーマンスのみでなく、サステナビリティでさえKPIで評価測定します。具体的には、二酸化炭素の排出量が企業全体で年間どれくらいあり、昨年からどれほど削減できているかなどです。

その他にも色々な指標があるのですが、筆者の勤めていた外資系企業は特に二酸化炭素の排出量を重視していました。お国柄や地域柄もありますが、特にヨーロッパを本社とする外資系企業ではこの傾向が強いです。日本ではこういった評価測定を経営目標にまで組み込んでいる企業は、ほとんどないのではないでしょうか。

権限委譲が進み、意思決定者が誰なのかよく分からない


外資系企業はトップダウン型よりもフラットな組織体系を推奨する企業が多く、良くも悪くも自由です。そのため、権限委譲が日系企業以上に進んでおり、日本でいう係長クラスが人事権を持つことも珍しくありません。係長クラスでもチームで人を新規雇用する際、雇用した社員の給与まで決められたりもします。ここまで権限委譲が進むと意思決定のスピードも早くなり、会社経営にプラスに働くことが多いです。

しかし反対に、権限委譲が進みすぎると誰が意思決定できるのか、誰に判断を仰いだらよいのか不明確になるケースが多発します。人やチームによって言うことが異なり、曖昧な状態で放置され気づいたらルール未整備の無法地帯になっているなんてこともあります。そういう意味で、外資系企業は良くも悪くも自由すぎるという面があります。

日本人vs外国人の対立構造が生まれやすい



外資系企業といっても日本にある会社なので、どうしても日本の習慣・慣習に合ったローカライズが企業の発展には必要です。海外で上手くいった事例をそのまま日本に持ち込むだけでは、長く継続的に成長していくのはかなり難しいです。

日本には独特の商習慣や消費者の感覚があり、「察する」という文化や考え方も大切です。どうしてもそれを外国人に素直に理解してもらうのは難しく、対立は生まれやすいです。企業のトップが外国人で固まっている場合は、特にその傾向が顕著に出るはずです。

「日本ではこうしないといけない、こうした方がよいと考える日本人」と「海外ではこれで成功しているのだから、そういった日本人の考え方を変えるべきだと考える外国人」どちらも正解なのですが、だからこそ対立が生まれやすいです。これも、話を聞いていると外資系企業に多い「あるある」事例です。

まとめ

以上、外資系企業のあるあると称して、そのリアルな事例を紹介しました。日系企業、外資系企業ともにメリットデメリットがあり、両者の良いところを組み合わせて課題を克服している企業が日本で成功を収めていると感じます。

例えばアメリカの大手小売業者であるコストコなどは、とても良いローカライズの成功事例です。コストコも最初は、アメリカで成功した商品の仕入れ方を日本で実践しようとしましたが、見事に上手くいきませんでした。それは日本の商習慣に合っておらず、業界に敵を多く作るやり方だったからです。

そこでコストコは発想を転換し、日本の卸売りという独特の商習慣に配慮しつつ、新たな取引形態を作ってコストコ独自の仕入れ方法を実現しました。これがまさにローカライズです。

日系と外資系の良いとこ取りが、ビジネス成功のための重要なキーポイントでしょう。
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