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世界中の富裕層がシンガポールに集う理由とは

焔(Homura) 2021.01.25

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シンガポールは今や世界中の富裕層が集まる国として注目を集めています。

シンガポールが国として独立したのは1965年と新しく、国土面積は東京23区とほぼ同等、人口は23区の6割ほどしかいません。しかし今やアジアのみならず世界的な金融センターとしての地位を築いています。

果たして実際にどれぐらいの富裕層が集まっているのか、その理由は何なのかを見ていきましょう。

シンガポールは超々富裕層の割合が世界で第2位

一口に「富裕層」とは言いますが、一般に「富裕層」とは純金融資産保有額が1億円を超えている人のことを言います。
(純金融資産保有額が5億円を超えると「超富裕層」)

そんな純金融資産保有額が1億円を超える富裕層の割合が多い国を見てみると、1位はアメリカ、2位は中国、3位は日本とのこと。しかし純金融資産保有額が10億円を超える「超々富裕層」となると、1位に香港、2位にシンガポール、3位にオーストラリアとランキングが一気に塗り変わることになります。

つまりシンガポールは、富裕層の中でも特にトップクラスの人々が集まる国だと言うことです。その他、1人当たりのGDP(購買力平価ベース)を見てみると、シンガポールは日本の2倍ほどに達するというデータもあります。

シンガポールに住む富裕層の例

シンガポールの長者番付によると、シンガポールで1番のお金持ちは土地開発会社であるファーイーストオーガニゼーションの子息達で、資産額は約1兆とのこと。

その他、世界的な投資家であるジム・ロジャーズ氏、フェイスブックの共同創業者であるエドゥアルド・サベリン氏、スペインのサッカーチーム「バレンシア」のオーナーである投資家ピーター・リム氏などが名を連ねています。

全体の傾向として、長者番付に名を連ねる人々の多くは不動産、投資家、石油取引、銀行業などが目立ちます。

「石投げればお金持ちに当たる」なんて言われることもあるシンガポールですが、少なくとも何もない町中で富裕層と出会う機会はほとんどありません。シンガポールは超格差社会かつ車社会ですので、一般層と富裕層では住むエリアが違いますし、富裕層がバスやタクシーに乗ることもあまりありません。

ただし各種イベントや習い事に参加した場合、シンガポールの中でも中心地に行った場合は、富裕層らしき洗練された人々を多く見かけることになります。

また車社会なだけあって、車には相当お金がかけられている傾向にあります。例えばシンガポールの中でも特に富裕層が集まるセントーサ島などは、ロールルイスやフェラーリなどの高級車はもはや大衆車扱いですらあります。

年収1億円を下回ると永住は難しい?

世界的な大富豪たちが集まるシンガポールですが、年収が1億を下回る準富裕層、アッパーマス層、マス層などにこの動きが拡大することはありません。

その理由は、シンガポールで長期間生活できるビザというのは条件が厳しいため。例えば投資家としてシンガポールの永住権を申請する場合、次のような条件が課されます。

・250万シンガポールドル(約2億円)以上を、新規事業か既存事業の拡大に投資すること。もしくはシンガポール政府指定のファンドに投資すること。

これはあくまでも投資家の場合ですが、他でもだいたいの相場は同じ。つまりどのような職業にしても2億円程度をポンと支払えるぐらいでなければ、シンガポールへの移住は不可能ということです。

シンガポールに富裕層が集まる2つの理由とは

どうしてシンガポールに移住したがるのか、その理由は大きく分けて2つあります。

税金面(特に相続税・贈与税)で大きく有利だから

シンガポールは税金面で「お金持ちほど得をする」という傾向が強くあります。

例えば営業職の会社員の場合、所得税の最高税率は22%。日本では45%にもなるため、単純に考えても2分の1程になります。基礎控除や配偶者控除などのさまざまな控除も認められるため、物価が東京以上に高くても、税負担を抑えてトータルで安価な生活が可能です。

それ以上に注目されることが多いのが、贈与税や相続税がないということです。

母国の税制にもよりますが、例えば日本では「相続が3代続くと財産はなくなる」と揶揄されるほど相続税が高額で、その最高税率は55%にもなります。

一方で日本の相続税法では、相続開始以前10年以上を相続人(被相続人)ともに海外に居住していた場合、海外資産は相続税の対象外になるという「10年ルール」が存在します。この「10年ルール」も兼ねて、日本の富裕層では自分の子孫に資産を引き継がせるために家族全員でシンガポールに移住するケースが見られます。

インターナショナルスクールによる教育が優れているから

シンガポールに移住する富裕層の中には、20代~30代などの若い人々も多く見られます。

このような若い富裕層はビジネスや投資(最近では特に仮想通貨投資など)で成功をした人が多いのですが、そんな彼らの関心が高いのが「子供の教育」です。

シンガポールにはインターナショナルスクール(インター校)が20以上あって、富裕層に高い人気を誇ります。その理由は、日本のインター校並みの料金(年間250万円前後)でありながら、間口が広いということです。

入学試験は日本のお受験などよりも楽で、高校までエスカレーター式なためある程度学校に任せることができます。また語学の教育に優れており、最初に英語を話せなくても入学してからゆっくり語学力を磨いてくれる学校が多いのもうれしいところ。学校としてのネームバリューもあり、大学への進学も容易です。

このような理由からシンガポールのインター校は、永住する人々だけでなく留学という意味でも人気です。

まとめ

富裕層が多く集まるシンガポール。その秘訣は、子供に財産を継がせやすく、教育面も優れているという部分にあります。

もしもビザを得られるほどの収入があるなら、家族のより良い生活のために移住を検討してみるのも良いかもしれません。
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