ベストボディへの挑戦!大会出場までの道のり
KANAKO 2021.01.16
ベストボディという大会をみなさんはご存知でしょうか?「世界初!男女の年齢別ミスター&ミスコンテスト」と銘打たれ、年齢別で行われるコンテストです。
ベストボディへの取り組みと挫折まで
私がベストボディという大会を知ったのは3年ほど前のことでした。パーソナルジムに勤めるかたわら、自分自身もボディメイクをする必要があると思ったことも理由の一つでしたが、この大会を目指すことで、きっと私史上一番いい体になれるのではないかという期待が目指す理由としては大きかったです。
まずはじめにしたことは大会の日程決め。そして、そこから逆算していつまでに体を仕上げたいのかで、摂取するカロリーを決めて、PFC(タンパク質・脂質・糖質)バランスを考えて、食材レベルにまで落とし込みました。
きちんと計画をたてたら、後は体重を測りながら進捗を確認して、この内容でふさわしいのか、吟味しながら進めていきます。
私が行った食事内容はケトジェニック(糖質制限)で、糖質の量は極端に下げていました。さらに、本来摂らなければならない脂質に関しても、かなり序盤から制限をしてしまい、鶏胸肉皮なしとブロッコリーにノンオイルドレッシングをかけただけという、それはそれは質素な食生活を2ヶ月くらいしていました。
制限をすると、より体は欲するもので、用もないのにコンビニに入っては、お菓子やパンの売り場で動けなくなってしまう始末。代謝も落ち、みんなが半袖の中でも寒い寒いと言っていました。
そんなコンディションの中でも、トレーニングは週に少なくとも4日以上はやっていました。トレーニングは10RM(10回あげて限界になる重量)を基本とし、ただ、明らかなカロリー不足のためか、体力はだんだん落ちていき、トレーニングは常にきついものでした。しかし、大会の減量中の一番のモチベーションは仕上がっていく体そのものなので、私にとってトレーニングはご褒美でした。(と、言い聞かせてもいました。)
そうして最初のベストボディの大会まで残り2週間となった日のこと、私は体がかゆくて痛くてたまらなくなりました。体の至るところには発疹ができ、次の休みにはトレーニングをやすみ、皮膚科に行く羽目になってしまいました。
そこで私は帯状疱疹と診断をされ、2週間はトレーニングを禁止するように言われ、なくなくその年のベストボディを諦めることになりました。そして、ここから私のベストボディに向けた挑戦がほんとうの意味ではじまりました。出れないことが悔しいのと、同時にほっとしてしまった自分が情けなかったのです。
■ベストボディ大会のことと、大会までの日々
ベストボディに断念した時、私の体はかなり仕上がっていて、体脂肪率は18%くらい。数値的にはこれまでの人生で一番いいものでした。 しかし、その年に大会に出ることを断念した私は、たくさん食べては罪悪感で食事を減らし、またどかっと食べて、、というトレーナーらしからぬ悪循環を繰り返し、どんどんリバウンドをしていきました。私は無理なダイエットはリバウンドをしてしまうものだと痛感し、パーソナルトレーニングの初回カウンセリングに来るゲストの気持ちを身を持って知ったのでした。
そうして次の年の4月、同じ職場のトレーナーの女の子といっしょにベストボディに出ようと決めて、6月に応募しました。応募は大会のちょうど1ヶ月くらい前までにする決まりがあり、そこには全身とバストアップの写真とスリーサイズを書くところがあります。
書類審査もあるため、応募の締め切りぎりぎりまで絞って応募。無事に書類審査に通って、大会の出場費を支払い、ほんとうの意味で私は逃げられなくなりました。
ボディメイクの大会と聞くと、体を絞るだけだと思われがちですが、ベストボディは審査基準として、下記の6つを掲げています。
1.健康美
2.全身引き締まった身体、バランスの取れたスタイル
3.ルックス、顔の表情、表現力
4.ポージング
5.ウォーキングを含む身のこなし、見せ方
6.知性、品格、誠実さ
※ベストボディの公式ホームページより抜粋
実は体が絞れても、審査基準の2/6にしかすぎないのです。ベストボディにはポージング(規定ポーズとフリーポーズ)とウォーキング審査があります。それぞれに評価ポイントがあるのですが、これを知るにはベストボディが運営する公式のレッスンに参加するのが手っ取り早いでしょう。
グループレッスンと個人レッスンがありますが、私はたくさんある中で取捨選択をして、規定ポーズとウォーキング基礎のレッスンに参加しました。
あとは一度ベストボディの大会を見に行き、動画におさめて、それを見て真似をすることにしました。
ベストボディでかかる費用としては、大会出場費、レッスン費の他に衣装代があります。ベストボディは2020年から予選もファイナルも指定ウェアでの審査になりました。 そのため、予選に使用するトップスとアンダーウェアとハイヒール。そして、ファイナル審査に使用するビキニも購入する必要があります。出ると決めたら必ず使うので、先に準備しておくほうがいいでしょう。
そうして大会までの数週間は筋トレと食事制限に加えて、ポージング練習とハイヒールを履いてのウォーキング練習があり、それはそれは忙しい日々でした。
ウォーキングとフリーポーズの練習のために30分から借りられるレンタルルームも利用しました。この間の私は、睡眠時間を削って、起きてすぐ有酸素をして、仕事の休憩に筋トレをして、仕事後にポージング練習をして2駅歩いて帰るというような過酷な生活を過ごしていました。
■ベストボディの前日と当日
そうして、2日前までは黙々と動き続けて、1日前には塩抜きと水抜きをして、ポージングの確認くらいにとどめて、ベストボディ当日を迎えました。この時には体脂肪率が16%を切り、間違いなくこれまでで一番いい体になっていました。最後まで苦戦した下っ腹も引っ込み、ウエストには縦線が入っていました。
当日に食べるものによって体がむくんだりはしないため、筋肉がはるように、お米やバナナや和菓子などの糖質を少しずつ食べて、その時に備えます。
会場に着いたら受付をして、その後説明会があり、いよいよ開場です。スタートは男性の20代からで、出番までは控室で自由時間です。着替えたり、ヘアメイクをしたり、ストレッチをしたり、ポージング練習をしたりと、過ごし方は様々です。
そうして、いよいよ自分の出場クラスの出番が呼ばれて、みんなで並んでステージ裏までいきます。ここまでくると、もうドキドキが止まりません。それは周りの参加者の方もいっしょで、「緊張しますよね。がんばりましょうね。」などと、励まし合えることも多かったです。
そして、クラスが呼ばれて音楽が流れる中入場。並んで、司会の言葉に合わせて規定ポーズをとっていきます。規定ポーズの瞬間が一番緊張します。自分にスポットがあたる中で、12cmの慣れないピンヒールをはいて、みんな一線に並んでポーズをとっていくのです。
この時、私のいる下でだけ地震が起きていたかのように、地面がずっと震えているような感覚がありました。緊張でこれまでに震えたことは生まれてこの方ありませんでした。その次に自分の番号が呼ばれてウォーキング審査が始まります。ウォーキングして中央で1ポーズ、右に歩いて1ポーズ、左に歩いて1ポーズと合計で3ポーズあります。規定ポーズの緊張が強すぎたために、この時にはもうやりきってやろうという気持ちになっていました。
ちゃんとポージングを決めて、はじめの場所に戻ります。そして、ピックアップ審査というものがあります。これはファイナルに出られるかどうかをふるいにかける審査のため、呼ばれなかったら、ファイナルに出られるだろう、呼ばれると少し危ないといわれています。これに呼ばれて規定ポーズをとってから、退場。
結果が出るのを控え室で待ちます。同僚と出たため、お互いをねぎらって、その後は写真を撮ったり雑談をしたりして過ごしました。そして結果発表です。
ファイナルに出られる人が番号で呼ばれていきます。自分の前の番号が呼ばれて、自分の2つ後の番号が呼ばれました。予選敗退で私の挑戦は終わりました。
この時の私の一番の思いは水着が着たかったということです。このために準備したものを見せられないまま、終わるということがどれだけ屈辱かということを思い知りました。そして、誰かと一緒に出ることで切磋琢磨できますが、相手は予選に通り自分は敗退するという、とても残酷な現実が待っているということもあります。私はその人に私の分も頑張って下さいと伝えて、周りが水着に着替える中、私服に着替えてそそくさと出ていき、見る側として会場に入りました。
そこには私を見に来てくれたゲストの姿がありました。差し入れを受け取りながら、私はせっかく来てくださったのにと、申し訳ない気持ちで、ちゃんと顔を見ることさえできませんでした。そんな私にきれいでした、すごく良かったですよと、彼女は温かい言葉をかけてくださいました。
ここからはもう見ていることしかできません。自分のライバルだった人たちが出ているファイナル審査を動画を撮りながら。
また切り替えられるその時に、ちゃんと戻ってくるその時のために、今腐って帰るわけにはいきません。その帰り、私は久しぶりにハンバーガーを食べ、串カツを食べ、甘いものを食べ、いったん大会はもう終わったのだと、自分の膨れ上がりそうな悔しい気持ちに終止符を打ちました。
そして、その大会の翌日からトレーニングを開始しました。トレーニングは体調に問題がなければ、ほぼ週5ペースでやっています。食べたい時や人付き合いの時には食べますが、自分1人で食事をする時はクリーンな食事を意識してとっています。私の頭には、もう来年のベストボディで今年の自分を更新したいという気持ちしかなくなっているのでした。