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遠い国々(東ヨーロッパ編)

ANNE 2020.11.19

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歴史には出てくるが、比較的関わりが少ない東ヨーロッパ。今回は旧ユーゴスラビアを中心に、そこで生活する人々の今の様子をお伝えしたい。

旧ユーゴスラビアとは現在のセルビア、ボスニア・ヘルツゴビナ、クロアチア、マケドニア共和国、スロベニア、モンテネグロ、コソボを指すが、どんなイメージを持っているのだろうか。
魔女の宅急便の舞台となったアドリア海の真珠とも呼ばれるクロアチアのドゥブロヴニクのような美しいイメージもあれば、コソボ紛争を思い出す方もいるかもしれない。



かつて一つの国だったのが、7つに分かれているという事実が、まさに歴史に翻弄されてきたことを物語っているだろう。
旧ユーゴスラビアとして存在していた頃、「1つの国、2つの文字、3つの宗教、4つの言語、5つの民族、6つの共和国、そして7つの国と国境を接する国。」と表現され、その多様性がよく伝わってきたが、歴史がその多様性故の難しさを証明している。
少し前に、ボスニア・ヘルツゴビナ在住の知人と話す機会があり、今の状況について聞いてみた。ボスニア・ヘルツゴビナで使用される言語はクロアチア語、ボスニア語、ヘルツゴビナ語と3つあるが、どれも似ているらしく、ヨーロッパ言語よりはロシア語に近いかもしれない。



英語教育は小学校2年生から週2コマあり、高校では3コマに増えるという。日本よりは若干多い位だが、日常的に使うニーズも多く、普通に英語を話せる方が多い。仕事では母国語以外に幾つの言語ができるか聞かれることが多く、それにより採用に差がつくという。特に日本語か中国語、韓国語のいずれかができると優位になるそうだ。
学校教育に熱心で、先生たちは隔月で研修があり、どのように教育の質を高めるか議論し合っているという。
日本はアメリカ寄りだから、ワクチンはロシアよりアメリカ産の方が安心できると思っているかもしれないが、ボスニア・ヘルツゴビナではロシア産の方が安全と思われているというコメントが印象深かった。

また、コソボ在住の方とも話をすることがあり、近況をヒアリングしてみた。
親戚の多くは欧米に移住しており、国を出たら皆戻りたがらないという。
1943年に旧ユーゴスラビアは独立を宣言し、東西対立に挟まれ、西側と東側の緩衝地帯として存在していたが、多様性ゆえに紛争が続き、分裂へと突き進んでいった歴史を語ってくれた。やや意外だったのが、言語もロシア語寄りであり、ニュースもロシア関連が圧倒的に多いのに、セルビア以外はNATOに加盟しており、アメリカ寄りだという。

面白いことに、東ヨーロッパでは意外と日本のことがニュースで放送されているらしい。多くがロシアと日本間のことのようだ。それに比べ、東ヨーロッパのことが日本で報道されることは非常に少ない。
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