Blog
Blog

世界らん展に行く

Mimi 2017.02.23

Pocket

 東京ドームで開かれる「世界らん展」に行った。私の毎年2月のお楽しみだ。今年の公式ガイドブックには、「さまざまな国や地域から,約3000種・10万株を集めた世界最大級の蘭の祭典」と書いてあるが、本当に豪華そのものの蘭の魅力に酔いしれることが出来る。

 蘭と一口に言っても色とりどり、形もいろいろで、「これが蘭なの?」と疑問に思ってしまうような花もある。らん展の魅力は、そんな花を一同に紹介することだろう。それもゴージャスで楽しい趣向を凝らして。 rb11   東京ドームの会場に入り、観客席の階段を下りてメイン会場に向かうに連れ、芳しい蘭の香りが強くなる。メインゲートから、オーキッドロードと呼ばれる通りの両側には、ディスプレイをした人の蘭に対する狂おしい熱情を感じるような飾り付けが並んでいる。 rc11   そして、その道の突き当りには、大きく「日本大賞」という文字。2017年の日本大賞のらんの鉢が、ガードマンに見守られて、見上げる高い位置に飾られている。 rd11   会場入口近くに真っ赤なベンツが陳列されていて、なんでここにベンツがあるのかな、と思ったら、日本大賞を貰った人の副賞なのだそうだ。それだけでも、日本大賞を貰うことがいかに貴重で栄誉あるかがわかる。

 実を言うと、毎年この祭典に通っている割には、私は蘭に対してしろうとだ。毎年、きれいでよい匂いの蘭を抱えきれないほど買って帰るのだが、翌年咲くことはない。花が終わると、葉や茎には興味がなく、枯れるに任せてしまうのだ。らんの種類の名前だって、知っているのはほんの5種類ぐらい。カトレア、デンドロビューム、シンビジューム、ファノプレシス、パフィオペディラム・・・その後は名前が出てこない。もとから覚える気がないのだ。

 それでも、きれいなものはきれい。心地よいものは大好き。特にフレグランス部門には、姿だけではなく香りがよい蘭が並んでいて、石鹸みたいとか、蜂蜜みたいとか、柑橘系ね、などと感想を持ちながら嗅ぎまわるのをこよなく愛する。  フレグランス部門でなくても、総じて蘭は良い香りだ。それが3000種もあるのだ。徹底的に見て、嗅いでまわるし、アート部門で蘭をテーマにしたいろいろな作品を見るのも面白いので、9:30の開場時間に行って17;30の閉場時間まで過ごしてしまう。

 今年は、更に楽しみがあった。佐藤照子さんと会うことである。佐藤さんとの出会いはちょっと珍しい。去年のらん展で、私は「アート部門」にとてもすてきなガラスの花器を見つけた。とても繊細なタッチで蘭の絵が彫られている。気に入ったので写真に撮った。蘭の生花以外で撮った唯一の写真である。 re11   さて、その後休憩コーナーに行ってコーヒーを飲んでいると、隣の年配の女性と何となく会話することに。私が、素敵な花器を見つけたんですよ、とアイフォンの写真を見せると、なんと「それ、私の作品です」とおっしゃるではないか。数千人の人でむせ返るような東京ドームで、こんなことが起こるのだろうか。アート部門に入賞するのはなかなか大変なことなのに、彼女と妹さんは毎年入賞なさっているとか。それなのに、芸術家というより、優しいおばさまという雰囲気の方だ。

 結局わたしは、その女性、佐藤照子さんのお宅に翌月お邪魔することになる。佐藤さんは、お手作りのおいしいランチで歓待してくださったばかりか、リューターでのガラスの彫刻の仕方を実演して見せてくださり、帰りにはどっさりお手作りのものをお土産にくださった。それは、ガラスの作品、七宝焼き、トールペイント、絹布細工、編み物のベストと多岐に渡り、どれもとても繊細で美しいのだ。それらは、私の宝物。特に紅茶のカップなど毎日使っている。美しい器で飲む紅茶は、一段とおいしく感じられる。 re22   その佐藤さんと会場でお待ち合わせした。待ち合わせ場所は佐藤さんの作品の前。妹さんもご一緒だ。彼女の作品も、佐藤さんの隣に陳列されている。今年の佐藤さんの作品は、ガラスに彫刻した後に、色を置いて、彫が浮き立つような工夫がされている。こういう作品を見るのは初めてだ。 rg11   佐藤さんは、私に手作りのお惣菜を作って持って来てくださった。  そんなわけで、今年は、売店で買ったいろいろな蘭の花鉢の他、おなかまで満足させるお土産を持って、いそいそと家路についたのであった。 rh11 rh22  
Pocket