

4年待ちのゲレンデがやって来た!──W245ってすごい
Mimi 2025.02.03
4年前のこと、息子が普段使っているポルシェ・カイエンGTSの替りになる車をゲレンデに切り替えると言いだした。ポルシェはとても乗り心地が良い。高速道路も、図体が大きいくせに小気味良く右に左にスィッ。ただ、しょっちゅうトラブルが起こるのだ。その度に高額修理。他にもAMGがあるから困らないけれど、今後のことを考えて、買い替えると言う。
ゲレンデか、かっこいいなあ。孫のゲンちゃんの通っているスィミング・スクールは、多くの人が大きなSUVの外車で来る。大抵はママが運転して来るのだが、おばあちゃんがカッコいい外車を運転して来ることも多い。あんなおばあちゃんになりたい。ゲレンデを運転してプールに来られたら最高!私は、ちょっと前までベンツEクラスのコンバーティブルを持っていたのだが、左ハンドルに決して慣れずに挫折した経験がある。ゲンちゃんのプールにもタクシーで来ていた。大切な孫を事故に合わせたら、悔やんでも悔やみきれないから。
右ハンドルなら、どんな車でも運転できるような気がする。そうだ、ゲレンデを運転してゲンちゃんをプールに連れて行こう。目標が出来た。
そんなわけで、お付き合いの長いベンツの担当者さんに息子と私の分2台注文したのだ。それが4年前。
だが、一向にゲレンデはやって来る気配がない。一度、希望の色やオプションをどうするか聞かれた以外、殆どコミュニケーションもなく、残金を振り込んで放っておいたら、ある日車検証がメールで送られて来て、数日後には納車だった。
こんなに突然?とうとう私は心の準備も出来ないままゲレンデの所有者になってしまった。
まるで赤ちゃんの養子を申し込んでいながら、音沙汰なく、4年後のある日、突然養子縁組決まりました、赤ちゃんが明日来ます、と言われたような気分。と言っても、こちらはおしめや服やベビーカーを用意する必要はなく、ただ、車庫だけ用意しておけば良かったのだが。
ローンチバージョンでないW245
乗りこもうとすると、ベンツの文字。
上り口にベンツの文字
扉についた、ちっちゃな円形のゲレンデのエンブレム
ハンドルは百合の花をイメージしている
冷たいのと温かいのと切り替えられる、飲み物置き場
飲み物置き場の蓋を閉めた状態
アンビエント・ライトの画面
指で赤に合わせると
車内の照明が赤に
無段階で、照明の色を様々に変えられる
前方のモニター
前方のモニターに、車の姿が映る
ただ、困ったことがある。乗りこむのが大変なのだ。身長が168センチある私でも、高い岩山を上るみたいに頑張って足を上げるのだが、なかなか足が届かない。身軽になるために、コートを脱ぎ、バッグを置いて、何度もトライしてようやく足をかけるのに成功。次には扉の上に付いている取っ手を全力で握って、乗りこむのだ。多分死にもの狂いの形相をしているに違いない。ジムでもこんなに過酷なトレーニングしたことはないよ。
運転席に座るとバスの運転席みたいに遠くまで見える
降りるのも怖い。息子は飛び降りるが、私は飛び降りるなんてとてもとても。あちこちにつかまりながら、よろよろ地面に降りるのだが、降りた途端に膝がガクッとして転びそうだ。ああ、なんたること!カッコいい車で孫をプールに連れていく、颯爽としたおばあちゃんになるはずじゃなかったの?本当に不甲斐ない。こんな持ち主でゲレンデにも申し訳ない。
そういえば、カイエンでさえ、よっこらしょ、と這い登っているのに、それよりずっと床面は高いのだ。取りあえず、ジムでせっせと筋トレしよう。それともクライミングの練習?
でかいと思っていたカイエンGTSも、ゲレンデの隣では小さく見える。幅は大して変わらないけれど高さが違う。