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小さくても「世界らん展」

Mimi 2023.02.16

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以前世界らん展が東京ドームで開催されていた時には、毎年通っていた。 東京ドーム一杯に豪華なランの花の色と香りが充満し、午前中に行っても帰りは夕方になったものだ。 ランに関する工芸作品や絵、着物や香水などの他、ランに関係ないものまで展示され、見飽きなかったのだ。

第一回目の開催時、私はランの魅力にすっかり取りつかれてしまい、帰りにはドーム内に出店しているお店で、 次々にランの鉢を買い、気が付いたらお財布に4円しか残っていなかった。多分10鉢くらい買ったと思う。 有り金叩いて買ったランは、その後部屋のあちこちで一か月くらい咲き続け、幸せな気分にしてくれた。

そのらん展も今年が33回目の開催。私は、東京ドームでやった最後のらん展以来、らん展には行っていなかった。 ドームの隣の小さなプリズムホールでやるらん展なんて、ちょっと行く気がしなかったのだ。

でも、やっぱりランは見たい。そうだ、この程度の大きさの会場なら、5歳の孫のゲンちゃんを連れて行っても飽きないかもしれない。 そう思ってゲンちゃんを連れていくことにした。そして、エンユキちゃんも一緒に誘った。 エンユキちゃんは、もともと息子のクラブのお友だちなのだが、学生時代からうちに出入りするうちに、私のお友だちにもなった。ゲンちゃんとも仲良しだ。

さて、らん展に入った途端、ゲンちゃんが大興奮。「あっ、おうちに届いたランがあるよ。」 そうなのだ、ゲンちゃんのパパ、つまり私の息子は、毎年、社長就任祝いに使われそうな5本立ちの胡蝶蘭の鉢を買って居間に飾る。


今年の世界らん展はプリズムホールで



入り口には、豪華なランの飾り付け
てっぺんの胡蝶蘭に、ゲンちゃんは大興奮


ゲンちゃんの大興奮をよそに、私はちょっと複雑な心境になる。息子は、花が終わると興味を失うのだ。水さえやらない。 去年は可愛そうなので、5本のシワシワの葉っぱの株を持ち帰り、お世話して見事に蘇らせた。 今その株は花芽を付けている。喜んでいたのだが、ああ、今年もうちにシワシワの株がやってくるのかしら、とちょっと複雑な気分。


Mimiが蘇らせた胡蝶蘭
一株から2本の花芽


ゲンちゃんの興奮はとどまらない。「ねえ、まっ白いのじゃなくて、黄色っぽい花のもあるよ。パパに見せたいねえ。」


黄色っぽい色の胡蝶蘭


歩を進めると、いろいろな形や色のランが所狭しとお出迎え。

身長110センチ程のゲンちゃんでも匂いを嗅げるくらいの位置にあるランの花もある。 「これはあまーい匂いだねえ。」「こっちは、ちょっと酸っぱい匂いだよ。」と自分の嗅げる範囲で嗅ぎまわっている。





会場の一番奥には、日本大賞のラン。今年は一輪だけの黄色いファノプレシスだ。 多分私が審査委員なら、珍しい色の群生を出した、江尻宗一氏のランを選ぶだろう。 一度にこれだけの花を、この時期に合わせて咲かせるのは、どんなに大変だろう。



日本大賞のラン



江尻宗一氏出品のラン


ゲンちゃんにどれが一番好き?と聞いたら、「これがいいよ。これの写真を撮って」と頼まれた。ゲンちゃん、ツウ向きの渋い花を選んだね。



ゲンちゃんイチオシのラン


ランの花を使ったアレンジメントもある。工作で土台を作り、そこにランを飾り付けている。 ゲンちゃんはそれも珍しそうに見ている。次の工作の参考になるかな?



アレンジメントを食い入るように見るゲンちゃん


さて、エンユキちゃんの記念写真をどうしても撮りたいコーナーがあった。ウェディング・ブーケのコーナー。 エンユキちゃん結婚して3年経つが、コロナの為に、結婚式をまだ挙げていない。それが、とうとう今年の7月に挙げることになったのだ。 結婚式を控えて、良い記念になりそうだ。


幸せいっぱい、結婚式を控えたエンユキちゃん
ウェディング・ブーケの前で


今年はおみやげのランを買わなかった。だが、多分これまでに訪れた世界ラン展の中で、一番実り多い展覧会だった。 ゲンちゃんに、ラン好きのDNAを発見したこと。そして、エンユキちゃんの結婚式の前に、一緒にウェディング・ブーケの展示が見られたこと。

会場の外に出ると、冷たい風が吹きまくっていたけれど、心の中はぽかぽかだった。
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