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高級タワマンではお金をかけた防災対策が必要

ShiGezone 2022.06.29

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東京都は平成24年以来10年ぶりに、首都直下型地震の被害想定を見直しました。内容としては、10年前よりも建物被害や死者数も減少との予想になっています。

これは、建物の耐震化が進み倒壊建物が少なくなることで、建物の倒壊による死者数が減少したことが理由です。しかし、建物が倒壊しなくても、建物の中はどうなのでしょう。

今回は、富裕層が多く住むタワマンの防災対策について解説します。

■震度6強の範囲は約6割!建物被害は約40%減となっている


(出典:東京都防災会議 東京都の新たな被害想定
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/021/571/20220525/n/002.pdf

今回令和4年の都心南部直下地震の被害想定では、都内での建物被害は前回の約33万3,000件から、約40%減少した19万4,431棟になっています。その理由は建物の耐震化が進み、震度7の揺れにも耐えうる構造の建物が多く建築されたことで、10年前よりは被害が少ないと想定されているからです。

ただ、10年前と比べるとタワー物件は多くなっていて、築10年以内の物件が224棟、2021年竣工の物件が16棟、2022年竣工物件が12棟と、合計で252棟ものタワー物件が建設されています。

当然、全ての物件が震度7の揺れでも倒壊しない構造になっているので、地震が起きても大丈夫な建物です。

■タワーマンションは揺れることで衝撃を逃す


(出典:三井不動産レジデンシャル すまいの基礎知識〈すまい選び篇〉vol.10
https://www.mfr.co.jp/sumai/chishiki_016/

タワーマンションは強固な建物のように見えますが、実はよく揺れる構造になっています。そのため、その揺れを抑えるための制震構造と免震構造を備え持っています。

免震構造とは、地震の揺れをいったん建物が受け止めて、「ダンパー」と呼ばれる制震装置によって素早く静める仕組みで、地震時だけでなく普段の風による揺れを抑える働きを担っています。

また、免震構造とは、地盤と建物との間に特殊なゴム層などを入れて、地震の揺れがそのまま伝わらないようにする構造です。激しい揺れを、ゆっくりとした揺れに変換するので、地震時には効果が期待されていて、通常の揺れの1/3~1/5に抑えてくれます。

■震度6強のゆれが1/5になっても、タワマンの上階は相当な揺れとなる


(出典:KyodoNews YouTube https://youtu.be/pbso7qWM3NQ

タワマンが揺れてもビル自体は倒壊することはないでしょう。ですが、建物内はシャッフルされるので、家具などの転倒に注意が必要です。

地震時には震源から遠くても長周期地震動の影響で、超高層ビルは横揺れを起こします。2015年に南海トラフ巨大地震に伴う長周期地震動にて、超高層ビルがどれだけ横揺れを起こすかの推計を内閣府が公表しています。

それによると、最上階の揺れ幅は2~3m、震源に近い埋め立て地にあるビルではなんと、6mもの揺れに達するとなっています。

■検証済み!震度5強の地震なら10階では震度7相当の揺れとなる


(出典:CBCニュース【CBCテレビ公式】
あなたは何階に住んでいますか?1階は震度5強でも10階では震度7!? 高層ビルの危険を実験で検証
https://youtu.be/9C0El2evQHY

既に検証済みなのですが、震度5強の地震が起きた時に10階では震度7相当の揺れが襲ってきます。ビル1階では倒れなかった食器棚や本棚も、ビル10階では大きな揺れによって全て倒れてしまいます。

冷蔵庫のドアも開いたり閉まったりを繰り返すほど、酷い揺れに襲われることが計算上分かっていて、E-ディフェンス 兵庫耐震工学研究センターの実験でも実証されているので、上階になるほど揺れが激しくなるのは間違いありません。

■外側は大丈夫!家具の固定やセーフティゾーンの設置に費用をかける

10階のビルで震度7相当なのですから、制震構造や免震構造のビルでも30階以上になると震度5強の地震でも震度7クラスの揺れになる可能性は十分にあります。

なので、家具を倒れないように壁に完全に固定し、部屋の中に何も倒れてこない何も飛び散ってこない「セーフティゾーン」を作っておくことが重要です。

■マンション用の室内シェルターも注目を集めている


(出典:WNI SHELTER [室内/屋外]設置型シェルター(最後の砦)
https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/room-type-shelter/

シェルターと聞くと地下にあるイメージがありますが、マンションの一室をシェルターにしてしまうことも可能になっています。近年ではマンション用の室内シェルターに、注目が集まっているのも事実です。

大きな地震が起きた時、タワマンの最上階ではかなりの揺れを覚悟しておけないとなりません。その揺れから命を守るために、マンション用のシェルターを設置する方も増えています。

どのように命を守るかは個人次第ですが、費用を投じてマンション内の地震対策を行なう必要はあるようです。

参考サイト
東京都防災会議 東京都の新たな被害想定
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/021/571/20220525/n/002.pdf

三井不動産レジデンシャル すまいの基礎知識〈すまい選び篇〉vol.10
https://www.mfr.co.jp/sumai/chishiki_016/

KyodoNews YouTube
https://youtu.be/pbso7qWM3NQ

CBCニュース【CBCテレビ公式】
あなたは何階に住んでいますか? 1階は震度5強でも10階では震度7!? 高層ビルの危険を実験で検証

https://youtu.be/9C0El2evQHY

WNI SHELTER [室内/屋外]設置型シェルター(最後の砦)
https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/room-type-shelter/
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