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眠らず休息を取るリラクゼーション法NSDRを実践するGoogleのCEO

焔(Homura) 2022.03.30

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瞑想やリラクゼーションに傾倒するアメリカの富裕層は少なくありません。特に、自分自身の健康に関わることに関しては、ストイックな研究心で情報を常にアップデートしています。

そんな中、今話題になっているのが「Non-Sleep Deep Rest」というリラクゼーション法です。催眠療法士の資格を持つ私もリラクゼーションに関しては常に勉強を続けていますが、アメリカでは頻繁に新しいヒプノセラピー的手法が開発されています。

今回紹介するのはGoogle社のCEOであるサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏が行なっているものです。瞑想などは完全に一種の「自己催眠」手法ですが、眠らずに深い休息をとるというNSDRは私も初耳でしたので、今回ご紹介したいと思います。

■そもそもNSDRとは?

直訳すれば「睡眠には入らないで深い休息をとる」のがNSDRです。このリラクゼーション方法はつい先日ウォールストリートジャーナルのインタビューでサンダー・ピチャイ氏が語ってました。

このリラクゼーション方は
・何かに集中すること
・自己誘導で脳の穏やかな状態を作り出す
がポイントになってきます。

脳のリラクゼーションは人間の心に多くの安らぎを与えることができます。睡眠やストレス、不安の軽減など多くの効果が期待できるものです。サンダー・ピチャイ氏はこの方法で脳を休めることができているようです。そもそもこのNSDRは、スタンフォード大学医学部の神経科学教授アンドリュー・ヒューバーマン氏による造語となります。

■NSDRとヨガの関係

ヨガ・ニドラ(yoga nidra)や自己催眠中に行うのがNSDRの手順とされていますが、まずはヨガ・ニドラですが、友人のインストラクターに聞いたところ、「目を閉じた状態で仰向けに寝て、対面式でインストラクターの指導に従いながらアクティビティを行うもの」だと教えていただきました。催眠療法士としての解釈になりますが、このヨガ・ニドラも自己催眠に入るための一つの導入だと思います。

ヨガ・ニドラで求められるのは「自分の意識を何かに集中させる」ことです。
例えば、
・呼吸に集中する
・体のいろんな部分に意識を向ける
・緊張している箇所を自覚する
などが具体的な方法ですが、これらはすべて催眠療法における自己催眠への誘導と同じですね。

この状態になると脳はとてもリラックスした状態になりますので、体は休まります。また、心拍数を低下させることもできますので、脳波は緊張状態にあるベータ波からアルファ波へと切り替わることがあります。一般的にNSDRでは、このようにヨガ・ニドラの手法を使って脳をリラックスさせることから始めます。

■NSDRに求められる自己催眠状態とは

体は物理的に眠っているような状態でも、脳はリラックス状態にあるだけで活動は続けています。アメリカのセレブの間では、もはや文化ともなっている瞑想(メディテーション)ですが、自己催眠ができるようになれば催眠療法によって得られるリラックス効果は体感できるようになるでしょう。

催眠療法と言うと、まるで意識がなくなるレベルで深い眠りについてしまうイメージですが、実はそこまで深いリラクゼーション状態になってしまうと効果的な施術は行なえません。自己催眠状態をわかりやすい例えで説明しましょう。例えば、電車などで移動している時に軽く眠ってしまう人も少なくないと思います。不思議なもので例え寝ていたとしても、自分が降りるべき駅の一つ手前で目は覚めます。

このような経験は皆さんあると思いますが、自己催眠の状態に一番近いのがこのようなケースです。

■NSDRはリラクゼーションのための一つの手法

アメリカのセレブは定期的に心理セラピーを受けるのが一般的です。Google社のCEOであるサンダー・ピチャイ氏とは個人的な面識はありませんが、彼自身、ヒプノセラピーに対する知識や経験は豊富だと思います。

心理学や催眠療法などで一番難しいのは「意識して無意識状態になること」でしょう。そのために存在するのが、メディテーションだったり、自己催眠だったりします。また、人それぞれ自分に一番合った「脳の休ませ方」が存在します。これまでにリラクゼーション法などの経験が全く無い方には、今回紹介したNSDRは伝わりにくいかもしれません。

自己催眠に入るための一つの方法がNSDRだ言えます。アメリカでは医学として認められている催眠療法ですが、日本はこの分野に関して50年遅れていると言われています。

いかに効率よく自分の脳を休めるか、これはアメリカの富裕層やセレブ、大手企業の経営者にとっては常に向き合っていたい課題だとも言えます。
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