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駱駝

ANNE 2022.01.13

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象や馬には乗ったことがあるが、駱駝はまだ経験がない。乾燥地帯に住む驚異的な身体能力をもつ駱駝について改めて興味を持った。駱駝にはヒトコブラクダとフタコブラクダがいるが、それぞれの生息地、身体的な違いなどについて考察してみた。



駱駝といえば、フタコブラクダが頭に浮かびがちだが、生息する駱駝のうち、9割がヒトコブラクダである。ヒトコブラクダは足や首がすらっとしているのに対し、フタコブラクダはずんぐりしている。また、ヒトコブはより暑さに強いのに対し、フタコブは寒さへ耐性がある。どちらも湿度には弱いのが特徴。

ヒトコブは西アジアやアフリカに分布しているが、フタコブは中央アジアが主な生息地である。生息地が異なるため、ヒトコブとフタコブから自然に子供が生まれることはほとんどないが、フタコブとヒトコブの親からはヒトコブの子供が生まれる仕組みらしく、ヒトコブラクダが圧倒的に多いのも頷ける。 また、ヒトコブとリャマの間に人工的に受精させて生まれた子供はキャマと呼ばれ、コブはないらしい。



駱駝のシンボルであるコブには水分ではなく、脂肪が蓄えられている。脂肪はエネルギー目的だけでなく、断熱の効果もある。汗をあまりかかないため、体温が日射により上昇しすぎるのを防ぐ効果がある。肝心な水は、一度に80リットル程度飲むことができ、それは血液に蓄えられる。通常の哺乳類は血中の水分が多すぎるとその圧力で赤血球が破壊されてしまうが、駱駝は赤血球が破壊されないつくりになっている。また、塩分の強い海水でも補給できる珍しい哺乳類である。

駱駝の寿命は25年程度と言われている。200kg弱の荷物を一日で30km程度運ぶことができ、車が使われるようになるまでは砂漠の舟として重宝されてきた。今でも西アフリカの一部では荷物を運んでいるという。また、戦闘用に使われることもあり、インドと南アフリカでは駱駝部隊がいるらしい。そのほか、ドバイやエジプトなどでは駱駝レースが盛んであり、時速40kmで疾走する姿も迫力満点である。ちなみにレースは基本ヒトコブラクダのようだ。

駱駝は馬同様、穏やかで人に懐きやすい。だから何千年にも渡って重宝されてきたのかもしれない。
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