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世界中の富裕層が一番気にかけるアンチエイジングとダイエット

焔(Homura) 2021.12.28

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(出典:https://nusi.org/

アメリカにある非営利団体Nutrition Science Initiative(ニュートリション・サイエンス・イニシアティブ)。この組織は栄養や糖尿病、そして肥満の研究を科学的に分析し、人の質を向上させるために設立されたものです。

この組織の共同設立者であるピーター・アッティア医師の経歴が興味をひきます。元々長距離の水泳選手だったこともあり、ダイエットに関しては専門家ともいえる人物です。ダイエットやアンチエイジングに関しては、アメリカのセレブや富裕層が一番興味がある分野でしょう。私が専門としている心理カウンセリングでも「ダイエット」は永遠のテーマとも言えます。

さて、そんなピーター・アッティア医師ですが、ダイエットに関してとある説にたどり着きます。それは「どれだけ激しい運動をしても摂り過ぎたカロリーを消費することはできない」ということです。これは私も同意見で、ダイエットに関する心理セッションを行う際に必ず伝えているのが「ダイエットには引き算か足し算しかない」という点です。健康志向が高まる日本でも運動を中心にダイエットを行うことが少なくありません。ピーター・アッティア医師がわかりやすくなぜ運動していても体重が減らないのか、という点を科学的な統計データで説明しています。

■世界に蔓延する肥満パンデミックと勘違いが多い運動とダイエットの関係

ピーター・アッティア医師がダイエットについて研究を始めたのは彼自身がアスリートだったことも大きく関係してます。現役の水泳選手だった彼は高炭水化物の食事をとりながら、毎日4時間以上のワークアウトを行ったと言います。それを続けた結果得られたものは「理想の体重+18キロ、BMIは29、体脂肪25%」という結果でした。一般的に語られているのが、肥満はカロリーのバランスが取れていないから起こる現象だということです。運動量を増やせば摂取しすぎたカロリーは燃焼できるはず、という考え方ですね。もちろん運動することは健康に良いことであるのは間違いありません。

1970年代から80年代にかけて、アメリカではこれまでにないフィットネスブームが始まりました。エアロビクスなどが流行ったのもこの頃ですね。そしてこのブームは世界中に広がり余暇に運動を取り入れる人がどんどん増えてきました。結果として肥満率は当然減少するだろうと言う世界の色々な国の政府の予測は見事に外れることになります。例えばイギリスでは、1980年代から運動する人が増えても、メタボリックの減少には全く効果が無かったという発表をしています。

そして現在も世界的な肥満率上昇傾向は続いています。例えば最近実施された調査では年間の運動日数においてアメリカ人は最多の135日、そして最低はオランダ人の93日でした。にもかかわらずアメリカの肥満大国としての地位には変動がありません。米国国民健康栄養調査(NHANES)の発表によるとアメリカでの運動量は大幅に増えていますが、運動量の増減に一切関係なく肥満は増え続けています。

■どれだけ歩いてもエクササイズをしても脂肪燃焼は5パーセントが限界

ウォーキングをする人は多いかと思います。例えば、毎日ゆっくり1時間程度歩いたとしてもそこで消費されるカロリーは100kcalちょっとです。「総エネルギー消費量」という言葉があります。1日に使われるカロリーのことですが、ここで大切になってくるのは「基礎代謝量」です。例えば、ダイエットのみを目的にするのであれば1日の摂取カロリーを自分自身の基礎代謝量より減らすことで、目的を達することはできます。ダイエットに関して食事療法と運動は大切ですが、そこでエクササイズなどの運動が占める部分は5%程度だということです。

健康を維持するための運動はとても大切ですが、それが直接的にダイエットにつながるものではないということはアメリカでも最近理解が広まってきた点です。アメリカのセレブや富裕層の間でも運動だけによるダイエットやアンチエイジングは主流ではなくなってきました。その分カウンセラーとのセラピーを増やすなどして、総合的な生活習慣の管理を行います。

そしてその先のゴールとしてダイエットやアンチエイジングを目的とする設定が今ではデフォルトとなってきています。
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