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Zoomでつなぐ日印お料理会

Mimi 2021.12.24

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コロナ禍、私を含むおばさんたちが巣篭りしている間に、若い人たちは巣作りをしていた。まず、ユキちゃんが結婚。そして、智絵ちゃんも。私は娘たちが片付いたかのように嬉しい。管理栄養士の智絵ちゃんは旦那様の赴任に伴って夏にニューデリーに旅立った。彼女は、栄養を考えた見事なお料理を作ってはインスタにあげる。旦那様に作るお弁当もおいしそう!おまけに、インド料理教室にも通い始めたとか。煌めく本格的なスパイスケースも使いこなしている。お料理の天才の智絵ちゃんがスパイスをマスターすれば、もう最強の料理研究家だ。

そうだ、Zoomでお料理会したらどうかしら。結婚と同時にお仕事も辞めたユキちゃんは、毎日のようにゴルフの練習をしている。そのユキちゃんを誘って、お料理会をするのだ。この案に智絵ちゃんもユキちゃんも大賛成。第一回日印お料理会が開催された。インドと日本の時差は3時間半。段取りはこうだ。ユキちゃんには朝から来て貰い、彼女が最近マスターした「ウィークエンド・シトロン」を作る。

日本時間のお昼頃に智絵ちゃんの旦那様が仕事に出かけた後、今度は智絵ちゃんとZoomを繋いで、お料理を一緒に作る。私は1時半頃には、孫のゲンちゃんの幼稚園のお迎えに行き、帰ってきたらゲンちゃんも一緒にお料理会に参加する。こんな段取りができあがった。智絵ちゃんが考えてくれたメニューは、「Sambar(サンバル)」と「Paratha(パラーター)」。サンバルというカレースープに、パラーターを浸して食べる。家になかった材料をアマゾンで注文した。

このお料理会は、大成功だった。コンピューターの画面の智絵ちゃんは、すっかりロングヘアの素敵な若奥様風になっていて、私の知っているボーイッシュヘアのお嬢ちゃんではない。でも、その優しい心遣いと真面目さは変わっていなかった。私の隣で作業する、有閑マダム一年生のユキちゃんも、いるだけでパッと明るい人柄は前のままだ。

インド料理を習ったことが無かったので、新発見もあった。サンバルを作る時に、最初に鍋にクミンシードと唐辛子の刻んだものを炒める。これまでは、クミンシードを擦りつぶして粉にして使っていたのだが、粒のまま炒めるのだそうだ。するとそこから立ち昇る香りが素晴らしい。クミンシードは後でマスタードシードとともに、テンパリング(蓋をした鍋でパチパチしなくなるまで火にかける)をするのだが、その時も、ここはインド料理屋か、としか思えないような香りが家じゅうに立ち込める。

それでは、サンバルとパラーターの作り方をざっと書いてみる。材料は智絵ちゃんの考案。

【サンバル】
材料;
ヒヨコマメの水煮 3/2カップ
玉ねぎ 1/4個
人参 3cm
オクラ 2本
トマト 1個いため
ナス 小1本
かぼちゃ 1/8カット
サラダ油 大さじ2
唐辛子 ドライホール 1本
クミンシード 小さじ1/2
水400cc

[A]
ターメリックパウダー 小さじ1/4
フェネグリークパウダー 小さじ1/2
コリアンダーパウダー 小さじ1/2
塩小さじ1/2

[B] (よく溶いて置く)
タマリンドペースト 大さじ1/2
水 大さじ1
作り方

1. ヒヨコマメをマッシュしてペースト状にする。
2. 野菜を切る。(玉ねぎはミジン、他は1,2センチの角切り。オクラは斜めに半分)
3. 唐辛子を半分に切り、種を取り除く。
4. 鍋にサラダ油、クミンシード、唐辛子を入れて炒める。唐辛子を取り出し、玉ねぎを加えて炒め、その後野菜及び[A] を加え炒めた後、水400ccを加えて15分煮る。
5. 4に [B]、ヒヨコマメを加え弱火で更に5分煮る。
6. フライパンにマスタードシードとクミンシードを入れ、テンパリングし、パチパチ音がしなくなったら5に加えてできあがり。

【パラーター】
(チャパティの生地を伸ばし、ギーを塗っては折りたたむことを繰り返して、ギーを層状に練り込み、最後に薄く延ばして焼いたもの。)
材料;
全粒粉 1カップ
水 1/3カップ
ギー 適宜

1. ボールに粉と半量の水を入れてこね、徐々に水を加えてこねて、なめらかな生地にする。
2. 上記を4つに分けて、ボールにする。
3. ボールを手に取って、2mmの厚さに伸ばし、ナイフでギーを全面に塗る。この円形の生地にナイフを入れて、2センチ角の格子状にする。
4. 切り離された上記の角切りを上へ重ねていく。一番上は、ギーの塗られたところを下に。
5. 両面に粉をつけ、上記を伸ばし棒で2mm程度の厚さの円状に広げる。
6. フライパンにギーを入れ、6の片面を焼く。片面を焼いたら、ギーを塗って裏返し、反対の面を焼く。
7. 乾いた布巾に焼きあがった生地を載せ、両手でクシュッとつぶす。広げて、層を整える。


Zoomでやるお料理会は初めてだったが、ニューデリーの智絵ちゃんも、すぐそこにいるみたいに感じられて、何の違和感もなかった。途中から参加したゲンちゃんも、パン作りで生地を伸ばすのには慣れているので、パラーターを伸ばすのを上手にこなしていた。

そして何と言っても、出来上がりのお料理のおいしいこと!!!パラーターはギーの香りが高く、パリッとしている。カレーに浸しても、そのパリパリ感は健在で、ねっとりしたカレーが絡み付いて、独特の食感を生み出した。カレーと言えば、基本はココナツミルクのカレーしか作らなかった私は、インド料理の奥の深さを感じた。大好きな仲間と一緒にもっといろいろ挑戦したい。次の日印お料理会が楽しみだ。


ウィークエンド・シトロン
ケーキにも、アイシングにも、レモンがたっぷり入っていてジューシー



コンピューターの向こうには、智絵ちゃん。ニューデリーと東京でパラーターの生地を延ばす


パラーターを焼くユキちゃん。ゆっくり、丁寧に焼くのがコツ


焼き上がったパラーター


サンバル出来上がり


ニューデリーのお鍋。若妻智絵ちゃんがタブレットにちょこっと写っている


ニューデリーのパラーター
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