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良いお金の使い方、悪いお金の使い方について考えてみる

ROSSO 2021.09.17

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日頃さまざまな人とお話しする中で、よく「こんな物にお金を使った(かけた)」という話を耳にすることがある。私は他人が何を買ったかには興味がないものの、なぜその物を買うに至ったのかという経緯やロジックにはとても関心がある。

なぜなら、それを聞くだけでその人の金銭感覚はもちろん、潜在化する価値観や行動原理、長期的にみれば人生の成功を左右する要素が隠れていると考えるからだ。つまり、目の前にいる人のお金の使い方の良し悪しを判断することができる。

その点では、当たり障りない会話の中にもその人を知るためのヒントが散りばめられていたり、自分の人生をより良くできるきっかけが転がっていたりする。



なぜお金の使い方には良し悪しがあるのだろうか?

初めにお話ししたいのが、お金の使い方の良し悪しは、お金を稼ぐこととはイコールではないということだ。たとえば、頑張って働いたお金で一点ものの鞄や時計を購入して長く大切に愛用する人と、たくさん稼いでいるからといって数あるブランドの新作の時計を次々と買う人の場合、皆さんならどちらが良いと思うだろうか? 当然、答えは前者だろうと思う。

仮にその人の幸せが、他者に対して自己顕示欲や優位性を示したい、たくさんの時計をコレクションすることで満足感を得るということであれば、後者の使い方でも良いだろう。しかし、見方を変えると、時計に対する愛着を希薄にさせるだけでなく、その時計への思い入れより購入することへの執着にお金の使い方がシフトしているようにも感じないだろうか?

私の経験則から言うと、最初に買った時計と、お金を持てるようになり20本目に買った時計、どちらに愛着を覚えるかというと、20本目の時計に対し、長年の憧れや目標などよほどの出来事がない限り、最初の時計の方が、思い入れは強いものだ。したがって、たくさんお金があるからといって、必ずしもそれが良い使い方であるとは限らない。



私は、その人にとってモノやコトが、日々生きることへの潤滑油や自身の経験値に代替可能なら良い使い方だと思っている。良いお金の使い方になる対象は、人によって時計や車、旅行、キャンプなど、それぞれであると思う。

その一方で、現代の流行に流されたり、何も考えず行き当たりばったりでお金を使ったりすることは悪い使い方である。なぜなら、その買い物には強固な信念や譲れない価値観があるわけではないため、結果的にその多くが無駄な買い物だったり、後悔を招くものになりがちだったりするからである。



こういった人は、私の経験からすると無駄な出費が多いばかりでなく、行動原理に一貫性がないなど、将来的に大成しない印象がある。つまり、お金の使い方はその人を知る重要なヒントになるのだ。
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