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もう一度訪問したい南米一幸せな国ウルグアイとスマートシティ

焔(Homura) 2021.10.09

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日本ではあまり馴染みのない国が多いのが中南米かもしれません。私自身アメリカやメキシコに暮らしていましたが、南米の国々への旅行は数多くはありませんでした。
ブラジルに住む友人の招待でリオのカーニバルの時期に訪れたことがありましたが、その時に勧められたのがブラジルと国境を接するウルグアイへの訪問。 ウルグアイは「南米のスイス」と呼ばれるほどの社会福祉国家を目指す国です。そんなウルグアイの首都モンテビデオはQOLが最も高い都市として選ばれたこともあります。
そして南米初のスマートシティとしても世界からも注目されているウルグアイ。実際に訪れてみると環境的にもすごく住みやすい、隣国のブラジルとの違いに驚かされました。

南米一小さな国から私たちが学べること

ウルグアイの国土は日本のおよそ半分です。 そして人口で言うと私が住んでいる横浜市よりも少ない340万人。そして人間の数よりも牛の方が多く国民一人当たりの牛肉消費量は世界一となります。

そんな小さな国の大きな特徴はスイスをモデルとした社会福祉国家を目指し、環境面でそして社会面でも先駆的な政策を進めていることです。
公教育は全て無料でさらに電力に関しては100%再生可能なエネルギーです。南米一幸せな国と呼ばれる小さな国ウルグアイですが、首都であるモンテビデオでのスマートシティへの取り組みは 、今後私たち日本人が目指すべき社会のあり方の大きなヒントだと思っています。

スマートシティエキスポでファイナリストに選ばれたモンテビデオ

スマートシティとは、サービスの効率化や市民の生活の質を向上させるために交通インフラやエネルギーなどにIoTやAIなどの先端技術を用いた都市のことを言います。 2018年に行われた国連の電子政府調査ではウルウルグアイだけが中南米で唯一の電子政府としてノミネートされています。
そんな南米の小国のスマートシティ政策では「モンテビデオオープン」というデジタル化政策が行われています。
これは
・オープンデータ
・オープンサービス
・ フリーソフトウェア
・ オープンナレッジ
という四つの原則からなるものです。
2010年から始まったのがオープンガバメントですが、その趣旨には「情報は市民に属するものであり誰もがアクセスできるべき」という考え方から市民が実用的に使用できるように情報公開しています。
情報も一方的にオープンにするだけではなく、市民からの提案などにも耳を傾けながら政策に盛り込んで行こうと言うのがモンテビデオにおけるスマートシティの考え方です。
オープンデータで公開された情報を使ってアプリを開発するコンテストを開催するなど、官民の間でのインタラクティブ性も重視しています。
その背景には、常に市民の参加や協力を促しながらより良い年を作っていこうと言う想いがあります。
そしてこのオープンガバメントが進んだ結果、昨年の時点でモンテビデオでは市の80%がデジタル化されたと言いますから驚きです。(家や自動車の登録、建物の建設許可、税金の支払い、イベント開催許可など)

ラテンアメリカ初の交通状況観測システムも導入した交通インフラ

私がウルグアイを訪れた頃はまだまだここまでのシステムは完成していませんでしたが、交通インフラを整えることが大きなストレスフリーに繋がることは間違いありません。
モンテビデオでは待ち中に設置されたカメラやセンサーで測定された交通の状況はマネージメントセンサーで情報集約と分析がなされます。そしてそれがリアルタイムでの信号操作に活用されています。
現在では道路上の騒音も測定されていますので、将来的にはその騒音基準に基づいてバスやタクシーなどの 交通機関を制限する可能性もうあると言われています。
またラテンアメリカでは初めてとなる交通状況の観測システムが導入されてるのもポイントかもしれません。
アプリなどを通してバスの現在地を知ったりできますので、 利便性の高いシステムは市民のストレスを減らす大きな役割を担っていますね。
とにかくモンテビデオが 最重要だと考えるのが市民の利便性と生活環境です。現在バスやタクシーなどの電気自動車かもどんどん進んでいるようです。

また 自転車の利用を促進していることから、自動車専用レーンもどんどん増えてきています。
またモンテビデオ市民であれば共通の交通カードを使って自転車をレンタルすることも可能です。
このようにとにかく徹底して交通インフラを整えることで大気汚染も減らすこともできる上に、渋滞などによる市民のストレスも減らすこともできます。

本来であればデジタル化やインフラに関しては政府や自治体主導になるような分野だと言えます。私自身もモンテビデオのスマートシティ化を聞いた時にはそんなイメージを感じていました。
本来スマートシティはそこに住む「市民」の存在がなければ成り立たないものです。ウルグアイが考えるスマートシティは技術的なものではなく「あくまで市民生活の質を高めることが第一優先」だとされています。

その結果モンテビデオでは市民が積極的に関わって、楽しく姿勢に参加できるようなプロジェクトなどを計画するなど数々の工夫が見られる仕組み、それがウルグアイにおけるスマートシティへの取り組みです。
最後の訪問からもう10年が過ぎようとしていますが、今のモンテビデオがどれだけ大きな変化を遂げたのか自分の目で確かめてみたいと思っています。
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