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鬱について

ANNE 2021.08.20

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うつと依存症はヒトヘルペスウイルスが引き金だという記事を読んだ。
大抵の人が子どもの頃に感染する「ヒトヘルペスウイルス6」というたんぱく質がうつ病の引き金になっているらしい。
このウイルスは体内に潜んでおり、疲労やストレスで悪さをするという説である。うつになるかどうかは個々人の免疫力次第とのこと。

そうであれば、誰もがうつになりうるのではないだろうか。
うつの時代による変化、国民性、地域性はあるのだろうか。そのあたりについて考察してみた。

日本の所謂うつ病に分類される人口はこの10年で倍増し、100万人を優に超えている。
それでも統計上は欧米よりは比率が低いらしい。フランスでは、人口は日本以下だが、300万人以上というデータもある。分類方法が異なるのか、うつの症状があっても病院に行かず、診断されていないため、統計に現れていないだけなのか。米国でも近年急増しているが、これは医療機関を訪れた人が増えたからとも言われている。その背景にあるのは、著名人がうつ病を告白するケースが増え、オープンにすることへの抵抗が減ったからではないかと分析されている。逆にいうと、日本の比率が欧米ほど多くないのは、オープンにするカルチャーが欧米ほど育っていないからではないかとも考えられる。
また、10代のうつ病が増えているとのデータが出ているが、これは携帯の使用増による睡眠不足に原因があるのではないかと言われている。

WHOでうつ病などに関する報告書

http://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/254610/WHO-MSD-MER-2017.2-eng.pdf;jsessionid=36553718B1A0555BABBCEDD61C2C1A5D?sequence=1
を出しているが、それによると世界のうつ病人口は3億人を超え、全体の4%を占めている。中でもアメリカは15%、欧州は12%、そして男性よりも女性の方が発症率が高く、全体の8%というデータが出ている。
一見欧米の方が比率が高く見えるが、途上国では適切な診断や治療を受けている人の割合も少ないからかもしれない。

いずれにしても、男女差や地域差、気候による違いなど諸々の要因で数字は異なるものの、満遍なく、どの国でもそれなりにいるということがわかる。

例えば地方より都会に多いと言われるのは、生活のスピードや関わる人間の数などの違いから、生活におけるストレス度合いが異なることから説明できるのも頷ける。
文明の進化とともに、物質的な豊かさは上昇したが、精神的な安定はそれと逆行しているのだろうか。

昔は自分の力ではどうにも変えられない身分や地位に納得できなくとも諦めがついたが、今は自由に選べるがゆえに理想と現実のギャップに苦しめられるからだろうか。
それとも人間が人間らしい生活を送れていないからだろうか。ふと、チャップリンのモダンタイムスが頭をよぎった。
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