「私たちにできること」CRSよりソーシャルグッドで助け合う社会
焔(Homura) 2021.07.06
最近では日常的に使われるようになったCSRですが、よく混同されるのが慈善事業や奨学金のサポートなどの行為です。
またここ数年前からアメリカでは「ソーシャルグッド」や「ソーシャルインパクト」というキーワードがトレンドになっています。
そもそもアメリカでは日本に比べて社会貢献に対する意識が高いこともあり、多くの富裕層が世界の貧困問題に取り組んだりしています。
慈善事業とCSR,そしてソーシャルグッド、どれも社会貢献をするということでは同じですが、
「誰かを助けること」
「誰かの役に立てること」
そんなアプローチの選択肢が日に日に増えてきているように思います。
今更ですがCSRとは
CSRとはCorporate Social Resposibilityの略で、直訳すると「企業の社会的責任」という意味になります。CSRの背景にあるものは、企業は利益のみを追求するのではなく、責任を持った行動を示そうというものです。
例えばインドなどではCSRに国家をあげて力を注いでいます。一定以上の利益を上げている企業であれば純利益の2%がCSRとしてあてられるよう義務づけられています。
筆者の一番記憶に残るCSRが数年前にありました。とてもインパクトのあるもので、企業のブランディングともマッチした素晴らしいものでした。
それは韓国の有名企業Samsungが行なったTwitterを通じてのCSR。覚えてる方もいらっしゃるかもしれませんが「リツイートで300万ドルを寄付する」という斬新なアイデアでした。
それも注目度の高いアカデミー賞の授賞式の場所で行われています。Samsungはアカデミー賞のスポンサーでしたが、その時の司会者のツイートに対して「1リツイートにつき1ドル」を寄付すると発表しました。
結果は300万回以上のリツイートとなり、Samsungは300万ドルを寄付することになりました。
ソーシャルグッドとは?
ではCSRに大して「ソーシャルグッド」とはどのような行為を指すのでしょうか?このワードは「社会的に良いインパクトを与える」という意味を持ちますが、特にアメリカ西海岸などではエンパニ多くのイベントが開催されています。そもそもアメリカでは募金や社会貢献に対する意識はとても高く、ビルゲイツをはじめ多くの富裕層が非営利事業の資金を通じて世界の貧困問題に取り組んでいます。
では日本の一般企業におけるソーシャルグッドにはどのようなものがあるでしょうか?
日本企業の場合はソーシャルグッドというよりもCSRの活動として位置づけられているものが多いようです。
例えば企業のウェブサイトなどを見ると
「環境に配慮した取り組み」
「奨学金をサポートします」
そのような発信に終始している企業が多いイメージを受けてしまいます。
アメリカ企業のサイトを見るとCSRという言葉はほとんど使われていません。その代わりにSocialgoodやSocialImpactという言葉に置き換えて、
「自分たちにできること
「社会に還元できること」
を積極的に発信しています。
そこにはCSRに含まれるResponsibility=責任の概念は感じられませんが、その代わりに自分たちができることだけにフォーカスして、ユニークなソーシャルグッドを実践しているわけです。
企業がソーシャルグッドを行うメリットは
ソーシャルグッド活動のメリットは単純に社会にインパクトを与えることだけではありません。ソーシャルグッドを積極的に企業が行うことでブランディングやマーケティングにも利用することができます。
企業はこの活動を行うことで社会との接点を増やすこともできますので、将来の顧客となるコミュニティとの連携を図ることが可能になります。
また最近ではミレニアルズをはじめソーシャルグッドそのものに価値を感じる人が増えてきています。世代からの共感を得ることで支持が得られやすくなるというのも大きなメリットだと思います。
このように企業としてあるいは個人として、富裕層が世界に対してできることはたくさんあります。世界レベルでこのようなムーブメントがどんどん広がって行くことを期待しましょう。