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若かりし頃の私のお金の失敗談

ROSSO 2021.06.30

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今回は、私のお金の失敗談をお伝えしたい。

過去に、私はステータスにこだわったある意味「タイトルホルダー」であった。例えば次のようなものがある。
・最短で年収1億円
・最年少でハイパーカーの購入
・年商10億突破
これらのように、私は常に最短距離を走り、自分にステータスやタイトルを身にまとうイメージでビジネスに邁進してきた。

その中でもっともこだわったのが、クレジットカードの最上位カードの取得である。
今思えば「そんなバカな話あるか?」と自分でも思ってしまうのだが、あの当時はかなり躍起になっていたことを今でも覚えているし、紙一重でよく破産しなかったとも思っている。



なぜこれほどまでにこだわったのか? 私は何より「二番目」や「中途半端」が嫌いで、目指すからには、一番か圧倒的な優位性を手に入れたいタイプである。
そのため、若い頃自分のステータスで見栄を張るには、「いかにしてブラックカードを最短で持つか」ということばかりを考えていた。
学生時代を含め、そんなに収入がない頃から、毎月上限まで買い物をしていたし、機会があればすぐクレジットカードのランクアップに勤しんでいた。

しかし、当然だが、こんな生活スタイルを貫けば生活が破綻する覚悟をする日が訪れる。
今では笑って話せることだが、月の収入が30〜40万円ほどしかないときに、その3〜4倍に相当する100〜130万円ほどのクレジットカード請求が続いたときがある。
この文脈だけだと、完全に破綻するコースだと誰しもおわかりだろう。

しかし、私は分割払いにしたり、消費者金融からお金を借りたりするなどして難を凌いだ。
これをビジネスに置き換えると、「テコの原理」「レバレッジ」などと言い換えることもできるかもしれない。しかし、私は書籍や経済誌で学ぶよりも前に、手元に現金がなかったり収入がなかったりすると、ここまで人間は精神的に追い込まれ、正常な判断が下せなくなるものなのかを身をもって体験した。



ただ、人間そうは簡単に変わらない。私はその後もこのような生活を3〜6ヶ月ほど続け、完全に精神が崩壊して、ようやく自分が間違っていたことに気づくことができた。

その際の経験は、私のビジネス感覚や会社運営にも影響を与えた。
まず一つは、ビジネスを起ち上げる際に、他人の資本を借りないことである。これは、常に主導権や権限を100%自分に集中させることで、自分のペースで成長させていくことが可能だからである。

クレジットカードと同じで、自分のキャパにないスピードで成長させようとすると、必ずどこかに歪みが生じるし、仮にそれに気づかないと将来的に瓦解しかねない。
そのため、今でもビジネスの起ち上げや会社の運営をする際は、常に自己資本だけを頼りに展開しようと心がけている。



次に学んだことは、手元資金を圧倒させることである。先の項目にも通ずるが、ビジネスをする上ではお金があることが必須である。
そのため、いくらアイデアがあっても、売り上げが上がっても、手元に残る資金がなければ、次の施策や運営をすることは不可能だ。

そのため、投資で学んだ先を見据える技術・リスクヘッジの能力と、いかに効率良く利益を得るかにフォーカスして、短期間で手元資金を厚くするかを意識している。
また、手元資金があれば、昨今のような不景気や有事の際に従業員を守ることも可能であり、買収などを検討してより積極的に効率を上げることもできる。

最後に学んだのは、攻守のバランスを適宜変更することの大切さである。クレジットカードでは、いかに「最短」「最速」でブラックカードを取得するかを目標にしてきた。しかし、その目標ばかりを追ってしまい、日常が疎かになったり、結果的に精神崩壊を招く寸前まで自分を追い込んだりしてしまった。

もちろん、目標に対して圧倒的にコミットすることも大切だが、長期的に見ると精神崩壊している時間に発生する機会損失の方が勿体無いことに気づく。そのため、ブラックカードの目標設定だけでなく、いかに負荷やストレスをかけずに目標達成するかを学んだのもこの失敗からである。

人それぞれお金の失敗はあると思うが、いかにその経験を活かすかによって、その後の人生を大きく変化させることができる。私は一時期本当にダメなところまで落ちたが、この失敗を糧にビジネスの分野では成功に近づけた。今回お伝えしたことを参考にしてもらえたら、私も失敗した甲斐がある。

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