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なぜ富裕層は家賃への支出を惜しまないのか?

ROSSO 2021.06.30

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一般的に、従来型の富裕層と呼ばれる方々は、都内や地方の高級住宅地に目に見えてわかる豪華な一戸建てを建てたり、高層や高級に属する分譲マンションを購入したりする。
しかし、昨今の富裕層または若年層のお金持ちを中心に、利便性やライフスタイルの多様化を目的として、高級賃貸マンションに居を構える層も少なくない。
しかも、その家賃も桁違いで、私が知るところで月100万円台はザラにおり、多い方では数百万円を当たり前に支払う富裕層も決して少なくない。



では、なぜ富裕層は家賃への支出を惜しまないのか?
まず一つは、高級賃貸マンションは抜群の立地を有しているため、現役世代や仕事中心の富裕層にとって、効率的でありかつ利便性がこの上なく良いのだ。

私が感じる富裕層の特徴の一つに、何よりも時間がないことが挙げられる。
これはタイムマネジメントが下手ということではなく、常態的に「やるべきこと」「会うべき人」が多すぎるせいで、いつ会いに行っても分単位でスケジュールが組まれている。
そのため、通勤時間に数十分、ましてや小一時間などかけることがあれば、それは時間をロス(浪費)していることに過ぎない。そのため、富裕層は家賃が高かったとしても、効率や利便性を重視するために、都内有数のマンションに居を構えるのだ。



次に挙げられるのが、コストパフォーマンスである。一戸建てや分譲マンションなどの不動産は、購入することで「自分の資産になる」といった謳い文句がある。私が思うに、このことばには続きがある。

それは、「他人が見ても抜群な立地を有しており、多くのニーズに対応できる不動産に限る。」ということである。
もちろん、買った本人が納得しているのであればそれで良い話なのだが、「不動産に資産性がある」ということばを成立させるには、競合と比べて不動産に優位性がなければ意味がないし、結論売却(または賃貸などに転用)できなければ、それは資産性がないことと同じである。

その点、富裕層はしたたかである。確かに、高額な家賃だけを見ると、「そんなに月々支払うなら買った方がお得」と思うかもしれない。しかし、将来が見通せない不動産にとって、建物の修繕費や管理費、住宅ローンの金利、資産性の下落などを加味すると、賃貸マンションほど身軽かつリスクヘッジできたものはない。

にもかかわらず、高級賃貸マンションであれば、建物内の設備やサービス、プライバシーはもちろん、室内の間取りや内装まで完璧に仕上がっているため、住んでいてストレスがないのだ。それらを総合的に分析しているため、家賃への支出を惜しまない富裕層は多いのだ。



最後に挙げるのが、富裕層のマインドである。富裕層の多くは、拠点を一つだけでなく、セカンドハウスや別荘など、 場合によっては国ごとに設けるなど千差万別である。
また、人によっては、年に一回引っ越すことも当たり前である。これは、単に富裕層が「飽き性」や「引越し癖」があるという話ではなく、気持ちのリセットや切り替え、モチベーションの向上が上手いという話である。

一度不動産を購入してしまうと、安易に引っ越すや拠点を移すことは難しくなる。
しかし、富裕層はライフステージに合わせて家賃をコントロールしたり、住む場所を適宜住み変えたりするため、言ってみればとても狡猾に生きている。そのため、必然的に資金が貯まりやすく、ビジネスに成功しやすい環境を自らで作り出しているのだ。

富裕層にとって高い家賃など痛手にもならないし、より資金効率を良くしたければ、経費計上も可能なのだ。それほどまでに、今ある法律や制度をうまく活用して生活しているのが富裕層である。

今回は、なぜ富裕層は家賃への支出を惜しまないのかについて言及したが、一つひとつ見ていくと、生きる術を遺憾なく発揮していることがおわかりいただけると思う。

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