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パンデミックが直撃した映画業界!2020年主流となったPVODサービス

焔(Homura) 2021.05.31

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このブログ記事を書いているのは2021年5月ですが、カリフォルニア州では6月以降にスポーツ観戦など100%のキャパでの開催が決定しているようです。

州によってコロナの感染状況は異なりますが、振り返ってみると昨年2020年のアメリカ映画業界にはたくさんの出来事が起こりました。

必然的に需要が上がったのがストリーミングサービスにおける映画などの配信です。 特にワーナーブラザースは今年に公開を予定されていた17の映画作品を全てオンラインでのストリーミング配信を決定。

パンデミック被害の大きかったアメリカの映画業界ですが、今回の国境にどのように立ち向かったのか振り返ってみたいと思います。

映画作品は全て公開の延期あるいはストリーミング配信に切り替えられました

2020年の3月以降ニューヨークやロサンゼルスなど大都市の映画館は3月以降営業を停止していました。 2020年年末の時点で稼働していたのは全米でも約35%の映画館のみ。

その結果、各制作会社は大作映画の公開を延期するか、あるいはPVOD(プレミアムオンデマンド=有料のストリーミング配信)へ切り替えするしかありませんでした。

映画館での興行収入が得られない以上PVODでの配信はしかたのない選択肢だったと思います。そのトップバッターとなったのはユニバーサル映画。
2020年4月に公開予定だった「トロールズ ミュージック★パワー」を劇場だけではなくPVODで配信すると発表しました。

もちろんこれにはアメリカの映画館業界からの大きな反発がありましたが…最終的にはユニバーサル映画では劇場公開から最短17日でPVODでの配信可能となりました。
また劇場運営側も配信収益の利益分配を受けることで契約を結んでいます。

このユニバーサル映画の決定が結果として他の映画制作会社にも大きな影響を与えることになります。
例えばディズニーやワーナーブラザーズ映画など、自社でのストリーミング配信サービスを持つ会社はそれぞれ
・ディズニー・プラス
・HBO max
自社のプラットフォームを利用して新作の映画配信を始めることになりました。

ワーナーブラザーズの追加料金なしの17作品配信が与えた影響

2020年7月にはブロードウェイミュージカルの舞台収録した「ハミルトン」が、そして昨年度末にはディズニー&ピクサーの新作「ソウルフル・ワールド」をディズニーは3ヶ月間は追加料金なしのプレミア料金で配信されました。

そんな中大きな動きを見せたのがワーナーブラザーズでした。 なんと今年に公開予定だった17の映画作品を全て劇場公開と同じ日にストリーミング配信を決定したからです。

この電撃発表に驚いたのはファンよりも制作サイドだったようです。 事前のコンセンサスは一切取られていなかったようで、多くの意義が唱えられることになってしまいました。

特にハリウッド映画の場合は主演の俳優だけではなく監督なども含め「劇場興行収入」からのインセンティブも契約に含まれるからでした。

プライベート上映やドライブインシアターがもたらした支援

アメリカの場合それぞれの州が独立して保健衛生管理を行っていますのでどうぞ事業の運営方針はそれぞれ異なります。
従って映画館の収容率やマスク着用の有無もそれぞれ主の規制に従って定められることになります。

そんな中配給会社と映画館は規制を守った上で安全に映画を上映するためのプロトコルを取り入れ始めました。それが貸し切りで映画を公開する「プライベート上映」システムです。

この方法で昨年12月に劇場公開された「ワンダーウーマン 1984」は全米で1万枚以上のプライベート上映チケットが売れたとの報道がありました。

プライベート上映であれば限られた友人だけで劇場を貸し切ることもできます。新しい作品に飢えていたセレブたちもこのプライベート上映を利用して劇場で楽しめるように。

そして劇場が営業していないような地域では昔懐かしいドライブインシアターが復活することに。懐かしいですね。筆者自身もそれこそ相当昔にアメリカのドライブインシアターを経験していますが、このパンデミックで復活するとは思ってもいませんでした。

またこのドライブインシアターは映画のプレミア上映にも使用されました。トロント国際映画祭とテルライド映画祭が共同で行った「ノマドランド」のプレミア上映はトップラインのニュースとしてアメリカでは取り上げられました。

そして劇場やミュージカルなど全てが上映中止となっていたころ、車に乗ったまま楽しめる数々のイベントが催されたのも記憶に新しいところです。

ちなみに昨年のハロウィンからロサンゼルスでは「ドライブインテーマパーク」なるものが開催されました。これはNetflixの人気作品「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の世界観を再現した新たな試みだったと思います。

日本に限らずエンターテイメント業界を直撃したパンデミックですが、特にアメリカが受けたダメージは大きかったようです。

それでもカリフォルニアの一部の州では6月以降ほとんどの施設が制限なしで利用できるようになります。ようやく業界に新しい光が見えてきたのではないかと個人的には思っております。

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