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自分を好きになりたい!「日本人と罪悪感」心理カウンセラーとして思うこと

焔(Homura) 2021.05.13

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私自身アメリカでNLPという心理カウンセラーの資格を取得しました。 プラクティショナーというレベルですが、日本で悩みを持つクライアントとセッションワークをして一番感じるのが「日本人は真面目すぎる」ということです。

アメリカでは心理カウンセリングでクライアントのニーズは限定的です。その中でもほとんどの場合が「ストレス・マネージメント」と呼ばれる、予防的なもの。言ってみれば最初からのゴール設定がしやすいケース。
それに比べて、日本ではクライアントが抱えていらっしゃる問題は深く、そして複雑なケースが少なくありません。

アメリカと日本では心理カウンセリングに対する考え方が大きく異なります。心理カウンセラーとして日米の違いについて書いてみたいと思います。

日米文化の違いにみる自分に対する「メンタルケア」の差

アメリカドラマなどで見かけるドラマのワンシーンですが「あ、セラピーの時間なので」、こんなセリフがよく出てきますよね。

「マイセラピスト」やホームドクターはごく日常的で、ステータスシンボルにもなっています。
心理カウンセリングやセラピーの利用はとても日常的ですので、最初から自分のゴールや目的がイメージできているわけです。

だからこそストレスを感じる前の「予防策」として日常的に心理カウンセリングが行われています。

では日本の場合はどうでしょうか?

日本では「異変を」感じてから、初めて自分の問題に気が付く方がほとんど

肉体的な異常を感じない限り、例えば風邪を引く前に病院に行く人はいませんよね。特にメンタル面でのケアの必要性など考える方は少ないのが現状です。

ここにも日本人とアメリカ人の大きな差がありますが、言ってみれば、
常に自分中心で考えるアメリカ人 VS 他人を優先させる日本人
こんな構図が見えてきます。

結構ファジーな部分もあるアメリカ社会ですが、常に「自分」を中心において考えるよう教育を受けているので、ストレートに自分に必要なものが分かるのでしょう。
その背景には訴訟社会と呼ばれるアメリカでは、自分の非を認める前に「自分の意思表示をはっきりさせる」ことを小さい頃から学ぶという大きな文化の違いもあります。

それに対して私たち日本人は何事も真面目に取り組みます。
そのせいもあり社会そのものが、全ての方にストレスと緊張感を強いる仕組みになっていると思います。良くも悪くも「真面目すぎる」のが私たち日本人の特徴でしょう。

日本では、
「人より目立たないよう」
「自分の意見より他人を尊重する」
このような行動や考え方が美徳とまでは言いませんが、社会生活を送るための必要なツール怒鳴ってしまっています。

その結果、アメリカでは相手に向ける攻撃を、日本人は自分に向けてしまうようになってしまっています。

どんな場合でも「自分が悪い」ということにして謝っておけば、その場は丸く収まるからです。

知っておきたい無意識に積み重ねられていくストレスの怖さ

その結果ストレスが積み重なっていくわけですが、あまりに「日常的」なことになりすぎて、自分がストレスを受けている感覚すら失ってしまうようになってしまいます。

ストレスは目に見えるものではありませんので「頑張る」ことで乗り切れると思い込みがちです。

ところがある日突然ストレスコントロールできなくなると、ひどい場合はウツ的な症状を引き起こしたりします。

相談に見えられるクライアントの口から出る言葉は、自分を最初から悪者の立場にしてしまっているようなものばかりです。

心理カウンセリングやセッションはそんなマイナス思考からのスタートとなってしまいます。

言ってみれば「罪悪感」というキーワードは日本でのメンタルケアにおける永遠のテーマだと私は思っています。

そんな時に伝えるようにしている言葉があります。
「決してあなただけが悪いわけではありません」
「決してあなたは加害者でもありません」
「決して自分だけを責めたりしないでください」
言葉で伝えるのは簡単ですが、無意識にそのような考え方を取り込むまでにはそれなりのワークが必要になってきます。

「自分を好きになりたい!」

そんなゴール設定を望まれるクライアントの背中から見えるのは、日本社会の矛盾した部分です。

心理カウンセラーといっても私たちにお手伝いできることは、ほんの少しかも知れません。特に今のようなコロナ渦の社会でこれからもステイホーム期間は増えていくことでしょう。

一人でも多くの方にストレスフリーな生活を送って欲しいと思っています。

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