Blog
Blog

ミシュランのストーリー。そして「レフェルヴェソンス」

M. Christophe 2021.04.30

Pocket



「レストラン レフェルヴェソンス」
2020年12月に3つ星を取ったレフェルヴェソンスに4月1日ふと おとづれてみました。

全国からの生産農家や水産物ふくめ、レフェルヴェソンスのために毎日宅配で、生産者が西麻布に食材を送ってきます。
生産地を生江シェフが回り、生産者と直接話しながら、食材を選んでいます。


太陽の光をたくさん浴びた、銀のトレイにギッシリと並ぶ優しい笑顔の野菜達

48種類の野菜をまずご覧になっていただきたいです。それも素晴らしく、全てのお客様の健康を考える、という”気持ち”から料理がはじまります。


スタッフも、楽しそうにサービスをしてくださいます。
笑顔が素晴らしいですね。


ミシュランのストーリー



1929年発行のミシュランガイド
ミシュランガイドは、フランスのミシュラン社により出版されるさまざまなガイドブックの総称です。

パリ万博が行われた1900年、
自動車運転者向けのガイドブックとしてフランスで発行されたのが始まりです。

内容は、郵便局や電話の位置まで示した市街地図のほか、都市別のガソリンスタンドやホテルの一覧、さらには自動車の整備方法などがかかれてます。
これは35,000部が印刷されて無料で配布されました。

発行者であるミシュラン社はタイヤ会社です。
これにより自動車旅行が活発化し、タイヤの売れ行きが上がることが目論みだったそうです。

ミシュランの原則

「ガイドはタイヤのため」
「ガイドはミシュランにとって、ブランド名を売り込むため、タイヤ事業を発展させるために存在する」
との原則は現在も引き継がれております。
ミシュランの2010年第1四半期の売上高に占めるレストランガイドや旅行ガイドなどの出版物が占める割合は約1%とされます。

第一次世界大戦の1915年から1918年まで出版が中断されました。
終戦後には旅行ガイドブックのシリーズとして『古戦場案内』も刊行されたそうです。

無料配布の中止

ある修理工場を訪ねた際に傾いた作業台の足代わりとしてミシュランガイドが地面に積み重ねているのを見かけて、「人間は金を払って買ったものしか大切にしない」な、と考えたミシュラン社のミシュラン兄弟は、それまでの無償配布を中止したそうです。
1920年からは有償での販売されました。
1926年には料理を提供するホテルを星で格付けする方式が開始されました。

星の数は当初の1つ星のみから、2つ星までとなり、3つ星方式は1931年に最初に導入されました。
1933年からパリ版でも用いられるようになりました。

またこの頃、ミシュラン社員が匿名で施設の調査を行うようになったそうです。

第二次世界大戦に伴う1940年からの出版中断を経て、1945年に登場した改訂版では戦争で破壊されたレストラン・ホテルが点線で示されました。

戦争はレストランを破壊したのです。
星による格付けの再開は1950年版から再スタートしました。

1956年、初めてのフランス国外版として「北イタリア」版ガイドが創刊されました。
ベネルクス版、スペイン版が続いていきます。

2004年、第6代総責任者にジャン=リュック・ナレ(英語版)が就任して拡大路線を推進しました。
2005年には、初めてヨーロッパ以外を対象とした「ニューヨーク・シティ」版が登場しました。

この時、3つ星レストランがわずか4軒。
しかも全てがフランス人シェフの店だったことで物議を醸しました。

その後アメリカ合衆国では、「ラスベガス」「ロサンゼルス」「サンフランシスコとベイエリア」の各版が続けて発行されました。

2007年には欧米以外では初となる東京版(2011年版からは東京・横浜・鎌倉])が、発行されます。

2008年には香港・マカオ版が、2009年には京都・大阪版(2011年版からは京都・大阪・神戸])が、2010年11月にはシカゴ版が刊行されました。

この拡大路線を推進したジャン=リュック・ナレは2010年いっぱいで退任されました。
後任の選定は遅れ、2011年8月にミシュランの2輪タイヤ販売部門の副社長だったニューヨーク生まれのアメリカ人のマイケル・エリス(Michael L. Ellis)が就任しました。
2018年、マイケル・エリス(Michael L. Ellis)も、ミシュランを退社しています。

ミシュランの星

レストランが星を1つ獲得するとその店の売り上げは30%増えます。

ある国でミシュランガイドが刊行されると、その国でミシュランタイヤを買おうと思う人が3%増えるといわれます。

一方、オンライン化の波に乗り遅れたガイド・地図事業自体は毎年1500万ユーロの赤字となっているそうです。

2010年にアクセンチュアがコンサルティングを行い、このままでは2015年には年間の赤字が1900万ユーロ、2011年から4年間の累積で8000万ユーロになるとし「廃刊」を含む3つのシナリオが提示されたとされました。

ガイド・地図部門はデジタル・トラベル・アシスト部門と統合され、これに伴いパリ中心部7区にあったガイド・地図部門も、パリ郊外ブローニュ=ビヤンクールにあるデジタル・トラベル・アシスト部門のオフィスに引っ越しをされたくらいです。

翌年の2011年版は、23か国をカバーする26種類のコレクションとなっています。
他方、オーストリア版は売れ行き不振から廃刊しました。

2010年版以降ラスベガス、ロサンゼルス版は経済的事情により休刊となっています。
一方、フランス版の累計発行部数は、2004年版までで3000万部を突破しました。世界中の人たちが購入したのです。

また、世界の90か国を超える国で毎年約1000万部の地図、旅行ガイド、レストラン・ホテルガイドを発行しており、ミシュランガイドは2008年全世界で120万部以上そして、2009年は100万部以上販売されています。

2020年12月7日、『ミシュランガイド東京2021』が発表されました。
東京を対象としたミシュランガイドは2006年から数えて14年目に当たります。

掲載総数は480軒でした。

そのうち飲食店が446軒、宿泊施設が34軒 。新規掲載は飲食店53軒、宿泊施設7軒。内訳は、三つ星12軒、二つ星42軒、一つ星158軒、ビブグルマン234軒でした。

3星とは

星は、
(1)素材の質
(2)調理技術の高さと味付けの完成度
(3)独創性
(4)コストパフォーマンス
(5)常に安定した料理
一貫した五つの基準に基づきます。

それぞれの星には、
「そのために旅行する価値がある卓越した料理」(三つ星)、
「遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理」(二つ星)、
「そのカテゴリーで特に美味しい料理」(一つ星)
として評価されます。

三つ星のうち、二つ星から評価が上がったレストランはレフェルヴェソンスと茶禅華。
茶禅華は日本のミシュランガイドで初めての中国料理で三つ星を獲得しました。

レフェルヴェソンス

サステナブルな取り組みなどに対して真に献身的で、革新的な施設として評価されるグリーンスターにも選ばれてます。

コロナの時期に レフェルヴェソンスのチームは周りのシェフ達によびかけて医療従事者にお弁当をつくり、未だにボランティアの手によって配られています。


医療従事者の方たちにお弁当を作っている写真を撮らせていただきました

マイナビニュースによれば、厨房(ちゅうぼう)内にレンガ製薪(まき)窯を設けるなどの試みも評価されたそうです。
まさに。生江シェフの感性が、世界基準になって行かれた、毎日の努力や工夫を重ねての3つ星でした。


レストラン レフェルヴェソンスのオーナー 石田ご夫婦

世界的な愛あるお二人の発想、そしてスタッフのおもてなしの心、努力の積み重ねによる3つ星レストラン、日本の西麻布の地で味わうことができます。
食のイノベーションを卓越したレストラン レフェルヴェソンス。ぜひ


Pocket