Blog
Blog

ESG投資

ANNE 2021.03.30

Pocket

環境、社会、ガバナンスに対して積極的な取り組みをする企業に投資することを表すESG投資。
欧州では先行しているが、日本でも近年急速に成長している注目エリア。その変遷と最近の状況について、そしてどういう役割を果たすべきかについて考えてみた。



ESG投資(社会責任投資)の考え方はかなり昔からあった。もともと宗教的倫理観から、タバコやアルコール、ギャンブルなど教義に反するものを投資先から排除する動き、所謂社会責任投資(SRI)から始まったと言われている。しかし、近年のESG投資の考え方は単なる排除ではなく、環境と社会、そしてガバナンスである企業統治を考慮した持続可能な経営を行う企業に投資するというもっと積極的なものである。この考えは2006年に、当時の国連総長が提唱した「国連責任投資原則(UN PRI)」が発端となっている。世界の年金基金など大手投資家がこの原則を採用するようになったことで広がっていった。



日本で注目され始めたのはそのずっと後である。第二次安倍内閣でデフレ脱却を目指した施策の一つに、日本企業の価値向上を目指した日本版スチュワードシップ・コードが検討されはじめた。スチュワードシープ・コードとは企業価値向上のために機関投資家が果たすべき責任についての行動規範である。
その後日本の公的年金の運用を担うGPIFの日本版スチュワードシップ・コードの受け入れ表明や UN PRIへの署名をきっかけに、ESGを考慮する動きが加速していった。



近年ではニュースや情報誌でよく目にするようになり、個人投資家の間でも急速に拡大してきたESG投資。ESG関連の商品も大幅に増えているようだ。
しかし、ESG投資と言えども、非倫理的な企業を排除するのみもしくは、企業分析の際、財務諸表以外に数字には現れないレポートなどの非財務諸表を含めて分析する手法が7割を占めるという。つまり、ESGに積極的な企業を選び出すよりも非倫理的な業種ではないですよ、ESGテイストも入ってますよというだけでESG投資と呼んでいることも多いようだ。



自分のお金が本当の意味で環境や社会、企業の価値向上のために役立たせたいのなら、しっかりと中身まで知っておくことが必要であろう。
本当の意味でのESG投資が増えていくことで、そしてSRIからESGへの変遷のように、意識を変えることで、社会を変える力が生まれるのではないだろうか。

Pocket