宝塚歌劇団の魅力
Shirotaromaru 2021.03.24
宝塚歌劇団と聞いて、どんなイメージを描くだろう。かつて宝塚ブームを巻き起こした人気作品「ベルサイユのバラ」に登場する、オスカルを代表とする凛々しい男役トップスターたちや、彼女らが身にまとう絢爛豪華な衣装だろうか。
観客は皆、舞台で繰り広げられる洗練されたダンスや情感のこもった歌声に魅了され虜になるという。そんな宝塚歌劇団の魅力についてご紹介させていただきたいと思う。
宝塚歌劇団の歴史
宝塚歌劇団は、その名が示すとおり兵庫県宝塚市に本拠地がある未婚の女性だけで構成される歌劇団だ。阪急電鉄傘下の事業部が運営しており、歌劇団員は阪急電鉄の社員であることは意外と知られていない。歴史は1914年からと古く、日本で初めてレヴューを上演した劇団と言われている。健全かつ幅広い世代の観客が楽しめる演目を中心に、現在では東京都千代田区にも専用劇場を設け様々な公演を行っている。
持ち味の異なる5つの組
宝塚歌劇団は基本的に「花・月・雪・星・宙(そら)」の5つの組で構成されている。組ごとで公演が行われ、演目も異なる。「芝居の月組」「日本物の雪組」などと呼ばれるように、組によって違う持ち味があると言われている。
現在各組にはそれぞれ約80名が所属しており、トップスターと呼ばれる男役と、そのトップに寄り添うトップ娘役が主演コンビとして1人ずつ選出されている。
宝塚歌劇団への厳しい道
舞台に出演する歌劇団員「タカラジェンヌ」になるためには、まず2年制の宝塚音楽学校を卒業しなければならない。入試の競争倍率は非常に高く、最盛期には48倍もの高い倍率だったこともある。試験内容に歌やダンスが含まれるため、入学を目指す受験生たちはバレエやピアノ・声楽などのレッスンに勤しみ、また立ち居振る舞いや容姿の一定レベルも問われるという。宝塚歌劇団のスターになるには
宝塚歌劇団に入団しても「スター」のポジションにつけるのはほんの一握りだ。中でも特に男役スターの頂点である「トップスター」は、全ての公演において主演を務め組の「顔」として位置づけられる。
トップコンビの選出条件は実力だけではない。容姿やスターとしてのオーラ、人気の高さなどにも秀でていることが重要で、両トップの選任については多くのファンが常に関心を寄せている。
スターは「育てるもの」
「スターは育てるもの」だと宝塚歌劇団のファンはよく口にする。それは宝塚歌劇団が「スターシステム=公演における重要な役は一部のスターが担う制度」を採用していることが一つの理由だろう。一度就任したトップのポジションは退団するまで不動だ。しかしトップ以下のポジションには可変性があり、実力や人気次第では若手とベテランの立場が逆転するようなケースもある。トップはトップであるがゆえに自身を磨き続け、他のタカラジェンヌたちも皆、上を目指してひたむきにレベルアップを図り続けるのだ。
ファンからの大きな愛情
煌びやかで美しい舞台の裏に隠された、タカラジェンヌたちの苛烈な努力。そんな真摯な彼女らを親のような心境で応援し、成長を見守るファンも多い。応援するタカラジェンヌの地位を向上させるためのファン活動が活発であることもよく知られており、定期的にグッズを購入したり、公式・私設ファンクラブに加入したりするファンも多い。一部のコアなファンは高価なプレゼントを贈ったり、タカラジェンヌの身の回りのお世話をすることもあるようだ。宝塚歌劇団はファンの大きな愛情に支えられているとも言えるだろう。
宝塚歌劇団のチケット
新型ロナ以前では、人気の高い公演チケットは公式ファンクラブに入っていても入手困難だと言われていたが、現在は観客数が減少しており比較的入手がしやすい状況が続いている。2021年3月現在では、感染対策として一人当たりのチケット購入枚数に制限があり、公演内容についても出演者の減員や演出の変更、またオーケストラの生演奏の中止などが講じられているようだ。自宅でステージを楽しめる動画配信
劇場に足を運ばずとも動画配信サービスでステージを楽しむこともできる。最新作がいち早く配信され、舞台裏を覗くこともできる「宝塚スカイステージ」はコストが高めだがサービス内容が充実していることで人気が高い。気軽に楽しむのなら「宝塚オンデマンド」がお勧めだ。作品ごとの単品購入と、定額で見放題のプランが選択できる。
宝塚歌劇団の豊富な魅力
宝塚歌劇団の一番メジャーな作品は「ベルサイユのバラ」だが、それ以外にも優れた作品は数多く存在している。ハプスブルク帝国の皇后エリザベートと死神トートの愛憎を描いた「エリザベート」や浅田次郎氏原作の「壬生義士伝」、また人気漫画を舞台化した「はいからさんが通る」や海外ミュージカルの「ガイズ&ドールズ」なども評価が高い作品だ。
スピード感溢れるダンスを楽しむもよし、重厚感のある物語を楽しむもよし。クラシックなものから現代的な作品まで、幅広いジャンルの演目が揃っている上に演者によっても味わいが異なる。ご自宅時間を楽しむためのラインナップに加えていただいたら、きっとお気に入りの作品が見つかるだろう。