Blog
Blog

暗号資産(仮想通貨)の基礎知識

Shirotaromaru 2021.03.24

Pocket

映画のタイトルをもじり、暗号資産(仮想通貨)取引での莫大な利益を得た「億り人(おくりびと)」と呼ばれる人たちがいるのはご存知だろうか。
最近よく耳にするようになった、暗号資産についての話題をとりあげてみたい。



暗号資産とは?

暗号資産とは、紙幣や硬貨の実体を持たずインターネット上でやりとりされる電子資産のことを指す。日本円や米ドルなどと異なり国による保証を持たないことが一番の特徴で、いわゆる中央銀行が介在せず発行や流通を管理する組織は存在していない。

暗号資産の代表格であるビットコインは、サトシ・ナカモトと名乗る人物による論文を元に開発されたと言われている。「マイニング」と呼ばれる作業により発行され、発行上限額もあらかじめ決められている。ブロックチェーンを用いて世界中のコンピューターネットワーク上に取引データを分散して記録し、全ユーザー同士で監視し合うことで不正を防ぐ仕組みだ。
数多くの暗号資産が世界中の取引所で法定通貨である円や米ドルなどと交換されたり、暗号資産同士で売買されたりしている。

暗号資産にはどんな種類がある?

現在世界に流通している暗号資産は数千種と言われているが、2021年3月現在日本で取引できるものは13種類だ。
一番メジャーなものはビットコインで、それ以外は「アルトコイン(Alternative Coinの略語)」と呼ばれる。アルトコインはビットコインを元に作られており、基本的にはビットコインに類似するが性能を改善したものや新しい特徴を持ったものなども登場している。

暗号資産にはどんな特徴がある?

暗号資産の価格は需給で変動する。知名度が上昇し、将来的に需要が拡大すると考えられていることなどにより現在は上昇を続けている。
他の金融商品とは異なり、原則24時間365日の取引が可能だ。また多くの取引所では最小売買単位が非常に小さく設定されており、少額からの投資が可能となっている。
金融機関を通さずに、世界中で個人間送金が可能というのもデジタル資産ならではの特徴だ。

暗号資産の取引方法は?

暗号資産を取引するには取引所への口座開設が必要だ。数多くの取引所が存在し、取引所によって売買できる暗号資産の種類や手数料、取引手法などが異なっている。
暗号資産を保有するユーザー同士の取引である「取引所取引」と、暗号資産販売所との取引となる「販売所方式」の2つの方法があり、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと把握して選択することが大切だ。

暗号資産にはどんなリスクがある?




暗号資産を取引する上での大きなリスクは5つある。

① 価格変動リスク
株式などと比べ市場規模が小さく取引量も少ないため、大口の資金移動が起こると価格が大きく変動する。また1日の値幅制限もない。
② サイバー攻撃による盗難リスク
2018年1月、暗号通貨取引所コインチェックが外部からハッキングを受け暗号通貨「NEM」が約580億円盗難されるという事件があった。2021年3月現在まだ犯人は逮捕されておらず、事件は解決に至っていない。
③ ネットワーク上のトラブルによるリスク
暗号通貨の取引はネットワーク上で管理されているため、トラブルが起こると取引が正常に終了しない可能性がある。
④ 取引所破綻リスク
何らかの理由で暗号資産取引所の事業が継続できなくなった場合、取引所の体制によってはユーザーの暗号資産が返還されない可能性がある。
⑤ 法制度の変更・規制リスク
暗号資産についての法規や税制が変更されることにより、価格の下落や税負担額の増加などのリスクがある。

資産運用に取り入れるべきか?

2009年の登場時1円以下だったビットコインは、2021年3月には600万円を超えた。12年の間に大幅に下落した局面もあり、まさにハイリスク・ハイリターンだ。その投機的な性質から、暗号資産の取引は万人向けではないと言えるだろう。

しかし先日、米EV自動車大手テスラがビットコインに15億ドルを投資したと報じられたのは記憶に新しい。継続的な購入・保有を検討しており、同社の商品の購入代金にビットコインでの支払いを受け入れる準備をしているとも発表があった。ビットコインでの決済が可能な通販サイトなども増加傾向にあり、「新しい通貨」としての存在感は着実に増してきているようだ。

日本での「仮想通貨」という呼び名が令和2年5月の資金決済法改正時に「暗号資産」に変更された。これは暗号資産が円やドルのような通貨と同じものと誤解されないためという説もあるが、今後暗号資産が金融資産の一種として機能することを見据えての変更ではないかとみる向きもある。
多くの大手銀行や政府はいまだ慎重な姿勢を崩していないが、一時的なブームで終了するものとは考えにくい。金融資産として進化を遂げていくのかどうか、今後も注目していきたい。


※本記事は情報提供を目的としており、特定商品への投資を勧誘するものではございません。暗号資産に関する情報は個人の見解によるもので、情報の真偽、正確性・信憑性などについては一切保証されておりません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

Pocket