なぜアンティークコインは富裕層に人気なのか?投資価値と収集法について
焔(Homura) 2021.03.19
日本でもオークションや展示会が盛んなアンティークコインです。個人的にも趣味としてコレクションをしておりますが、美術的な価値も持つアンティークコインは眺めているだけでもその歴史的な重みを感じることができます。
世界中のコレクターが集まることで有名なモナコMDCオークションでは昨年10月、ヴィクトリア女王5ポンド金貨「ウナとライオン」も出品されました。
オークション代行会社を通して購入は可能ですが、せっかくなら現地まで足を運びたくなるのがコレクターです。モナコMDCで目玉となった「ウナとライオン」、その魅力について書きたいと思います。
アンティークコインの魅力を2つの視点から見る
投資としての価値
アンティークコインとは、100年以上前を目安に世界各国で発行されていた「古銭」のことを言います。古いということはそれだけ歴史的な価値があり、資産になり得るということです。
近年、アンティークコインの価値はなだらかではあるものの価格は着実に上昇しています。
例えば代表的なコインである「ウナとライオン」は、2011年頃には400~500万円程でしたが、2015年には3,000~4,000万円という鑑定結果が出ました。
これはあくまで極端な例ですが、特定のアンティークコインは基本的に世界情勢の影響を受けにくく安定した価値の上昇が見込めます。
世界で発行されているアンティークコインは20万種類程あり、その中でも特に資産価値が高いコインは200~300種類程とのことです。
アンティークコインを投資に利用するメリットとして、税金対策がしやすい点も重要。不動産のように登記する必要もなければ、金のように支払調書の提出も義務付けられていないのです。
アンティークコインを節税に使うことは日本国内においてあまり周知されていませんが、今後新たな資産形成の手法として確立されていくかもしれませんね。
コレクションとしての価値
確かにアンティークコインは投資対象として有益ですが、単に収集物としての魅力があることも忘れてはいけません。
絵画や骨董、古美術品などと同じように、アンティークコインに美術的価値や歴史的価値を見出す人も大勢います。
例えば上でも挙げた「ウナとライオン」は、ヴィクトリア女王の即位を祝う記念金貨として1839年にイギリスで発行されたものです。
その発行枚数はたったの400枚!
希少だからこそ値上がりも激しかったのですが、コインそのものも非常に美しく、表面にはヴィクトリア女王が、裏面にはイギリスを代表する長詩「妖精の女王」に出てくるウナ姫とライオンが描かれており、見る者を魅了します。
コレクターとしてぜひとも1度は見ておきたいコインの1つですね。
アンティークコインを入手する方法とは?
投資対象としても、収集品としても価値が高いアンティークコイン。それでは実際にどのような方法で集めれば良いのでしょうか?
一般に、アンティークコインの収集には次の3つの方法があります。
・ディーラーから購入する
・インターネットを利用する
・オークションに参加する
これらの中で最も王道かつ誰にでも推奨されるのはディーラーから購入することです。
投資として収集するなら「どのコインの価値が上がりそうか」、趣味として集めているなら「自分のコレクションに合うコインはどれか」など、専門家のアドバイスを受けながらじっくりとコインを選ぶことができます。
そのためにも必要となるのが、頼れるディーラーを見付けること。
一軒ずつ当たっていく、周囲のコレクター仲間に紹介してもらうなど方法はいろいろありますが、その時の1つの指針として「外部団体のお墨付きを得ていること」に注目します。
例えば、国際貨幣専門商協会(IAPN)に加入しているかどうか。
IAPNはコイン業界において最も権威ある団体であり、加入するためには非常に高い能力と信用が必要です。
日本では片手で数える程しか加入を許されていません。IAPNに加入しているディーラーを選べば、選択肢こそ狭まりますが質の良い取引が期待できるでしょう。
もっと幅広いディーラーから選ぶなら、「日本貨幣商協同組合」に加入しているところからでしょうか。
IAPNほど権威のある団体ではありませんが、こちらもコインの啓蒙や鑑定などを行なっており、日本では100社以上が会員になっています。
日本ならでは、のコインも素晴らしいものがあります。趣味として、あるいは投資目的でも一度は手にして見るのはいかがでしょう?
その魅力に惹きつけられること間違いないと思います。