2040年スペインが日本を抜いて世界一の長寿国になる?知られていない要因
焔(Homura) 2021.03.12
日本は世界一の長寿国として知られていますが、2040年にはスペインが世界一になると予想されています。個人的にはスペイン=長寿というイメージはあまり結びつきませんでした…
筆者自身学生時代に留学したスペイン、そして長年を過ごしたメキシコは同じラテン系でスペイン系も多い国ですが全く長寿とは無縁の国です。なぜこんな差が生まれたのでしょうか?
ラテン系の国では個人の「自由さ」が尊重されます。そのスペインがレポートでは2040年の平均寿命が85.8歳になると報じられています。
イギリスのタイムス紙でも「お酒とタバコのイメージ強いスペインが?」そんな話題で取り上げられていました。
スペインの生活に見る、長生きするための秘訣とは
そこで興味を持ってレポートを読んでみますと、意外なファクターに気づかされました。高血圧、喫煙率、水の安全性など250項目の要因によって作成されているようです。中には「スペインあるあるでは?」そんな項目もありますが(主観ですが)一理あるなと思う項目もあります。ご紹介いたしましょう。
Mediterranean dietと呼ばれる地中海料理
スペインは海に囲まれた国であり、加工食品や肉をあまり摂らず魚や果物、野菜、ナッツなどを中心とした食文化があります。医学的にも、地中海料理はアンチエイジングに有効な食材が多く、心臓病や糖尿病、がん、認知症などのリスクを減らすとされています。
スペイン人は散歩好き
スペインの公園には老若男女問わずさまざまな人々で溢れています。ある調査によると、スペイン人の76%は10分以上の散歩を週に4日以上しており、37%の人は徒歩か自転車で会社に通勤しているそうです。
実際に首都マドリードには公園も多く多くのグループ、家族からお年寄りのカップルまでが外での時間を楽しんでいます。
アイスを食べたり、ジュースを飲んだり…他愛もないことですが外で過ごす時間をエンジョイできる国民性はラテン系ならではかも知れません。
スペインに住んでいる友人も「シンプルを楽しむ」ライフスタイルには当初驚いた、と話していました。
長い時間を外で楽しむという習慣が長寿のファクターの一つになっているんですね。
整備されたヘルスケアシステム
スペインでは憲法によって、国民が国の医療システムを利用できることが定められています。そのおかげで民間の健康保険に加入している人は20%にも満たないのだそうです。ヘルスケアに対する国としての支援体制の充実が長寿につながっています。これは納得できる要因だと思います。
長時間労働でも休憩が多い
スペインは他のヨーロッパの国々よりも長時間働いているというデータがあります。(年間でドイツよりも331時間、フランスより173時間、スイスより117時間多いのだとか)
長時間労働は体に良くないと思いきや、スペインでは業務中の休憩が多く取られています。午前や午後にはコーヒーブレイクの時間が取られる職場が多いですし、「シエスタ(昼寝)」も有名です。
今でこそ昔のシエスタのように長時間の昼寝をする人は少なくなりましたが、短時間でも寝る人は今でもいるのだそうで。数十分目を瞑るだけで、脳の血流が改善し、集中力・記憶力が増すと言われています。
スペインが世界一の長寿国になるための課題は「喫煙」?
このように人々の生活の中に長寿の秘訣が根付いているスペインですが、残りの課題は喫煙だそうです。ある煙草会社の調査によると、スペイン人の年間平均喫煙数は1499本で、北欧ノルウェーの553本を大きく上回っているのだとか。しかし日本の年間平均喫煙数は1583本でスペインよりもさらに多いというデータも。
スペインでは2011年にバーやレストランでの喫煙を禁止するという法案が成立しました。この流れで国全体に禁煙の流れができてきたら、本格的に日本を抜いて世界一の長寿国になるかもしれませんね。
まとめ
現在のコロナ渦が今後の世界長寿ランキングにどのような影響を与えるのかは分かりませんが(レポートはそれ以前に作成されたものです)、日常のライフスタイルが変わるのは自然なことだと思います。それでも、スペインがセカンドライフを楽しく過ごせる国であることは間違いありません。
日本における健康志向も年々高まってきていますが、陽気なラテンの国から学べることは多くあるような気がします。
そして再び日本が長寿世界一を誇れる国になるに違いない、と個人的には考えております。