Blog
Blog

スパークリングワインとはひと味違う「高級シャンパン」の世界

焔(Homura) 2021.03.12

Pocket



ギフトとして著者も頂くことの多いのがワインです。強いお酒は苦手でも、「美味しいワインなら」そんな方も少なくないと思います。

特にどんな食事にも合うスパークリングワインは個人的な好みでもあります。今回はシャンパンと間違えられやすいワインの世界のお話しです。

シャンパンとスパークリングワインの違いとは?

お祝い事のギフトとしてよく扱われるシャンパン。元々シャンパンの泡には幸せや祝福などの意味合いが含まれているそうで。

また黄金の色合いや栓を抜いたときの音などは華やかですし、すっきりとした味わいでどんな方・どんな料理でも飲みやすいなど、やはり贈り物として非常に優れた一品であることは間違いありません。

しかしシャンパンのことを「ただのスパークリングワイン」だと勘違いしてはいないでしょうか? 

日本では、
「ワインが発泡していればシャンパンだ」
「スパークリングワインとシャンパンの何が違うの?」
という認識がどこかにあります。

厳密に言えば、シャンパンはスパークリングワインの一種です。しかしボトルのラベルに「シャンパン」と記載するためには厳しい条件を満たす必要があるのです。

製造地域

シャンパーニュ(フランス東北部の地方)において、法律によって指定された地域内でとれたブドウだけを使い、さらにワインとなるまでの全行程がシャンパーニュ地方内で行われている必要があります。

早い話、日本産のシャンパンなんていうものは原理上あり得ないというわけですね。

製造方式

シャンパーニュ方式と呼ばれる、自己消化酵母を利用した長期間のエイジング(壜内醗酵)が施されている必要があります。

他のスパークリングワインに多い、ワインを発酵させずに炭酸ガスを直接吹き込んだもの、タンク内で短期間の二次発酵を施したもの、壜内醗酵でもシャンパーニュ方式でないもの(トランスファー法、アンセストラル法など)ではどれもシャンパンと呼ぶことはできません。

原産地名表示規制制度(AOC法)

上で挙げた他にも、フランスが世界に先駆けて採用したAOC法で定められている、ブドウの品種や栽培方法などの細かい規定を満たしている必要があります。

高級なシャンパンギフトの相場や選び方

上のシャンパンと呼称するための条件を見てみると、非常に手間がかけられていることが分かります。

そんなシャンパンの相場は、一般に7,000円~47,000円程度。高級シャンパンの中でも特に有名なのはドンペリニヨン(ドンペリ)の「マグナム・シャンパーニュ」で、相場の上限である47,000円程度で販売されています。

しかしお酒をギフトとして贈る場合、味の好みの問題もありますから単に値段だけで選んでしまうのは考えものです。特にシャンパンを選ぶ上で気を付けたいのは次の3点でしょうか。

・甘口や辛口、その中間など、飲む方の好みを考慮すべき部分です。ラベルに「Brut」「Sec」などの糖分量を示す表記があるため参考にしましょう。

・女性へギフトには、オーソドックスな黄金色のシャンパンの他にも、淡いローズ色が特徴のロゼも人気です。

・上の2点も踏まえて、料理との相性も考慮しましょう。一例として、食前には白ブドウだけを使ったもの、食事中は黒ブドウのみやロゼ、食後は甘口が相応しいなどがあります。

これらを踏まえると、必ずしもシャンパンギフトの最適解がドンペリであるとは限らないものです。ルイ・ロデレールの「フランス シャンパーニュ」、インフィニット・エイトの「キュベ・ルビー シャンパン」などは7,000円程度の安価なシャンパンですが、甘口でワインが苦手な方でも美味しく飲むことができます。

またシャンパンとはあくまでもシャンパーニュ地方の伝統に則ったスパークリングワインの総称に過ぎず、けっしてシャンパン以外のスパークリングワインが低品質という訳でもありません。

同国フランスの「ヴァン・ムスー」、スペインにてシャンパンと似た製法で作られる「カヴァ」、スパークリングワイン消費量世界一であるドイツの「ゼクト」など、バラエティに富んだスパークリングワインを楽しみたいものですね。

Pocket