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富裕層の資産運用にプライベートバンク。一般銀行との違いや国内海外の特徴

焔(Homura) 2021.03.12

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「プライベートバンク」はスイスで生まれ、アメリカで育って日本に輸入されてきたシステムです。
アメリカでは「資産運用」面で強みを持ったバンクが多い反面、国内のプライベートバンクは日本の税務や法務に精通しているというメリットが存在します。

すでにご利用の方もいらっしゃると思いますが、アメリカでの利用経験からその違いについて述べたいと思います。

プライベートバンクとは

プライベートバンクとは、資産額が一定以上の富裕層の顧客を対象に、銀行・証券・信託・保険・不動産などの総合的な資産管理・運用サービスを提供している金融機関のことを言います。

元々はスイスで生まれ、欧米で発展して、日本にはアメリカのシティバンクが持ち込んできました。

プライベートバンクと一般的な銀行の違い

一般的な銀行のことは「マスリテール」などと呼ばれていますが、プライベートバンクはマスリテールの金融機関と違って、顧客ごとにオーダーメイドされた金融商品やサービスを提供しています。

必然的に長期的な付き合いとなり、まとまった金融資産の運用、事業承継、相続対策などの用途を考えるなら、プライベートバンクが有利です。

ただし1人1人に丁寧に対応する分だけ、口座開設の審査は厳しくなりますし、各手続きの手数料は高くなる傾向にあります。

また「プライベートバンクがあれば普通の銀行口座は必要ない」かと言えば、けっしてそんなことはありません。

マスリテールの金融機関は、一般的な市場に出回っている株や投資信託、国債などの債券の売買に適しています。

プライベートバンクのサービス内容

プライベートバックが提供する金融商品の具体例として、発行数が限定された私募仕組債、優先出資証券、取引一任勘定を利用した資産運用などがあります。

またコンサルタントの機能も備えており、顧客との直接窓口である営業員が豊富な金融知識を持っているだけでなく、グループ内にさらに専門知識を持つスペシャリスト集団を抱えていることも少なくありません。

プライベートバンクの営業員は、1人当たりの担当顧客が少なく、金融市場が乱高下した時などでも顧客1人1人と密に連絡を取り合うことが可能です。

このような充実したサービスからマスリテールよりもはるかに満足度が高く、海外では営業員と顧客の関係が2代、3代と続くこともあるそうです。

日本のプライベートバンクと海外のプライベートバンクの違いとは?

プライベートバンクを設立する際、検討しなければならない事項の1つに国内バンクと海外バンクのどちらを作るかがあります。

まず共通する点として、どちらの場合でも口座を設立するためには相応の資産が必要です。多少の誤差はありますが、預けられる金額の最小値はだいたい1億円ぐらいからでしょうか。

その上で次のような違いが見られるため、よく吟味した上で金融機関を選ぶと良いでしょう。

言語の違い

海外のプライベートバンクを使う場合、当然ながら使用言語はその国の言語、もしくは英語になります。

プライベートバンクの場合は密に、それも金融関連の用語が飛び交う話し合いをしていくことになりますので、日本語でないとそれなりにストレスがかかる部分でしょう。

ただし海外バンクでも、日本語を話せる担当者がいる場合もありますし、その国の言語ができる知人にサポートしてもらうことで対策できます。

強みの違い

日本国内のプライベートバンクは、日本の税務や法務に対応できるという強みがあります。そもそも税理士法の関係で、日本人の税務相談に乗ることができるのは日本の税理士だけです。

中でも特に見所となるのは相続対策でしょう。日本ほど相続税の高い国はそれほど多くなく、これに対応できるのはやはり日本の金融機関です。

国の税制に合わせて、不動産購入や生命保険の活用で資産を圧縮するなど、節税として有効な商品を提案してもらえます。

一方で海外のプライベートバンクは、資産運用のノウハウに強みを持っている傾向にあります。

日本のプライベートバンクが「資産を守る」のが得意だとすると、海外のプライベートバンクは「資産を増やす」のが得意と言えるでしょう。

今後投資対象として海外のプライベートバンクを利用される方は増えてくるでしょうが、まだまだ海外のバンクを積極的に利用するにはハードルは少ないないと思います。

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