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世界のベジタリアントレンド。欧米における健康や環境に対する関心

焔(Homura) 2021.03.12

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食に対する健康志向から日本でもベジタリアン専門レストランも増えてきていますね。筆者の友人が恵比寿でベジタリアンレストランを経営されていることもあり、定期的に伺っております。

ヴィーガン専門のレストランですが、食べやすく手の込んだ料理はとても美味しくもっと認知されてもいいのではと考えております。

実はベジタリアンと言いましても料理の種類も多く存在します。世界的な健康志向が日本でも広がりを見せてきていますし、環境問題の視点からも今後注目されるのではと思います。

ベジタリアンの種類

「ベジタリアン」とは多くの方が知っている通り、野菜・果物・豆類・ナッツなど植物性の食材を主体とした食事法のことを言います。

しかしそれはあくまでも全体的な話であり、それぞれの食品をどれだけ許容するかによって呼び方が変わります。

・ヴィーガン:
完全菜食とも呼ばれ、卵や乳製品、蜂蜜など一切の動物性食品を口にしないことを言います。動物に対する命の尊重を目的としていることが多く、革製品を使わないなどその徹底ぶりは食事のみにとどまらないことも。

・フルータリアン:
動物性食品の他に野菜(根菜・葉野菜など)も摂らないこと。主に思想的な理由もしくは健康法の一種として取り入れられます。

・ホールフード菜食:
植物性食品の中でも、特に栄養素の高いものを摂ること。例えば小麦粉よりも全粒粉を使うなど、健康法の一種として取り入れられることがままあります。

その他、魚介類を許容する「ペスキタリアン」、ときどき菜食を取り入れる「フレキシタリアン」などありますが、要は一口に「ベジタリアン」と言っても種類はさまざまだと言うことです。

先進国を中心にベジタリアンが急増中

このようにさまざまな種類があるベジタリアンですが、ここ数年、世界で菜食中心の生活が拡大しています。

例えばアメリカは、菜食を実践する人が特に増えた国の1つ。2009年から2013年にかけて若年層を中心にベジタリアンが5倍近くに増えて、推定2000万人いるとされています。

その他、ドイツやイギリス、イタリア、スイス、オーストラリアなど先進国を中心に世界各国でベジタリアンを実践する人が増えています。

世界各国でベジタリアンが増えている理由

健康問題に対する食生活の見直し
ベジタリアンが急増した最も大きな理由は、食生活による健康問題です。

これらの国では肥満や糖尿病、心疾患などのさまざまな疾患が深刻な社会問題となっており、その原因が肉食中心の生活であると大きく取り上げられ続けていました。

菜食の効果は医学的にも認められており、実際に健康を目的としてヴィーガンを実施している人は全体の6割以上にもなります。

環境問題への関心の高まり
食糧生産過程における環境負担は、世界各国で環境問題の論点になっています。食糧を作る際に消費される水や土地、排出される温室効果ガスなどは、日本人の多くが思っている以上に、環境に影響を与えるのです。

近年、環境問題を取り上げたドキュメンタリーが数多く制作されており、それらを見てベジタリアンを始めたという人々も少なくないようです。

ベジタリアンを実践しやすい環境
意外と大きな理由として、「ベジタリアンを実践しやすい」ということが挙げられます。

世界各国では、どこの飲食店も当たり前のようにヴィーガン対応メニューが導入されており、それに伴って周囲の理解も得られやすくなっています。

日本はベジタリアン後進国?その理由とは


先進国を中心に進んでいるベジタリアン社会ですが、一方で日本は非常に遅れていると言わざるを得ない状況。そもそも「日本にベジタリアンがどれだけいるか」という信頼できるデータが存在すらしていないのです。

日本がそうしたベジタリアン後進国となってしまっていることには理由があります。

文化に根付いた肉・魚料理
すき焼きやお寿司など、肉や魚を使った日本料理はたくさんありますし、日本人が毎日口にするお味噌汁だって、かつおやにぼしなどの魚介だしが使われています。

古き良き商店街を歩いて、お魚屋さんを目にすることも多いはず。日本人にとって肉や魚はあまりにもなじみ深すぎてかえって離れがたい食品です。

新しいものを受け入れられない保守的な国民性
いくらお味噌汁がなじみ深いと言っても、肉や魚を食する文化は他の国にもあるはず。それなのに日本人だけがそれを捨てられないというのは、日本人があまりにも保守的な思想を持っているからにあるでしょう。

良く言えば文化を重んじる国民性ではありますが、菜食のような新しい概念はなかなか浸透しません。

言語の壁による情報格差
ベジタリアンに関する情報には英語ソースのものが多いのですが、日本人は先進国の割には英語が不得意という弱点を抱えています。

それによって他の国々と比較してもベジタリアンに関する情報になかなか触れられない状況です。

欧米ほど強くない健康への危機感
欧米でも「和食は健康に良い」とよく言われるように、日本人は健康に関してそれほど危機感を抱いていません。

最近は欧米食が中心になっている日本家庭が増えていますが、それで不健康になったら「ベジタリアンになろう」と思うのではなく「和食に戻そう」と考えるのは自然なことです。
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