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米個人投資家の行先は?ネット証券アプリ「ロビンフッド」で考える日米金融リテラシーの温度差

焔(Homura) 2021.02.22

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アメリカドラマが好きな筆者ですが、最近ハマっているのがビリオンズ(原題:Billions)。
手加減知らずの米国連邦検事と巨大なヘッジファンドの間で起きる出来ごとをドラマ化したものです。

日本とは大きく異なるウォール街の裏側を描いた作品ですが、そもそものアメリカにおける金融リテラシーについて考えさせられます。

そんな個人投資大国で今年に入って「ある」投資関連のアプリDLが急増しています。掲示板のようなアプリですがマネーゲームの温床となったこともありは批判の対象になりました。

今アメリカではこんなことが起きています…

2021年1月末、投資関連アプリのダウンロード数が急増

アメリカのネット証券アプリ「ロビンフッド」と、同国のネット掲示板「レディット」アプリ版のダウンロード数先月、2021年1月末に急増しました。
(レディットは日本で言う「5ちゃんねる(旧・2ちゃんねる)に近いものです」)

ロビンフッドはアメリカiOS専用のアップルストアにおいてランキングトップになり、ダウンロード数は1日約12万回、利用者数は1日約260万人に達します。

レディットもランキング2位になり、ダウンロード数が1日約19万人を記録する事態になってしまいます。

この活気は他の投資関連アプリにも及んでいます。

IOS専用のアップルストア、Android専用のGoogle Play共に、ダウンロードランキングがレディットと投資関連アプリで埋め尽くされるような事態です。

株取引アプリ「ウィーブル」では、1日あたりの利用者数が過去最高の約95万人 になり、証券会社「TDアメリトレード」のアプリも利用者数約44万人を記録しました。

原因となった個人投資家集団「レディット・アーミー」とは

なぜこれらのモバイルアプリが急に注目を集めるようになったのでしょうか? それは掲示板レディットに集まる個人投資家の集団、通称「レディット・アーミー」の影響によるものです。

レディット・アーミーは掲示板内の投資フォーラム「ウォールストリートベッツ」にてメッセージを交わし、ヘッジファンドが空売りのターゲットとしていた企業に対して数に物を言わせて買い向かうことで、株式市場を揺さぶったのです。

このときの取引で使われたアプリがロビンフッドでした。その結果、ターゲットとなった企業のいくつかは、株価急騰という恩恵を受けることになりました。

例えば、ビデオゲーム量販店「ゲームストップ社」の株価は12月下旬の段階でたった18ドル。しかし1月27日にレディット・アーミーの標的になったことで終値は347.51、前日から比較しても134%という異常な上昇を記録しました。

米証券会社は対応するも、レディット・アーミーの影響は続く……?

このようなマネーゲームの温床となったロビンフッドは批判の対象になりました。

27日には株価の乱高下を理由に一部銘柄の取引制限を発表しましたが、「ロビンフッドが市場を操作しようとしている」とグーグルプレイ・ストアに批判が殺到し、制限緩和の約束を余儀なくされます。

29日には、新たに注目が集まりつつあるビットコインなどの暗号通貨取引を制限するなど、対応に苦慮している様子です。

それをよそに、レディット内の投資フォーラム「ウォールストリートベッツ」では今もアメリカ株式市場と投資の話題が盛んで、大勢の個人投資家が参入を続けています。

ウォールストリートベッツのユーザー数は1月25日の時点で約220万人でしたが、29日には約600万人にもなり、なお増加中。個人投資家たちは、無料ボイスチャットアプリ「ディスコード」のサーバーでも活動しています。

まとめ

これはアメリカ個人投資家の金融リテラシーが招いた混乱でしょうか?
そもそも日本とアメリカでは個人投資家の金融に対するリテラシーに温度差があり過ぎると私は思っています。アメリカ人のFPの友人と話すとよく言われることがあります。

それは「アメリカの個人投資家は金融資産全体の50%をヘッジファンドで運用している」という話しです。

確かに数字だけで比較するとこのパーセンテージは日本では15%となります。だからと言ってアメリカの投資家の金融リテラシーが高いという結論にはならないと個人的には考えております。

次回のブログでは日本におけるヘッジファンドについてお話ししたいと思います。

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