News
News

湾岸のラグジュアリーもニューノーマルへ

NOBLE STATE NEWS 2016.06.07

Pocket

 今月1日ドバイの5つ星ホテルで世界のラグジュアリーブランドや流通企業、サービス会社等の代表700人が集まるアラブ・ラグジュアリー・ワールド・カンファレンスが開催され、その席上でこの湾岸のラグジュアリー市場についての「ニューノーマル」宣言ともとれる発言があったようです。

 つまり、ドバイ、アブダビ、カタールなど裕福な湾岸のラグジュアリー市場にもニューノーマルが訪れている。成長は1桁台となり、競争はより激化しているというもの。

 発言者はドバイを中心に650のブランド店舗を展開するシャルホウブ・グループの共同代表パトリック・シャルホウブ氏。「需要が堅調だった時は目標達成も容易だったが今は状況が変わった。成長も1桁台となった」と述べています。

 原油価格の下落と市場の成熟、顧客の嗜好の変化。アラブのラグジュアリー市場はこれらの要因で変化を求められており、試練の時を迎えていると言われています。

 また、この湾岸地域のラグジュアリ-・ブランドは顧客の変化に対応する必要があるとの意見も聞かれました。

 日産インフィニティの中東担当ジャージェン・シュミッツ氏は、いま車を買う人は事前にインターネットですべての新車をリサーチしていると発言。自動車業界では新車に買い替えのとき、顧客のほぼ100%がネットでリサーチしているそうです。

 アラビア語、英語、フランス語でラグジュアリーマガジンやビジネス誌を発行しているドバイの出版社メディアクエスト社の共同代表ジュリアン・ハワリ氏は、この会議の存在も湾岸地域のラグジュアリー商品が優位性をもっていて、はじめて意味がある。10年前、中東はラグジュアリーブランドのマップにかろうじて載るような存在。いまはふつうに載っている、と述べています。

 記事ではアラブの消費力のすごさを表すものとして、ギフト消費があげられています。高価なジュエリーから洋服、電気製品、チョコレートと商品はさまざまにしても、この地域では平均月6万円弱をギフトに使っているそうです。

 しかも裕福な層の平均というわけでなく全世帯の平均が6万円なのですから、実はこれってすごいことだと思います。世界有数の消費力を誇るこの湾岸エリアのこと、ニューノーマルとはいえ、まだまだその消費力にはインパクトがあります。

参照サイト Al Arabiya
photo: Peter Gronemann Mall of Emirates
Pocket