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それでも富裕層は雑誌がお好き?

NOBLE STATE NEWS 2016.06.02

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  ラグジュアリービジネスニュースのLuxury Dailyに市場調査会社ゼニスが行った『ラグジュアリー広告出費予想』レポートの事が出ていました。

 調査対象になっているのは中国、コロンビア、フランス、ドイツ、香港、イタリア、マレーシア、メキシコ、オランダ、ペルー、ロシア、シンガポール、南ア、韓国、スペイン、台湾、イギリス、アメリカの18カ国(日本は対象に入っていませんでした)。対象業界は自動車、香水・美容、アパレルとアクセサリー、時計・宝飾です。

 この調査ではラグジュアリー広告費を一番使っているのは予想通りというか圧倒的にアメリカで、これらの国で使われた2015年のラグジュアリー広告出費の45%がアメリカです。続いて中国が21%で2位。これにドイツ、フランス、イギリスが加わりトップ5を形成しています。

 しかしこのうちの4位のフランスとイギリスの地位は2016年中に逆転するだろうとゼニスはみています。記事の後半で広告メディアについてふれたところがあり、これが興味深かったので紹介したいと思います。

 つまりデジタルメディアの普及でテレビ、ラジオ、映画の広告は成長が鈍化。屋外広告は減少傾向。雑誌などの印刷媒体においては見る陰もなく昨年1年間で1億5千万ドルの減になっている。

 と、ここまではまあ普通に納得する話なのですが、「全体的に紙媒体は凋落傾向だが富裕層向けではもっともインパクトがある。この調査の対象となったアパレル・アクセサリーの広告主は広告予算の83%を雑誌などの印刷メディアに使っており、時計宝飾のクライアントは同様に60%を割いている」というのです。

 たまたま自分が印刷メディア出身にもかかわらず、いまはスマホの中でほとんどの情報を得ているからこれを意外に思ったのでしょうか。いや、もしかしたら印刷費用はそもそも高いので紙媒体とデジタル媒体に同じボリュームの広告を出したら、金額は90%と10%くらいになるかもしれない。そういう数字のマジックもあるかもれません。

 しかし富裕層マガジンを長らく作ってきた経験からすると、確かに富裕層には雑誌が好きな人たちは多いですし、雑誌に出ることを好む人も多いですね。ネットだとリア充とか言われて妬まれ、あげくは炎上したりしますが、紙媒体は炎上しませんし、そもそもリア充の人しか見ないように注意深く流通させます。

 また、この記事の中でGlossy Magazineと言う言葉が出てくるのですが、そういう光沢ある、つるつるテカテカした高級誌の紙面は、ジュエリーや時計、洋服の質感を艶っぽく見せ、買いたい!と思わせるよう人間の脳にインプットするのに長らく貢献してきました。

 さらに雑誌を読んでいる時、人はリラックスして雑念無く内容に集中しているということが書かれていて、これもそういえばスマホをせかせか見ている時の時間の流れとは確かにちがうよなと膝を打ったのでした。

 そういうことから考えると自分が最初に持った違和感は、やはり間違っていたのかもしれません。ある種のラグジュアリー商品については、雑誌というメディアは相変わらず最も影響力があり、ターゲットの心の中にブランドの伝説をつくり上げることに一番長けているのでしょう。

参照サイト Luxury Daily
Cover photo:Pedro Ribeiro Simoes ※写真はイメージです。
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