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3度目の会社売却を行って感じること

ROSSO 2020.04.07

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このたび、私は3度目の会社売却を成立させた。3度目ともなると「会社売却」というイベント自体には真新しさは感じないものの、何度経験しても、あの場の緊張感や責任感は、会社経営者としての重みを痛感できる。
今回は、この経験を話せる範囲でお伝えしていきたい。

私がこの会社に携わったのは1年前ほどである。

よくある「町工場」や「小さな製作所」をイメージしてもらえればわかるが、現代のビジネスシーンには合わない環境であった。

私がこれまで立ち上げた業種はIT技術・テクノロジーであり、若い人材を駆使したりして経営してきた。そのため、町工場のように技術を駆使して製品化したり、私より年齢が上の人たちと関わり合いながら経営したりしていくことに不安が山積みしていたことを覚えている。
何より印象的であったのが、働く社員全員が将来や未来に対して悲観的な考え方を持っていたことである。
それもそのはずだ。この企業は下請けの下請けで、給料が上がる見込みはない、経営者も努力するつもりがないなど、働く社員にとってはやる気やモチベーションを高める意味もなければ、この会社で長期的にキャリアを描くつもりもない状況だったのだ。本当に企業文化の違いに驚いた。

今となっては会社売却までのプロセスを無事に歩むことができたため満足しているが、初めのうちはどのように社員をマネジメントし、どのようなビジョンを描くか、資金調達はどうするかなど、これまで抱えていた経営課題同様の項目を一挙に引き受けることになったのは、とてもストレスになった。
しかし、社員の努力や柔軟性があったことで、私の価値観をはじめ経営理念はすんなりと受け止めてもらうことができ、今ではかけがえのない大切な社員たちとなってくれたことは心から嬉しく思う。また、これから売却先でもみんなが活躍することを約束してくれたため、安心して会社を手渡すことができた。

売却に関する内容や詳細は極秘事項であるためお伝えできないが、比較的短期間で売却まで会社を立て直せたことは自信につながった。

今後、私はどのようなキャリアを歩んだり、仕事をしたりするかは現時点では考えていない。しかし、これからもなんらかの形で経営者は続けていければと思っている。
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