日々の疲れを癒す小旅行
ROSSO 2020.03.15
私は、日々の疲れを癒したりアイデアをブレストしたりするときは、決まって車に乗って小旅行に出かける。小旅行と言っても、電車や飛行機で各地の名所に行くというよりは、多くの人があまり目にとめないようなエリアに車で行くことを条件としている。
また、一般的な小旅行と異なる点は、事前に行く場所が決まってないことをはじめ、スマホなどの電子機器の電源を切って情報を遮断したり、メモや気になったこと、旅行の感想などはすべて手書きで行ったり、自分が今後の人生に残したいと思う風景を一眼レフで切り取ったりすることを必須条件としていることだ。
なぜここまで小旅行に条件を設けるかと言うと、小旅行も仕事の一環であると考えていると同時に、「自分」というキャパシティや人間としての深みをさらに広げていきたいと日々痛感しているからである。
私の信念としては、日々仕事をするだけではアイデアが枯渇してしまったり、価値観が多様化・醸成したりすることは難しいと思っている。その部分を補完するために、日々読書やスマホから情報を得るわけだが、実際に現場に出てフィールドワークすることに勝るものはない。
そのため、時間があるときは家にこもるのではなく積極的に外出して情報収集を行ったり、普段から経済誌を読んだり、スマホの画面からは伝わらない部分である「肌感覚」を大切にしたりしている。
また、自身の感性を研ぎ澄ませるだけでなく、2020年の個人的なスローガンとして掲げているのが「Noblesse Oblige(ノブレスオブリージュ)」の醸成も小旅行に求めている。ノブレスオブリージュとは、経済的地位や豊かさを手にすることができた人間は、その特権として与えられた富や才能、努力をさまざまな形で社会に還元する責務があるという意味である。
数年前から多くの場面で聞かれるこの言葉だが、これまでの自分にはこの意味も価値も希薄であった。しかし、自身の成功を振り返ると、決して一人の力ではなかったし、成功したのも実力ではなく「運」や「偶然」といった不確実な要素が高いといった感想を持つことが多かった。
これまでであれば、より完璧を求めるために再度自分のエゴを追求したかもしれないが、今では理想や自身の成功を最大化するのではなく、社会貢献や自然活動にシフトしてきている。この部分をより醸成するためには、一人でブレストするだけではなくさまざまな場所に赴き、さまざまな風景や人と触れ合い自身の価値観を揺さぶることが不可欠だと考えている。
そのため、私にとって「小旅行」はただの気分転換という場ではなく、自身の価値観を広げる最適な場であると言えるのだ。