ロシアのダーチャに学ぶ二拠点型の生活様式!創造する楽しみを学ぼう
焔(Homura) 2021.05.16
コロナ渦が続く中、リモートワークの需要が多くなっています。場所にとらわれない働き方は多くの方にとっての理想ではないでしょうか?
都市と自然を行き来する二拠点生活はストレスの多い日本の現代社会において、今後もっと注目されてもいいと思います。
今回ご紹介するのはロシアの別荘文化「ダーチャ」ですが、そこにはこんな時期だからこそ立ち止まって知るべき「これからの時代」を生きるためのたくさんのヒントが詰まっています。
具体的にご紹介しましょう。
ダーチャとは?高級別荘ではなく自給自足生活を楽しむもの
ダーチャとはロシアの伝統的な文化でもあり、家庭菜園付きの郊外別荘のことを言います。日本での「別荘」という言葉からイメージするものとは大きく異なるかもしれませんね。なぜならダーチャはバカンスを過ごすための高級別荘ではありませんので。
ダーチャが意味する別荘での生活様式とは「自給自足的」な暮らし方を意味します。そこには菜園があり、野菜を育てたりすることを楽しむ郊外スタイルの暮らし方です。
そんな郊外のセカンドハウスに広がる広大とも言える土地を利用して、ロシアの人々は家族全員で畑仕事や家の修繕などを楽しみます。それがロシアのダーチャであり、ロシアの休日における日常的な光景です。
ダーチャは都市部と郊外での二重拠点生活を楽しめます
基本的にダーチャは都市部と郊外での二重拠点生活を可能にするものですので、この別荘に滞在するのは長期休暇などに限ったことではありません。首都であるモスクワなどでの日常生活は東京など都心部での暮らしとあまり変わることもなく、高層マンションや集合住宅など限られたスペースでの生活が一般的です。
ダーチャでの二拠点生活はコンパクトな都市部の生活拠点と同時に、広い郊外に家を持つこと。
平日は都市部で過ごし、週末は郊外の拠点に家族を連れて移動する、そんな生活様式が一般的です。ストレスフリーでメリハリのあるライフスタイルを確立することができるようになります。
ダーチャ生活を楽しむロシアの人達は週末の仕事終わりに家族を連れて郊外に向かいます。
別荘と言ってもモスクワから近距離にある場合がほとんどです。基本的にダーチャは都市部の暮らしをメインとして、週末などを利用して郊外と行き来します。
二拠点生活ですので郊外への移住ではありません。 またモスクワなどの大都市だけではなく地方都市に在住する人たちもダーチャを持っています。
家庭菜園のレベルを超えたばあちゃんの畑の生産量
ダーチャの家庭菜園の特徴はその生産量にあります。ソ連崩壊後の時代ロシアは物不足の時代にありました。「食料がなければ自分で作る」そんな発想が進化してノウハウとして確立されたのがダーチャでの自給自足生活だと言えます。
そんな時代背景が存在するダーチャの文化ですが、最近ではネット環境が整ったり、生産した野菜をオンラインで販売するなど時代とか見合った生活様式に変化してきています。
また1年以上続くコロナ渦により、ダーチャを一時的な避難所として利用できることもありその存在価値が見直されるようになってきました。
生きるための基本的努力を暮らしのなかで楽しく試みるダーチャ
ダーチャは家庭菜園で野菜を作るためだけのものではありません。 ロシアの人々は自らの手で別荘そのものを作り上げてしまいます。時間をかけて少しずつ別荘を作り上げていくDIYスタイルもダーチャ人気の秘密かもしれません。
一度にベストを完成させるのではなく何年もかけて少しずつ自分好みの別荘を作り上げていく、それもダーチャ生活の楽しみ方です。
もちろん別荘として完成済みのダーチャを購入する人もいますが、最近では家を建てるためのキットや説明書などが販売され人気になっています。
別荘と言っても家の構造自体はとってもシンプルですので、少しずつ家を建てながら作り上げていく楽しみも。
わざと手間暇のかかることを楽しむそれがダーチャ生活の醍醐味でもあります。まさに今の時代にマッチした生活様式ではないでしょうか?
もちろん日本では土地の面積などもありそのまま真似することはできませんが、 実はダーチャはとっても身近なところから始めることもできます。
まずはベランダの家庭菜園からでも構いませんので「始めてみる」ことが大切だと思います。 大切なのはダーチャの文化から感じ取れるその心です。
日常の暮らしの中で少しの変化を楽しみながらいろんな試みにチャレンジする、そんな小さな一歩が豊かな心を生み出してくれるのではないかと筆者は思っています。