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富裕層が行っている変わり種投資とは!?

渡辺 智 2020.07.29

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富裕層は、当然であるが様々な資産運用を行っている。

銀行や証券会社の富裕層専門部隊であるプライベートバンカーが資産運用担当である富裕層も多いだろう。

私も、以前プライベートバンカーとして多くの富裕層の資産運用を担当してきた。

株式や投資信託・仕組債などの金融商品は、もはや富裕層にとっては当たり前だ。

富裕層は、これら一般的な金融商品以外にも様々な投資をしている。

そこで今回は、富裕層が行っている変わり種投資について紹介しよう。


ワイン投資



ワイン投資とは、その名の通りワインに投資をすることをいう。

ワイン投資は、一時期、一般の人にも流行ったが、残念ながらブームにはならなかった。

しかし、資産運用の感度の高い富裕層の間では、いまも人気のある投資だ。

通常のワイン投資は、ワインが出来上がる前に投資をする。

つまり、ワインがボトルに詰められるより前の段階でプリムールと呼ばれる新酒ワインを青田買いするのだ。

通常、ワインは何年か寝かしてから市場に出るが、市場に出る前から値付けは始まる。

よく、◯◯年産のワインの出来は良いと聞くだろう。

ワインを寝かせている間に、価格が上がれば売り、上がらなければ自ら消費するというのがワイン投資なのだ。

ワイン投資は、当たり外れの可能性が高い一種博打のような要素がある事は確かだ。

しかし、ワイン好きの富裕層にとってはたまらない投資だろう。

自分が選んだワインを楽しめるだけでなく、利益が出せる可能性のあるワイン投資を好む富裕層は非常に多いのだ。

ここまでが、一般的なワイン投資であるが、富裕層の中にはさらに1歩進んだワイン投資を行っている人たちがいる。

ワイン投資を提供する業者の中には、億単位の資産のある富裕層に対しては、タックスヘイブンである英領バージン諸島を絡ませた節税目的の取引スキームを提供しているのだ。

この投資の具体的なスキームは、富裕層にまとまった億単位のワインを、購入をしてもらうところから始まる。

このワインの取引を、タックスヘイブンである英領バージン諸島で行うのだ。

バージン諸島にワインの電子的な取引市場をつくり、売却益を非課税で取引するという仕組みになる。

かなり複雑な意識手法ではあるが、興味がある方はぜひ試してみてはいかがであろうか?


タワーマンション節税

タワーマンションを、住む目的ではなく節税の一環として購入している富裕層が多いことを皆さんご存知だろうか?

タワーマンションを購入することによってなぜ節税になるのか疑問に思う方もいるだろう。

具体的にはタワーマンションの高層階を購入することによって相続税の節税になるのだ。

相続税は、多くの富裕層の悩みの種になっている。

相続が3代続くと、資産はなくなってしまうということを聞いたことがある方も多いだろう。

なぜなら、相続税の最高税率は55%と極めて高いからだ。

多くの富裕層は、相続税のために様々な対策をしている。

現預金で保有していると何の控除もないが、保険や不動産にしておけば、いくらか節税になるからだ。

一般的にマンションなど不動産は、現預金に比べて相続税の評価額は2-3割引き下げるといわれている。

なぜなら、不動産の相続税評価額は、時価よりも低くなることが一般的だからだ。

タワーマンション節税は、この不動産の性質をさらに進めた節税対策になる。

タワーマンションは、皆さんご存知の通り高層階名ほど価格が高くなるのが一般的だ。

東京都心部にあるタワーマンション場合、最下層階であれば、5000万円から7000万円程度でも購入だろう。

しかし、最上階などの高層階は5億円を超すことが一般的だ。

私が以前担当していた顧客の中には、浜松町にできるタワーマンションを6億円で購入した顧客もいた。

高層階と下層階級で価格に大きな差のあるタワーマシションだが、専有面積が同じであれば、相続税の評価額はまったく同じになることを皆さんご存知だろうか?

この相続税評価額の仕組みをうまく利用すれば、5億円超えなどの最高層の部屋を購入すれば、相続税評価額を時価の、 2割から3割にまで引き下げられるケースもあるのだ。

相続税に頭を悩ませている富裕層の方はぜひ検討してみてはいかがだろうか?


私募債

私募債とは、企業が発行する社債の一種だ。私募債は、変わり種投資によく使われる投資手法になる。

私募債のスキームの中には、再保険というものがある。

再保険とは、損害保険会社などの保険会社がよく使うスキームだ。

再保険は、損害保険会社が顧客から引き受けた保険にさらに保険を掛け、リスクを分散させるために使われる。

外資系プライベートバンクが提供している再保険ファンドは、何も災害がなければ、ドル建てで年率数十%近くを稼ぎ出すハイリターン投資であることが一般的だった。

しかし、自然災害リスクを取っている地域や企業に大きな災害が起きてしまった場合は、投資元本が数10%以上減ることもある。

この再保険を使ったスキームは、以前は機関投資家のみが行っていた投資だった。しかし、現在は、プライベートバンクを利用している個人レベルでも私募債を使ったスキームで投資できるようになったのだ。

リスクハイリターンの投資に興味がある方は検討してみてはいかがだろうか?


まとめ

今回は、富裕層が行っている変わり種投資について説明をした。

富裕層は、株式や投資信託など一般的な金融商品だけで運用しているわけではないのだ。

ワイン投資やタワーマンション節税など富裕層ならではといえる投資を多くの富裕層は行っている。

今回の記事が富裕層の資産運用の理解を深めるのに役立っていただければ幸いだ。
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