中国の新富裕層MAC男子が注目されています
NOBLE STATE NEWS 2017.02.24
中国発の富裕層ニュースJing Dailyとコンサルティング会社CARATで、中国の新富裕層、MAC(Mass Affluent Class)について興味深いレポートが出ていますので、一部ご紹介します。
MACとは25歳から40歳の中国マス富裕層男子。この層はこれまでの世代とは明らかにちがって洗練されている。旅行や水泳、ドライブなど、自分が本当に楽しいと思えるレジャーを追求している。ひと世代前の男性がゴルフなど、ステータス志向のアクティビティを好んだのとは好対照である。
MAC男子には以下の5つの類型がある。
1.オタク(アフィショナード)
2.懐疑論者(スケプティック)
3.快楽主義者(エピキュリアン)
4.野心家(アスピラント)
5.きらきら王(ブリングキング)
オタクと快楽主義者はスタイルとファッションのこだわり派。常に新しいスタイルや技術を追っかけている。野心家ときらきら王はもっと自発的。そして、常に注目されていたい人。
オタクと快楽主義者に対しては、ユニークで、ビジョナリーで、人の暮らしを快適にするものを提供すべき。逆に野心家ときらきら王には、もっと感覚的なアプローチが必要。5つのグループ全てに共通するのはで、たんにお金を稼いで満足するのでなく、暮らしをもっと便利にしたいという思いが強いこと。
MAC男子のアイドルは
TECH界のセレブたち
鍵となる関心事はテクノロジーで、IoT、IoV(自動車に特化したIoT)、eコマース、O2O(Online to Offline。飲食店がオンラインでクーポンを配るなど)、そしてジャンルを超えたコラボレーション商品やサービス。
MAC男子はイーロン・マスクやマーク・ザッカーバーグ、ジャック・マ、リー・カイフなどグローバルあるいは国内のTECH界の巨人を尊敬しており、彼らの打ち出すコンテンツを好んで消費する。
裕福な彼らは活動的で、デジタルデバイスを信頼していて、デジタルデバイス経由で入ってくる広告に対してあまり疑念がない。とくに高度に洗練されたオタク、懐疑論者、快楽主義者はそうである。
MAC男子は興味ある分野に関連したコンテンツを自ら探し出す。トピックスとしてでなく、消費するためだ。だから詳細な情報が必要であり、実際に利用した人の意見も必要。一般化された情報は必要としていない。このように詳細な情報を得るにあたっての入り口は検索エンジンだ。
日々のリアルタイム情報を得るためにはスマホなどのモバイル端末がもっとも好ましい。
1.即座に情報が得られること
2.パ-ソナライズされていること
3.O2O、つまりネットとリアルの連動があること
この3つが彼らの規範となっている。
MAC男子は感性を同じくする仲間や尊敬できる人物と親密なネットワークを築き、そのネットワークの仲間に信頼を置いている。
ブランド企業はそういうネットワークの中に入っていく必要がある。そのためには先に述べたイーロン・マスクなど、彼らが尊敬する起業家のコンテンツを提供する必要がある。そうすれば彼らは注目するのだ。MAC男子はあこがれのビジネスセレブの行動や思想によって自らを鼓舞し、そこから得た学びを自らの夢の実現に活かすことを考える。
FACEBOOKなどのプラットフォームはMAC男子のネットワークに入り込むためのよいツールとなる。
またエクスクルーシブな、お金で買えない体験をMAC男子とそのネットワークメンバーに提供し、感銘を与えることができれば、彼らのネットワークに仲間入りすることができるだろう。
ステータスや富でなく、
センス・知性・影響力で勝負
他人に対して自分を印象づけるやり方もMAC男子はちがう。かつてはあからさまにステータスや富をひけらかすのが一般的だったが、MAC男子は洗練(センス)、知性、影響力を見せるのだ。
他人を印象づける目的は賞賛や尊敬を集め、同時にトレンドセッターになることだ。それを実現するには、好印象をつくること、複数の外国語を流暢に操ること、文化的ライフスタル、活動に関心を示すこと、また自分の興味や趣味の分野で深い造詣があること、などが必要である。
オタクと快楽主義者は特に洞察力がある。彼らはビジネスにおいてもライフスタイルの話題でも、会話を交わす前に相手に印象をあたえるために傾聴し、観察する。したがってブランドのコミュニケーションも、ゴージャスなきらきら感を伝えるのでなく、クラフツマンシップやヘリテイジを語る方向にシフトしている。MAC男子の興味を惹くには実体ある物語を通してブランドへの嗜好を喚起する事が重要だ。
野心家ときらきら王は自分のことや、自分の経験を語る会話から始める。また彼らの消費中心の生活は自らの表現でもある。
パーティはMAC男子にとって特別のもであり、周到に準備をして行われる。彼らパーティピープルにとって、Wechat(微信:ウェイシン)はなくてはならないもの。新時代のMAC男子にぜひエクシクルーシブなコンテンツや体験を提供しよう。そうすれば彼らは初めて知ったその世界のことを自慢の種にして発信してくれるはずだ。
結局のところ、新時代のMACという人種の前では、単にブランドの栄光を見せつけるという時代は終わった。どれだけ実体があるか、どれだけ洗練されているか。要望は飽くことなく増長しつづけている。ブランド企業は物語を提供しなければならない。そのためにもエンゲ-ジメントを高める方向にシフトする必要がある。
参照サイト:Jing Daily
photo: Pedro Ribeiro Simoes ”Red MG TD Midget (1950-53)”
NOBLESTATEを運営するランドスケイプでは210万件の富裕層データベースをもとに、ラグジュアリー消費者のネットワークを通じた富裕層サーベイ、デプスインタビュー調査を行っています。詳しくはこちらからパンフレットをダウンロードください。