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アートとバンクシー

ANNE 2020.09.25

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古典アートと近代アート、明確な線引きは難しいが、遠近法を用いた宗教や神話等の世界を中心とした絵画が古典アートであるのに対して、近代アートはその括りに入らないものと大雑把に分けることができるかもしれない。

アート流通においてはプライマリーマーケットとセカンダリーマーケットがあるが、プライマリーは通常アーティストがギャラリー等で発表した新作を百貨店やギャラリー経由で販売されることを指す。日本の場合、プライマリーマーケットの大半を百貨店画廊が占めているという。これに対し、セカンダリーはプライマリーで購入された作品が転売される市場であり、オークション経由の場合が多い。

歴史のあるオークションハウスといえばササビーズとクリスティーズだが、どちらもロンドンで創業され、250年以上の歴史を持つ。サザビーズは現在ニューヨークに本社を構えている。日本でも多くのオークション会社があり、オークション開催日前に開かれる下見会は予約不要の場合も多いので、興味があれば是非お勧めしたい。

オークションといえば2年前にバンクシーの絵「風船と少女」が落札された瞬間にシュレッダーされたというニュースを覚えている方も多いのではないだろうか。こちらもサザビーズで行われたのだが、オークションハウスが事前に知らなかったとは考えられない。いきさつはともかく、このセンセーショナルなパフォーマンスもまたバンクシーのメッセージなのだろう。

少し前に横浜で開催されているバンクシー展に訪れた。来場者の年齢層が実に幅広く、バンクシーが多くの層を惹きつけているのがよく伝わってきた。これだけ明確で、強いメッセージを持ったアートは珍しく、場所の選び方、スタイルのどれをとっても革命なのではないだろうか。SNSの時代の新しいスタイルとも言える。それともそもそもこれは計算されたビジネスなのか。そんな謎を考えながら作品を楽しむのも面白い。





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