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竹下通りの動物園

Mimi 2019.07.26

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 生き物大好き! 今までにも、犬、猫、小鳥、金魚などの定番の他、いろいろな生き物を飼ったことがある。奄美大島に行った時、きれいな貝殻を拾ってきた中に、ヤドカリが混じっていたのに後で気づき、結局それを飼ったこともある。

 テレビ番組でお気に入りは、Dライフの「ボンダイビーチ動物病院」。面フクロウとの生活を綴ったStacey O’Brien のWesley the Owl なんて面白くて、胸がキュンキュンし通しだ。



 でも、野生動物の生態はあまり見たくない。肉食獣の狩りなど、動物の生きる闘いを見るのが辛いから。お腹が空いてもコンビニに食べ物を買いに行くわけにはいかないし、病気や怪我をしても病院に行くわけにもいかない。狩る方も狩られる方も本当にお気の毒だ。

 「原宿かわいい動物園」というのが竹下通りにあると聞き、私の母と一緒に一歳の孫のゲンちゃんを連れて行った。ゲンちゃんの喜ぶ顔が見たくて。


 竹下通りなんて何年ぶりだろう!電車大好きなゲンちゃんのために山手線に乗って行った。原宿の駅で降りた途端竹下通りはおしゃれな若者や外国の観光客でごった返している。そこを、我ら、おばあちゃんとひいおばあちゃんはそろそろベビーカーを押して進む。沿道のお店を見る余裕もなく、グーグルマップを頼りにようやく着いた。

 な、な、なんと、そこは、ビルの3階にあるし、3階に登るエレベーターがない。でも、若い店長さんがベビーカーごとゲンちゃんを持ち上げて、3階まで運んでくれた。重くて大変だと思うけれど、全然そんな気配も見せないで、にこにこしてくれる。

 入ってみると・・・ああ、なんてかわいいの!!ピンクの色調の室内に、ピンクの服を着ているかわいい女性のスタッフがいて、その両手で作ったカップの中には、ハムスターが眠っているではないか。つまり、これが歓迎のご挨拶。ガラスのケースの向こうでは、ミーアキャットたちが、走り回ったり、抱き合ったりしてじゃれている。

 膝の上で眠っているフェレットをゆっくりなでているお客さんがいるかと思えば、手の上にハリネズミを載せてご満悦のお客さんもいる。カピバラの赤ちゃんがベビーバスの中で水浴びして喜んでいる。  竹下通りの賑やかな雑踏の世界から、突然「やさしーい」「おだやかーで」「しずかーな」空間にワープしてしまったようだ。お客さんたちは、国籍も違うし、年齢もいろいろだけれど、みんなにっこりと至福の顔をして動物と触れ合っている。

 実は、わたしもゲンちゃんと同じく、こういうちっちゃな動物を身近で見たり触ったりするのは初体験。猫カフェやうさぎカフェには行ったことがあるが、猫もうさぎも、フレンドリーに膝によじ登ってきたりすることはなかった。だが、ここの動物は嫌がりもせず、手や膝の上でなでられながら気持ちよさそうに眠っている。

 世界最小のお猿さんもいて、お店の人が檻から出して抱っこしてくれたのを、ゲンちゃんは優しくなでる。  動物たちの暖かい体温と柔らかい毛が、五感を幸福で満たしてくれる。

 30分はあっという間に経ち、私たちはベビーカーを一階に下ろして貰いタクシーで帰った。

 そして、翌週、今度は私一人で舞い戻った。絵の道具を持って。静かに眠っている動物を描くので、描きやすい。1時間、動物をなでたり、描いたりして過ごした。





 暑い夏には、冷房の効いた室内で、動物と触れ合うに限る。動物たちは、ビルの中に住んでいても、きっと草原の夢を見ているような気がする。だが、ここに居る限り、肉食獣に襲われる心配もなく、安心して眠っていられるのだ。おいしい食事が十分与えられ、病気になれば獣医に見て貰える。そしてその事実が、私を安心させ、ますます癒された気分にさせるのだ。

 かわいいちっちゃな動物ちゃんたち、待っていてね。また会いに行きます!



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