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遊牧民が作る素敵なギャッベ

YOU 2019.05.24

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以前、一枚板テーブル展でもご紹介した私の大好きなお店『松葉屋家具店』では、別フロアでギャッベも販売している。とても素敵なゾランヴァリ社のアートギャッべを数多く買い付けている日本でも数少ないお店だ。

今回は、「大地と空、火と草色のじゅうたん展」にご招待いただき、再び足を運ぶこととなった。



この「ギャッべ」とは、イラン南西部シーラーズに生活する遊牧民で、カシュガイ族の織り子さんが天然のウール素材を使って手作りで織り上げていく絨毯のことである。



色とりどりの色彩や絵柄、何より丈夫でフワフワした気持ちいい手触りが特徴的だ。ヨーロッパでは最も有名な「ゾランヴァリ社」から買い付けているこのお店の絨毯は、座布団ほどの小さいミニギャッべから、幅3メートル近い大きさのものなど、さまざまな用途に合わせて幅広く選ぶことができる。







お気に入りのチェアに敷いても良いし、みんなが集まるリビングやエントランスにもどこにもよく合うギャッベ。



このゾランヴァリ社のギャッべを日本へ持って来られるのはたったの2、3人しかいない。現地専属の日本人の選定士がゾラヴァリ社の倉庫へ年に2度出向き、2万枚もの中から質の高いものだけを1枚1枚目や手で確認し、2,000枚ほど選定するのだ。

そこから100%ウール素材である証明書や税関への申請など、時間をかけ日本に送っているのだそうだ。現在は経済制裁を受けているためスムーズに運ぶことが難しく、とても希少性の高い絨毯がこのゾランヴァリ社のギャッベなのである。



ギャッべは、一つひとつが手作業で作られている。羊から刈った原毛を紡ぎ、植物などを使って48時間もの時間をかけ染め上げていくのである。染料には赤色を出すために茜の根、黄色はザクロの皮、茶色はくるみの皮といったように。



そして、1枚ずつ丁寧に織りあげる。絨毯の大きさやデザインの細かさによっては数ヶ月から1年近くかかるのだそうだ。そして、でき上がったギャッベはゾランヴァリ社にて検品し、クリアしたものからゴミやホコリを綺麗に取り除き、しっかり洗浄し乾かしたら完成となる。



そして、今回の展示会で紹介されたギャッべは2018年12月と、今年2019年2月にイランにて買い付けて来た最新作だ。



素敵なギャッベがたくさんあったが、私の一番のお気に入りはこちらである。淡いブル―の色がとても美しく、小さな動物も可愛らしい。



ギャッべに描かれるこのような模様にはそれぞれ意味がある。鹿は「家族円満」、羊やヤギは「子孫繁栄」、木々は「健康や子どもへの成長の願い」といったように、柄や模様に幸せや意味が込められている。





最後に、山桜から作られた素敵なカッティングボードをいただいた。今回もとても有意義な時間となった。



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