富裕層旅行市場が22兆円!アフターコロナの観光コンテンツを探る
ShiGezone 2022.07.22
行動制限が収まりつつある中で、旅行業界にも活気が戻ってきています。大規模な海外旅行までは開始されていませんが、国内では多くの観光地が賑わいを取り戻しつつある現状です。
ところで日本だけでなく、世界の富裕層をターゲットにした旅行市場では、アフターコロナとなる2024年には22兆円に拡大すると予想しており、コロナ禍で大打撃を受けた世界中の観光業界にとって、富裕層の旅行者の誘致は、回復へのカギとして期待されています。
■JNTOが定める富裕層の定義&2024年の市場規模予測
(出典:JNTO公式サイト
https://www.jnto.go.jp/jpn/index.html)
JNTOとは日本政府観光局の呼び名であり、主要な観光市場に海外事務所などを開設して、外国人旅行者の誘致活動を行う政府機関のことです。
そのJNTOが定める富裕層の定義とは「費用制限なく満足度の高さを追求した、高消費額旅行を行う市場」かつ「旅行先における消費額が100万円以上/人回」としています。
大手テクノリジー調査会社Technavioが発表した「Global Luxury Travel Market 2020-2024」では、世界の富裕層旅行市場は2020~2024年の期間で、年平均成長率4%で拡大。2024年には2,130億ドル(約22兆4,000億円)に、成長すると予測されているのです。
旅行のタイプ別では、2019年に成長を見せた「アドベンチャーツーリズム」は、今後も引き続き拡大するとされており、地域別では、北米からの富裕層旅行市場は最大の推進力となり、世界全体の富裕層旅行市場の30%を占めると予想しています。
■日本での富裕層向け観光コンテンツの開発事例
とりあえず、アフターコロナにおいて世界的な行動制限が解除され、これまでのように世界中自由に旅行できる状況が戻ってくれば、2024年には富裕層旅行市場は約22兆円以上に伸びると予想されていることが分かりました。そうなると、日本においてもインバウンド需要を見越して、訪日する富裕層向けの観光コンテンツが必要となります。ここでは、これまでの観光コンテンツの事例を見てみましょう。
■JNTO×Princess Cruises 富裕層取扱いエージェントを招請したクルーズツアー
(出典:出典:JNTO 報道発表資料
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20190515_2.pdf)
日本周遊クルーズを手がけるアメリカ大手クルーズ会社「Princess Cruises」が運航する「ダイヤモンド・プリンセス」を用いた視察ツアーで、JNTO(日本政府観光局)の招聘事業として行われました。
◆期間:2019年5月18日(土)~22日(水)
◆招請者:Ensemble Travel Group(アンサンブル・トラベル・グループ)
米国およびカナダの富裕層を顧客に持つ旅行会社約 850 社が加盟するコンソーシアム。年間売上高は 10 億米ドル以上に上る。毎年、売上上位の加盟旅行会社を対象とした視察ツアーを実施している。
◆行程:
神戸(白鶴酒造資料館)⇒高知(和紙漉き、高知城等)⇒広島(厳島神社、広島平和記念資料館等)⇒松山(松山城、道後温泉等)⇒宮崎(鵜戸神宮、飫肥城等)
◆提携先:Princess Cruises(プリンセスクルーズ)
■1泊60万円で「特別城主」になれる城泊
(出典:平戸城懐柔櫓公式サイト
https://www.castlestay.jp/concept/)
以前お伝えした長崎県にて、2021年4月からスタートした「平戸城CASTLESTAY懐柔櫓」は、1日1組限定、1泊素泊まり60万円で城主になれる宿泊プランです。
コロナ禍でのスタートとなっていますが、国内では人気が高いプランなのでアフターコロナでの集客に期待が寄せられています。
■富裕層旅行者向けのコンテンツの拡充が必要
国内でも2024年からの富裕層旅行者を獲得するには、興味を引くコンテンツの拡充が求まられます。コンテンツが少なすぎるのが現状ですから、いかに充実したコンテンツをつくれるか、によって富裕層旅行者の獲得に大きく影響します。今後は、官民一体となったコンテンツ作成事業が、急務といっていいでしょう。
参考サイト
JNTO公式サイト
https://www.jnto.go.jp/jpn/index.html
JNTO 報道発表資料
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20190515_2.pdf
平戸城懐柔櫓公式サイト
https://www.castlestay.jp/concept/