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VIX指数について

ANNE 2022.03.17

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VIX指数とは株価のボラティリティ(変動の度合い)を示す指数であり、いわゆる投資家の不安心理を数字で表したものである。このVIX指数がどのように使われているのか、相場をどのように反映しているのかについて考察してみた。

VIX指数とは1993年から公表されている指数であり、米国の大型、中型株で構成される代表的な指数S&P500の今後30日間の変動範囲を予測した指数である。VIX指数が上昇するということは株式の変動幅が大きくなると予想しているため、波乱が起きるかもしれないと考えている投資家が多いことを意味し、逆にVIX指数が低い水準に落ち着いているときは、株式市場も穏やかな状況が続くと予想されているとも言える。

そのため、VIX指数が低く穏やかな時はS&P500も安定しており、VIX指数が上昇した時S&P500は急落するというように逆の方向に動くことが多い。VIX指数が上昇したときはマーケットが下落している場合が多いことから恐怖指数とも呼ばれている。



VIX指数の水準は20前後で推移することが多く、それが一つの目安とされることが多い。30を超えると投資家は市場を悲観的にみており、40以上になると何か特別な事情などによりパニックになっていることが多い。例えば2008年の世界金融危機時や2020年のコロナ初期のコロナショック時はどちらもS&P500は暴落したが、VIX指数は80台にまで跳ね上がっている。

このように、S&P500と逆の動きをすることが多いことから、米国株とVIX指数を併せ持つことで、株式市場の上昇時は株価部分が上昇し、下落時はVIX部分が上昇しているため、株価下落による損失を和らげてくれ、ヘッジ効果が期待できる。

しかし、気をつけないといけないのは、VIXは通常先物を通じてポジションを持つことになるが、その価値は時間と共に減価するため、持ち続けるのは得策ではない。保険的な意味合いで数パーセントだけ保有するか、有事をある程度見越してその期間だけもつか、または、普段はあまりポジションを持たないが軌道的に調整してくれる商品を通じて持つ方が良いだろう。

VIX指数はマーケットの変動に先行して動く先行指数ではないが、マーケットの状況を映す重要な指数であり、恐怖指数という名により避けるのではなく、上手に付き合うことで運用の上で武器にもなり得ることをお伝えしたい。
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