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アリババ 馬会長に続け!ボルドーを買う中国の富豪たち

NOBLE STATE NEWS 2016.05.30

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  ある一定レベルの富を蓄えると、富裕層は自身のライフスタイルを示す、ステータスシンボルとして牧場だとかワイナリー(やヴィンヤード)を購入することが多いですね。自国内にという場合もありますが、ワイナリーであればフランス、ボルドーやブルゴーニュ、アメリカだとカリフォルニアのナパバレー等。

 ワインマガジンDecanterの中国版、Decanter CHINAは、今年に入ってボルドーのシャトーを買う中国人が急増していると伝えています。

 クリスティーズの国際不動産部門で中国市場を担当するリー・リファン氏によれば、ヴィンヤード(ブドウ畑)の不動産仲介に強いマックウェル・ストーリーベインズ社だけで今年9つのシャトーの取引が行われています。

 アリババ・グループのジャック・マー(馬雲)会長は今年2月末、ボルドーのシャトー・ド・スールを買収。このニュースは中国のワイン市場にも大きなインパクトをあたえ、ワイナリー不動産投資に対する新たな関心を呼び起こしました(中国富豪によるシャトー買収自体はすでに数年前から始まっていますが)。

 香港で行われたワインエクスポでマックウェル・ストーリーベインズ社、クリスティーズ不動産の香港部門、英国のワイン商ベリー・ブラザーズ&ラッド等が開催したワイナリー投資セミナーには42人が参加しました。

 リー氏によれば参加者の60%がワインのプロ、20%は不動産投資を使った移住が目的の人たち、残りの20%はシャトー巡りの旅行が目当てといったところ。このうち最初のふたつに相当する80%は本気でワイナリーへの不動産投資を考えている、ということです。

 マー氏のワイナリー投資は、中国の投資家たちにもよい刺激になったようです。というのもこのクラスの投資家はトップエリートやスーパーリッチの後に続くことに無上の喜びを感じるからです。

 地元ボルドーの反応もこれまでのところはよいよう。ボルドーとしても潤沢な資金をもつ中国人投資家の力が必要なのです。

 しかし中国の富豪たちもグランクリュなど格付けの高い畑には手を出さないようです。もちろん超のつく富豪揃いのこと。買おうと思えば十分買えるし、格付けの高いシャトーオーナーの中にも売ってもよいという人もいるらしいのです。

 それでも富豪たちが買わない理由は、彼らは投資リターンに対して非常に厳しいからだといいます。彼らに言わせれば格付けの高いワイナリーを手に入れると、ただそこでできるワインを販売するだけでは、投資回収に何年かかるかわからないからだということです。

 ある意味ステータスを得るための、ゆとりのライフスタイル投資のようにも見えるのですが、やはりそこは中国の超富裕層。とても合理的思考の持ち主なんですね。

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参照サイト Decanter CHINA

Cover photo:Bernard McManus
ワイナリーの写真:Jim G
※写真はイメージです。
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