News
News

高級時計市場でいま韓国がモテる理由

NOBLE STATE NEWS 2016.05.23

Pocket

 高級時計の市場で、いま韓国の存在感が増しています。これはひとつには巨大市場の中国で汚職防止運動が続いているため、高級品販売全体が今ひとつ盛り上がらないということがあるようです。

 ロジェ・デュブイはこれまで新商品発表の世界ツアーをヨ-ロッパ、アメリカを周ってから、アジアは中国、日本、韓国の順で周っていました。しかし今年のブラックベルベットワールドプレミア ダイアモンズ(予価4810万円)のツアーではアジア最初のお披露目場所としてソウルを選んでいます。

 同じスイスのラグジュアリーウォッチメーカー、パネライは今年3月、韓国に初めての店舗を出店。オープニングにはCEO自らが訪れています。

1004616

 ソウルの「PANERAI」店舗は富裕層が多く住む江南(カンナム)区狎鴎亭(アックジョン)にある。

 また2015年のジュネーブ時計グランプリで、アジアのホスト国となったのは香港を除けば韓国のみ。

 こういった韓国へのシフトは、もちろん売上のトレンドシフトと関係しています。スイス時計の輸出額は2015年に前年比3.3%の減。対中国は5%減、対香港は22.9%減と大幅に数字を落としているのです。

 いっぽうで韓国の高級デパートではラグジュアリーウォッチは年々売上を伸ばしていて、ロッテデパートの統計では対前年度伸長率が2013年は19.2%、2014年12.1%、2015年33%となっています。またヒュンダイデパートのラグジュアリーウォッチ販売は2013年11.3%、2014年16.3%、2015年30.1%といずれのデパートも昨年は30%超の伸び率。

 中国の汚職防止運動がラグジュアリー消費に陰を落とし始めたのは今に始まったことでなく、2014年初頭からと思われます。

 また韓国では伝統的に結婚の際、花嫁の家が花婿に時計を贈る習慣があるため、このこともラグジュアリーウォッチ市場を押し上げているのではないかとも見られています。

 別の業界関係者は「アジアのKポップブーム、それと花婿には時計を贈るという特別な習慣。このふたつが最近の韓国のトレンドを作っている」と見ています。



参考:yonhap news
cover photo:Manual7
Pocket