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画廊の夜会と富裕層

NEWS BLOG 2019.05.27

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今月のブログで末木佐知さんが画廊巡りについて書いておられます(アートの世界 ~おすすめ体験 画廊巡り~)。ちょうどタイミングよく、今週末、銀座の画廊が夜会を開催するようですので、こちらについて今回は合わせてご紹介したいと思います。

画廊の夜会 2019年5月31日(金)17:00-21:00

銀座の画廊というと、どうしても敷居を高く感じてしまうのですが、この画廊の夜会というイベントは普段画廊にいらっしゃらない方にも気軽に画廊巡りをしていただこうと、参加各ギャラリーがワインやビール、おつまみなどを用意して、レセプションのような感じでおもてなしをするものです。

富裕層インタビューをしていて思うのは、富裕層といえども家に絵を飾っている方はまだ少数派ということです。絵画は美術館で観るものであって、家に飾るものでないという感覚の方が多いのです。アートは実用性がないため、ゆとりある人にしか縁がない。つまりもっとも富裕層にふさわしいアイテムであるにもかかわらず、です。

車に贅沢をする、時計に贅沢をするという男性は比較的多いですが、ではそういう男性がアートを買っているかというと、そういうケースはむしろ少ないようです。それに比べれば、まだジュエリーに贅沢をする女性が美術品を買うというケースのほうが多いように思います。いずれにしても、日本の富裕層にとってアートはこれから本格的に花開く市場なのでしょう。

数寄屋建築に住み、富裕層が茶の湯を嗜んだ頃は、床の間に季節の花を飾り、季節の軸を掛けて客人を迎えるという習慣がありました。建築とアートが一体化していました。ヨーロッパの富裕層の家に伺うと壁に隙間なく、アートが飾られていることがあります。ああいうのも見事に家と室内の芸術品が連続性をもっています。

一方で現代日本の富裕層のお宅では壁が白いままのことが多いです。多くの富裕層の頭の中で、まだ建築とアートのマッチングがうまくいっていないようです。

しかしここ数年は、ZOZOの前澤社長がバスキアの作品を高額で落札、コレクションしていることが突破口になって、日本でもアートを買い、所有することが、ようやく「クール」なことになりつつあるのではないでしょうか。

もちろんそれ以前にも瀬戸内海の直島を現代アートの島として世界にアピールした福武さんや、大林組の大林会長など世界的コレクターの存在があり、その布石があってこそなのですが。

企業家がメセナという概念でなくて、アートをよりプライベートな空間で所有し、コレクションすることの楽しさを発信してきた成果が実り、富裕層の中に、少しずつではありますが、アートは美術館で観るものでなく、買って家に飾るものという感覚が芽生えてきているように思えます。

5月31日(金)、銀座の画廊の夜会。年に一回のよい機会ですので、気軽に夜の画廊巡りにお出かけになってはいかがでしょう。きっと美術館で観る巨匠展などとはまた違った、身近に飾るためのアートとの距離感を感じることができると思います。





cover photo:douceurs d’etre  “contemplation @ the art gallery”

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